第562号(2000年2月1日号)


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県観光リゾート局 リゾートタウン構想を発表

 沖縄県はリゾートタウンの整備事業に乗り出すことになり、一月十三日の観光振興地域に指定された県内八市町村の担当者説明会の席上で大城栄禄観光リゾート局長が明らかにした。計画通り進むと観光の先進地ハワイやバリ島のような快適なリゾートタウンが作られ、全国でも例を見ない究極の観光地づくりが実現する。

 コンセプトは「滞在型」で「観光」と「リゾート」の特徴を表(省略)のように挙げている。

■沖縄の現状
 観光客の平均滞在日数は約七割が三泊四日以下であり、短期滞在型となっている。自然環境や観光スポットは豊富に存在するが全般的に孤立、点在化の傾向にあり、観光資源を十分に活かしているとはいえない。今後は孤立、点在する観光施設を有機的に結びつける交通アクセスの改善等ソフト面での施策に加えて、計画的にリゾートタウンを創出し、長期滞在が可能な魅力ある町づくりを推進する必要がある。

■リゾートタウンの発想
 人々にとって快適な環境とは「住」「職」「遊」の三大機能がバランス良く充足されていることであり、リゾートタウンはこの三大機能の理想的なバランスが期待でき、まちづくりの総仕上げとして創出するものであり、究極の国土づくりでもある。

 都市部では不十分な「住」、地方では不十分な「職」や「遊」を充足した複合的なまちづくりを行おうというものである。

 これまで全国各地で行われているように観光施設の整備は民間事業者による開発でも可能である。しかし「リゾート」に本来求められている複合的なリゾートタウンの形成は、地域住民と行政、民間資本との連携を抜きにしては語れない。

■リゾートタウンの内容
《目的》 これまで観光・リゾート産業の立地を目的とした公共による基盤整備制度はなかった。一方、既存の集落地域整備事業(農林水産省)や土地区画整理(建設省)等については公共による道路や公園等の整備を目的に各種法整備が行われてきた。そこで観光リゾート産業についてもこれらに類する整備手法「リゾートタウン整備事業(仮称)」を創設し総合的なリゾートタウンづくりを実践しようとするものである。

 すなわち道路や公園等を公共団体が先行的に整備し、タウン内にはホテル等の民間施設を誘致することにより、官民の役割分担によるリゾートに求められる複合的機能の集積するタウンを創設し、今後の沖縄県の滞在型観光リゾートの振興に寄与する。

《場所》 リゾート法の重点整備地区や沖振法の観光振興地域等のゾーニングがなされている地域のうち、特に本県の観光リゾート拠点として重点的に整備する必要があるとみとめられる場所。

《対象事業》 リゾートタウンづくりにかかる全ての公共インフラが対象となる。

・道路、通路(すーじぐわー)、駐車場(修景を含む)、多目的広場、
・公園、緑地、
・図書館、美術館、博物館、伝統工芸館、常設芸能館等の文化施設、
・観光案内施設、
・上下水道、
・電気供給施設、
・ゴミ処理施設、
・医療施設(診療所)、
・せせらぎ(路)、
・オートキャンプ場、
・文化財等の観光資源の修理・修繕、
・案内標識、

 このほか、リゾートタウン内の用地取得及び都市計画法や森林法等にかかる各種許認可の手続についても、公共が一括して行う。


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確立した米国の基地閉鎖ノウハウ

■BRAC法に基づき100カ所以上閉鎖

 米国内では冷戦の終了にともない、基地閉鎖が加速している。基地閉鎖・跡利用の経験とノウハウが蓄積され、必要な法律も整ったアメリカは、跡利用の先進地であった。国の予算もコミュニティーの必要に応じて支出されている。国防総省には二十年以上も基地の跡利用に取組んできた専門家がおり、基地閉鎖の専門家、環境浄化の専門家もそろっていた。特に環境浄化のエキスパートはつい最近まで嘉手納空軍基地に勤務していたといい、沖縄基地にもさまざまなノウハウがあることが分かる。(写真左から基地跡利用、浄化、閉鎖の担当官)

 基地閉鎖と跡利用、浄化に関する国防総省の考え方は次のようなものである。

■冷戦終了で基地閉鎖が加速

 基本的には時代が変わり、米軍の組織も変化して基地の閉鎖が必要になってきた。

 施設・インフラを変えていく必要が出てきた。米国内に基地が有り余っている状態だ。その一部を閉鎖する必要が出てきて、これまでに百ヵ所を閉鎖してきた。

 整理統合は二百五十ヵ所で行われマイナークロージャーは二百五十ヵ所で実施された。

 重要なのは基地閉鎖が痛みを伴うプロセスだということだ。

 閉鎖・統合・縮小は一九八八年、九一年、九三年、九五年と四段階で実施に移された。

 この中で重要なプロセスは基地閉鎖の決定までの透明性だ。議会も閉鎖には関与しているが候補地の決定などは独立した委員会で行われる。九人の委員がおり、議会の長老など高い地位の米国指導者が委員になり大統領が任命する。

 国防総省は閉鎖する基地の候補地を挙げ、これが委員会に上程され、吟味検討される。この間、オープンヒアリングを各地で行うため地域住民の発言の場を得ることが出来る。これをオープンフェアプロセスという。

 基地閉鎖・統合・縮小のための法律BRAC法(Base Realignment and Closure)があり、これまで国防総省提案の閉鎖基地候補リストの八五%が委員会で承認された。国防総省の意志は正しかったものと認められた。

 委員会はもちろん自ら基地閉鎖を検討し、さらに地元の意見を聞き、閉鎖候補リストを修正したりする。

 軍は陸・海・空・海兵の対話も促進している。なるべく四軍が一つの基地を活用できるようジョイントクロスサービス(共同利用)ができる基地を目指している。四軍と国防総省長官が一緒になり、基地の閉鎖・統合を決める。

 基地閉鎖の報告書を大統領が検討し、最終報告書を出す。

 九五年の報告は大統領が受け取り、拒否する権限があったが拒否しなかった。その後、議会に報告書が提出され、四十五日以内に検討する。何もなければ法律になる。オールオアナッシングだ。これがBRACの最も重要なプロセスだ。

 基地閉鎖の判断基準は軍の価値観が最優先する。軍の戦闘能力、土地・施設・空域のアベイラビリティー、将来の準備、コスト、人員などだ。

 投資による利益も計算しなければならない。どんなコストが基地削減に必要になるのか検討する。

 この他、基地閉鎖による経済的影響、コミュニティーの支持が得られるか、環境問題はどうなっているかだ。

 また、基地の閉鎖にはコミュニティーがイニシアチブをとる面もあり、コミュニティーの企画に国防総省が予算を出すこともある。これまで百三十のコミュニティーに一億三千六百万ドルの予算を出してきた。

 米労働省は五億ドルの予算を労働者の再訓練につけたし、商務省も五億ドルを出した。

 どの基地を閉鎖し、どう跡利用するかの計画はインターネットでも公表している。基地の跡利用のためのガイドブックもある。これには民間に閉鎖基地を渡して何がなされたか、基地だったところでどんな再利用が進んでいるかが書かれている。

■地域が跡利用の主導権

 基地の跡利用はコミュニティーが行い、連邦はそのお手伝いをするという立場だ。基地閉鎖のために公共事業も必要になることがありこのような整備が行われて初めて基地の跡地が魅力的になる。

 基地閉鎖が決まると平均四十二カ月かかって兵士が移され、実際に閉鎖される。

 環境対策は閉鎖の前から行われる。八五年頃から環境調査、環境アセスが全米の基地で行われており、環境アセスのレベルは民生用と産業用ではレベルが違うが、環境浄化には百四十億ドルかかると見積もられている。

 施設の処理だが、中には文化遺産として残すべきものもある。また、ホームレス、フードサービス、職業訓練に使えないかどうかが第一に検討される。ローカル政府や自治体が使いたいというものもある。

 コミュニティーでは再開発局を中心に声を一つにまとめ、閉鎖基地をどう使うかプランニングする。コミュニティーが基地跡地や施設で何をしたいか地域経済に跡地や施設をどう組み込むか決める。ここで最終決定が行われると住宅土地開発庁が入ってくる。

 基地は閉鎖の前に再利用する方法があるかどうかの施設のマーケティングも行う。

 これまで六十の基地閉鎖で十万の雇用が失われたが、千三百のビジネスが生まれ、五万人の雇用が発生した。

■跡利用の成否は地元の熱意次第

 例えばボストンから七十キロ北にあるピーズ空軍基地の閉鎖では滑走路を民間用に転用するなど二十億ドルを投じて再開発を行った。

 自然保護区を設け、その北側が民間空港になった。滑走路のコストを吸収するためリース用地を設け、ゴルフ場は収入源とした。州兵二千四百人はそのまま残っている。空中給油機もそのまま運用している。

 残りの土地をハイウェイの交差点とした。周辺に港があり住宅は撤去して企業の工場を誘致した。この結果バイオ企業がスイスから進出した。ビール工場、レストランができ、マリオットホテルが開業した。このホテルは進出したコンピュータ企業の従業員研修の宿泊施設としても役に立っている。

 このようにピーズ空軍基地跡地はもともと国際港でもあり、大変経済的に活性化した。

 ピーズは四千エーカーの環境をクリーニングしている。このうち千エーカーは環境保護区だ。地下水が航空機の洗浄水で汚染されており、まだ飲み水としては十分なクリーニングが出来ていない。

 雇用の流出なく新しい雇用が生み出された例として大変成功した物語だ。二十年後には一万五千人から二万人の雇用が発生すると見込んでいる。

 基地跡利用のための資金源は政府とPFIによる。なるべく民間企業の資金を得ようと努力している。跡地利用の調査に係わる二百五十万ドルのうち八十万ドルを国防総省が出し、交通調査に使われた。航空局が千二百万ドル出して空港を改修し、新しい施設に五千万ドルかけた。

 民間は一億二千万ドルを投資し、州政府は一億ドルを投入している。特別な税も設けた。地方政府は上下水道を管理している。

 ピーズは成功例の一つだ。跡利用の完了までには平均して二十年必要だ。

 ピーズでは航空機整備企業を誘致しようと大きな金を使ったが、結局進出しなかった。企業のリストラで整備工場の新設どころではなくなった。しかし、進出直前までいったことは新聞などで報じられ、ビジネスに有利な土地であるという印象を全米に与えたことはよかった。

 カリフォルニアでは二十五カ所の基地が一挙に閉鎖された。ほとんどが海軍だがこの閉鎖情報のホームページがあり、各基地のマーケティング情報とのリンクも張ってある。

 国防省担当者はロシア、ドイツを訪問してそこでの基地閉鎖を手伝ったことがある。国防総省のパイロットプログラムが活用できないかと検討したこともある。特にロシアの汚染はひどかった。

 閉鎖基地の跡利用が失敗した例もある。七〇年代にモンタナ州のグラスゴー空軍基地が閉鎖したが、ここはもともと人口が少ない過疎地だった。ビジネスを誘致しようとしたがマーケットがなく、進出しようとした牛肉の輸送基地は失敗だった。州や地方自治体にも基地跡利用の関心が全くなかった。同時に閉鎖の悪影響もなかった。結局、閉鎖の危機感があって初めて再利用のプランが出てくるということだ。跡利用の失敗があるとしたら、それは地元に関心がないということにつきる。

■環境浄化はすぐに取り組むべき

bb環境問題の申し入れは沖縄基地の司令官にすべきなのか。

《国防総省》 環境アセスはどこの基地もつくっている。沖縄基地にどんな問題があるのか、いま情報を集めている。この作業をしている米軍関係者に直接接触して欲しい。環境浄化は返還前も返還されてからも行われる。浄化作業もローカルのプランニングに組み込むべきだ。

 沖縄基地もすぐに再利用できるのか、環境問題があるのか、すぐにやるべきことがあれば対処すべきだ。もし長期的に問題があることが分かればビジネス誘致に問題が起こるかも知れない。したがって、環境問題は米軍基地はまず最初に取り組む。この窓口はローカルの担当者がいるので接触して欲しい。

 日本政府との間で環境基準は取り決めがあり、これを遵守している。沖縄の環境当局は政治ではなく、技術的なことに取り組むべきだと思う。この後視察するカリフォルニア・アラミダ基地では環境浄化の実際の様子が見られると思う。

 万全とも見える国防総省のプログラムだが、地方に行くとまだ足りないという声が聞かれた。民間の基地閉鎖専門家の話や閉鎖基地の実態などカリフォルニアの例を交えて次回見よう。(本紙・渡久地明)


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国際線へ転用を検討 旧国内線ターミナル

 旧那覇空港ターミナルビルの跡利用について県は具体的に検討を始めた。旧ターミナルは国内線と国際線、島内線の三つの旅客ターミナルからなっているが狭くなったため、国内線ターミナルビルを新設、国内線、島内線を新ターミナルに移した。このため旧ターミナルと島内線ターミナルは、国に返還することになった。しかし、国際線ターミナルが貧弱なため、この際、国際線ターミナルに転用してはどうかと今回の「跡利用調査」となった。

 現在の国際線ビルは駐機場が狭い上にビルも狭く同時に二機が到着すると到着客を誘導できず、機内で待機してもらう状態も生じている。国際的な玄関口とはいえず、問題視されていた。旧国内線ビルを使えばボーディングブリッジも完備しており、駐機場も広く到着口も十分あるのでサービスも格段と向上する。

 調査は旧ビルの耐久年数、強度などを中心に調べ、使用可能なら国と相談してサミットの期間中でも使用したいという。

 旧ビルは総工費二十六億円で暫定ターミナルビルとして着工、延べ面積一万四千八百メートル(約四千五百坪)で沖縄金融公庫から十六億円、日本航空、全日空の協力金六億円、沖縄銀行からの融資四億円で完成し、昭和五十年四月十四日から供用されていた。


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