第561号(2000年1月15日)


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稲嶺知事の講演を要請 米外交問題評議会(CFR)マイケル・グリーン氏

 昨年暮れ、名護市の岸本市長は沖縄基地が日本に及ぼしている意義を国民に説明して欲しいとの前提で普天間基地を受け入れると表明した。これによって、普天間移設問題が大きく動き出すことになった。十二月中旬の本紙記者の取材でも国務省、国防総省とも名護市の動向に注目している様子が見えた。同盟強化にストレートにつながる問題であるからだ。米国取材では普天間が動く場合の跡地利用の問題にも焦点を当てた。

■知事も訪米を年頭に表明

 稲嶺知事は新年のマスコミ各社とのインタビューの中でサミット前に訪米し、沖縄問題について米有力者と意見交換したい、外交問題評議会から講演の依頼を受けた、と述べた。外交問題評議会のマイケル・グリーン氏が記者らのワシントン取材中に提案したもので、前々からの企画という。サミットで沖縄を訪れる米政府の官僚に沖縄の現状を把握してもらおうというもので、ジョンホプキンス大学で開催したいとのことであった。大統領選挙で共和党が勝てば国防長官に有力視されているリチャード・アーミテージ氏も稲嶺知事を歓迎するとの意向を示しており(前号記事)、今回の訪米は面白い結果が得られそうだ。

 同盟強化はすでにガイドライン関連法案が通り、小渕首相がクリントン大統領に約束しているものであるが、米国では同盟強化は必ずしも軍事一辺倒で論じられてはいない。

 例えばマイケルグリーン氏(写真)は二、三年ほど前に沖縄問題に関連してヒューマンタリー・リリーフ・オペレーション・センターという構想を国防総省に提言したことがあるという。

 同盟関係の強化を人道的な側面から目指すもので、沖縄で可能な国際貢献に対して支援できるものはないかという考えである。

 沖縄側からの「普天間跡地で国際救急医療チーム」のようなものが編成できないかと投げかけた際の応ええを次ぎに紹介する。グリーン氏は外交問題評議会の主任研究員で安全保障問題に詳しく、国防長官官房のコンサルタントも兼務している。流ちょうな日本語を話し、三月には沖縄で講演する予定。

グリーン氏 それは安全保障体制の強化につながり大変良い考えだと思う。救急医療というか人道のためのオペレーションセンターという考えをわたし自身同僚とともに提言したことがある。

 ガイドラインとも関連して共同作戦計画をつくるのは時間が掛かるだろう。朝鮮有事に備え、自衛隊と米軍が訓練するという話は大変センシティブなものとなる。

 そこで共同作業としてヒューマンタリー・リリーフ・オペレーション・センター(HROセンター)という考えを国防総省に提言したことがある。救急医療センターというのはこの中に入ると思う。軍民の共同作業が可能だ。

bbそれはどうなったのか。

グリーン氏 当時はガイドラインが最大の眼目で、前向きに検討された(笑い)。日本国民に説明できるアイデアを出したのだが、軍は戦争をすることが目的なのでこのアイデアはお蔵入りだ。しかし、救急医療隊というアイデアなら自衛隊や米軍から大佐クラスが出てNGOと赤十字からの代表を集めた運用が可能だ。

 そこで秘密でない作戦計画を立てる。それなら普天間返還後の跡利用計画としてすごく良いアイデアになる。軍民供用で基地の跡利用の前倒しになり、危機管理体制も強化される。

 将来、名護の米軍基地は朝鮮半島が平和的な解決を見れば必ず在日米軍の縮小があると思う。そのときこのような柔軟性のある安全保障体制も可能になるというのが私たちの考えだ。

bb地元には環境浄化の会社や南北問題の研究所設立のアイデアもある。

グリーン氏 開発援助の研究所は面白い計画だ。沖縄近隣で危機が発生した場合、その場で例えば「東チモールはこうである」と分析出来るなら、その研究所は平時にも危機にも役に立つ。南北センターとして単なる学者を集めるのではなく危機に対応できる研究が出来るならアジアにとっても大変なプラスだ。

 NGOの知識と軍の輸送機を活用する施設なら、やはり政府の施設とするのがいい。政府、軍、民間も入れて、国連の代表も入れたらいいね。緒方さんとか。

 NGOも軍も国連も作戦計画は持っているけれどもそれらの調整がない。調整機関が沖縄で設立可能だ。

適切なレベルの対話が必要 まず行動を起こすことだ

 同盟が軍事一辺倒ではないと述べたが、アーミテージ財団のロビン・サコダ氏(写真)は同盟をいかに活用すべきかというヒントを出してくれたように思う。サコダ氏は国防総省で日本担当を務め、現在アーミテージ財団で日米問題を担当している。沖縄を訪れたことがあり、日本語も少しできる。

サコダ氏 このようなミーティングは大変重要だと認識している。私もお役に立てることがあれば、私の考えを述べよう。

 米国と沖縄の協力関係をどうつくるかについてだが、沖縄との対話が適切なレベルで行われるべきだ。積極的、頻繁な沖縄米軍と自治体の対話が必要だ。米軍はそれをやろうとしている。

 沖縄基地全体の問題は日米が直接対話するが沖縄地域のオプションの大半は県民と米軍の対話に求められる。

bb地位協定でたとえば沖縄基地の環境汚染に米国は責任を負わないことになっている。

サコダ氏 米軍が環境問題に責任を持たないと米兵士は思っていないだろう。当然の感覚として責任感を持っていると思う。

bb普天間の跡地に国際救助隊のようなものを設置できないかと考えている。

サコダ氏 やってみないと分からないが、行動を起こすべきだ。それがなければ何も得ることはない。やってみる価値はある。最初の障壁は普天間が現実に移転するかどうかだ。そのあとはいかに跡地利用に協力できるかだ。

 米軍は過去数年間米国内で基地を縮小してきた。BLAC法にもとづく閉鎖プログラムがある。跡地利用について地元の司令官なら即答できるかもしれない。話し合いが重要だと思う。

 私は軍人として日米同盟でずっと仕事をしてきた。同盟の考え方は共和・民主党で考え方が違うわけではない。両政党が日本の重要性を認識している。

 二国間同盟の重要性を認める姿勢は同じだ。しかし、世界の他の地域では意見が分かれるところもある。

 日米同盟は米国にとって二つの意味がある。第一は日本との二国間で米国の利益を得ることだ。二国間では沖縄の状況をどう改善していくかが重要だ。

 もうひとつは同盟が米国にとって戦略的にどのような役に立つかだ。

 沖縄はこの二つの考え方を認識しないといけない。在沖米軍がいかにアジアの役に立っているか。兵士は沖縄、日本、米国にとって重要だ。もし日本が同盟は不要であるというなら、米国も考え直すだろう。

bb沖縄知事と米四軍のトップとはときどき会っているが、その内容が全く沖縄県民に伝わらない。同盟の役割も日本語で正しく説明されていない。日本全体も同様だと思う。県民にフラストレーションがたまっていると思う。これに対して大きな危機感を抱いている。

サコダ氏 いまの発言にどきっとした。なぜ米軍がそこにいるのか。このようなミッションをもっと積極的にやるべきだと思う。

 基地によって違いがあるかもしれないが、是非司令官を訪ねてほしい。司令官の側も準備を整えていると思う。ここにいるみなさんで対話を求めてもいいのではないか。

 想像してほしい。みなさんがアメリカ人として外国にいる。時間は限られている。政府に責任があり、地元とどう接していいか分からないと言う最悪の状況を。みなさんの積極的なアプローチがあればこの状況はすぐに解決すると思う。是非イニシアチブをとって接触してほしい。

 いま私が紹介する。コミュニティーオフィサーのデビッド・ランド大佐(海兵隊)にあってくれ。いま海兵隊は彼を通じて地域のことをやっていこうとしている。

 最後に対話がなんといっても大切だ。そのために沖縄からみなさんが来たのだと思う。私も沖縄を訪れて楽しかった。本当に楽しいところだ。辺野古もすばらしいところだ。そのような経験を米側がもっとすべきだ。

 米国では冷戦終了後、一九九〇年代に入って百カ所を超える基地が整理・統合・閉鎖されてきた。閉鎖に当たっては国防総省をはじめ商務省、労働省からさまざまな予算措置が講じられている。次号から、実際の基地閉鎖がどのように行われているかを見る。(本紙・渡久地明)


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航空自由化来月から火花

 二月から航空法が改正され、いよいよ空の自由化が始まる。国内線に就航している航空会社は自由化に向けて対応を急いでおり、沖縄観光にどう影響するか注目される。

 運輸省の説明によるとこの改正はは国内航空運賃と路線の参入、撤退の自由化が柱である。運賃の場合、これまで運輸省の認可が必要だったのが届け出だけで済み、また路線についても免許が必要だったが届け出に変わる。

 国内航空会社では自由化に対応して検討を重ねており、競争が激化する見通しだ。全日空では各社の先陣を切って方針を明らかにしている。それによると個人旅客を重視し、片道の普通運賃を引き上げて、往復割引運賃を復活。現在の普通運賃より三%前後安くする。このほかオフ期や記念日には五割を超える大幅割引をするなど個人旅客向けの運賃改定案を検討している。

 エアーニッポンでは那覇=宮古間の二〇%割り引きをすると一月十一日付の日刊紙で広告した。この運賃は全便に適用され那覇=宮古片道九千九百円。二月一日から三月六日までの限定だが、普通運賃の一万二千四百円より二千五百円、往復で五千円の得になるという。搭乗日前日までの予約が必要で、購入後の変更は出来ない。また座席には制限があるという。

 宮古、石垣線は地元のJALグループ・日本トランスオーシャン航空とANAグループ・エアーニッポンが熾烈な販売競争を繰り広げており、旅行業界では「日本トランスオーシャン航空もいずれ何らかの対抗策をを打ち出すだろう」とみており、早くも自由化による値下げ合戦の火花が燃え上がっている。

 各社とも他社の出方を見ながら運賃を出すことになるが、運輸省では利用者は少しでも安い料金を望んでおり、一千円の価格差で利用者が流動する傾向があるので慎重に検討を続けていると見ている。

 運賃の届け出には「何月何日から実施」という項目もあるため、いつから実施するか届け出に明記すればいい。従って「明日から実施」ということも可能。ただし運輸省では「一月六日現在、届け出がない。航空券は二カ月前から販売しているので、実際に新運賃が出現し適用されるのは四月以降になるのではないか」という。

 航空路線については、羽田、成田、伊丹、関西の四空港については発着枠の関係から調整が必要で、届け出だけで発着が自由に出来るわけではない。しかしその他の地方空港は自由に新規参入出来る、としている。

 例えば福岡=東京を結んでいるスカイマークや北海道=東京を飛んでいるエアドウが地方空港を経由して沖縄に路線を延長するなどは可能である。沖縄は夏場には「国民的人気の観光地」だから若者をうまくつかめば利益が見込めるからだ。

 離島県の沖縄は航空会社の力のいれ具合、さじ加減で観光客も増減を繰り返して来た。航空自由化で航空各社がどのような沖縄政策を採るか、今年の観光を占う注目の上半期である。

■沖縄に1日75便が就航

 沖縄線のスケジュールによると本土線が一日当たり七十五便、県内線が四十四便である。(一月十日現在)

【本土線】東京線二十便、大阪線十二便、福岡線十三便、名古屋線七便、鹿児島線四便、その他の地方路線合計十九便

【県内線】那覇=石垣十四便、那覇=宮古十一便、那覇=久米五便、那覇=与論二便、その他のローカル線合計十二便。

 沖縄と主要都市との現行ノーマル運賃(大人片道)は次の通り。

 東京三万五十円、名古屋二万八百五十円、大阪二万五千円、福岡一万九千七百五十円(早朝、前売り、早割などで割引制度があり、実勢価格は大幅に割り安となる。一月十一日現在)


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「観光客1000万人」へ全力 知事、業界の新年宴会でぶち上げる

 OCVB主催の「沖縄観光新春の集い」が四日、那覇市内のロワジールホテルで観光関連業者など約七百人が出席して開かれた。昨年の観光客は目標の四百四十万人を突破し、好調を続けたことから出席者はいずれも明るい表情だった。

 挨拶に立ったOCVBの稲嶺恵一会長(県知事)は「今年の目標は四百八十五万人、今世紀半ばには一千万人を目標にしたい。サミットを契機に国際観光を展開する千載一隅のチャンス」とぶち上げた。

 このあと稲嶺恵会長、沖縄県議会友寄信助議長、外務省野村一成沖縄担当大使、沖縄総合事務局小山裕局長、沖縄経済団体会議崎間晃議長、那覇空港ビルディング嶺井政治代表取締役社長、OCVB国場幸一郎顧問、沖縄県ホテル旅館環境衛生同業組合嘉味田朝計理事長、日本旅行業協会沖縄支部宮里政欣支部長、OCVB饒波正之理事長が鏡割りを行った。

 先に沖縄を訪れた二階運輸大臣は「この10年で沖縄の観光客目標を七百万人としたい」と発言して注目された。ポスト五百万人の数値目標はこれまでなく、今後の国や県の観光政策でどのように反映されるか注目される。

(編集部注:昨年の観光客数は12月末の推計で457万人に達した模様)


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