第565号(2000年3月15日号)


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国内航空便のチャーター解禁 団体の発生促進

■適用第1号は沖縄=鳥取

 航空機の国内チャーター便が二月一日から解禁され、チャーター便が国内を自由に飛び交うことになった。定期路線を持つ空港を経由しなくても観光リゾート地沖縄に直行出来る利点があり、沖縄観光の追い風となりそうだ。この制度は二月から需給調整が廃止されたのにともなうもので、航空運賃が自由化され、新路線の開設、路線への参入、撤退が自由化されている。運輸省に入った情報では新制度を利用するのは沖縄発が第一号になりそうという。

 このチャーター便は全国一律に実施される。これまで航空機のチャーターは団体、組織などに利用が許可されていたが、今回の解禁は旅行業者がツアー客を一般募集してチャーター便を仕立てて利用できる点が目新しい。

 沖縄への往来は沖縄と定期路線を持つ空港まで行って乗り継ぐが、チャーター便の解禁でこれからは地元の空港から沖縄へ直行することが出来る。そのため、前後泊の必要がなくなったり、空港までのアクセス、費用など時間的、経費的に安く仕上がる。また、旅行業者は企画団体を募集して大量に沖縄に送り込むことが出来る。受け入れ地の沖縄でも沖縄旅行の企画を立て各地の旅行業者とタイアップすれば誘客にもプラスになる。

 沖縄県内ではこれまで旅行業者が海外旅行にチャーター便を活用してきたが、制度をうまく活用すれば国内旅行も便利に、割安な旅行が実現する。

 運輸省では旅行会社と受け入れ側の努力によって徐々に利用が増えると期待しているが、国内チャーターは沖縄=鳥取の取り組みの動きがあり、沖縄が利用第一号になりそうだという。

 各地の中小の旅行業者がまとまって沖縄旅行をチャーター便で実現すれば、新規需要の掘り起こしにもつながる。親しまれるリゾートとして沖縄チャーターが脚光を浴びるものと期待され、沖縄観光の戦略にも変化をもたらしそう。

 現在、ほとんどの県に空港があり、この空港と沖縄をチャーター便で結べば「安・近・短」の志向にぴたりの旅行が企画でき、他県の観光地にまねの出来ない観光地=空港=航空会社=旅行会社の一丸となった売り出しが可能となる。

 チャーター便の活用は旅行会社が航空会社に申し込み、航空会社が運輸省に運航の手続きするだけという。


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沖縄送客9万人を目標 上期のスカイホリデー

 全日空スカイホリデーは三月九日、那覇東急ホテルで上期沖縄商品(四月〜十月)の説明会を開いた。県内の関連業者二百人が参加した。

 スカイホリデーは全国ベースの集客が今年度は百十六万人(前年度比二五%増)となる見込みで、沖縄送客は十五万九千人に達する模様。

 二〇〇〇年度はサミットが開催されるが、昨年上期の九万人を上回る送客を目標にしている。パラダイス沖縄キャンペーンも引き続き実施する。

 上期商品のテーマは「ほんとうの自分に、帰ろう」。新規に万座とルネッサンスの両方に宿泊できる「よくばりリゾート」、那覇ステイで周辺離島に日帰りができる「ホッピングアイランド」を登場させた。

 「よくばりリゾート」は万座とルネッサンスの両方に宿泊できるツアーで、共通の食事券などが組み込まれ、両ホテル間に無償のシャトルバス、シャトルシップを運航するもの。四〜六月の設定で、オフの需要喚起を狙った。「点から面へのリゾートづくりの一環で、今後どんどんホテルを追加したい」という。

 「ホッピングアイランド」は座間味、ガヒ島、つけん島、宮古、石垣の五つの島から好きな一島を選ぶ日帰り海水浴プラン。

 また「じんぶん学校」は沖縄の自然を体験するツアーで、カヌチャを拠点にやんばるの自然に触れるコースと西表に設定。長期的に取り組む。

 この他、県内企業の企画を積極的に取り入れていく方針も表明され、アイデア提供を呼びかけた。

 スカイホリデーは四月からこれまでの全日空商事の旅行部門から旅行専門の全日空スカイホリデー株式会社に組織替えとなり、精算手続の変更などの説明も行われた。


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労働組合が基地従業員の再訓練プログラム

 カリフォルニアには一千三百の労働団体があり二百万人の労働者を代表している。主な目的は政治的な労働者の権利の確保、法律の整備、労働者の支援などで、州政府・連邦からの助成を受けている。基地閉鎖にともない職を失うものの訓練システム、失業対策なども実施した。応対したのはカリフォルニア労働組合のマイケルホワイト、エドワードシエラの両役員だ(写真奥の二人)。

 カリフォルニアでは大規模な基地が次々に閉鎖され労働者が失業した。基地閉鎖委員会は地方政府が中心になって作るが、この中でレイバーアジャスト(労使調整)委員会を作った。当初、非戦闘員が結束して基地司令官に会い助成金に何があるのかというところから作業をはじめた。

 基地が閉鎖されると周辺地域に直接影響が出る。軍関係労働者だけでなく周辺の経済全体に影響がある。クリーニングや食事をはじめ基地への納入業者全てに影響がある。また、土地の問題は深刻だ。浄化が必要でこれを誰の責任で誰がやるのか、政府なのか。

 幾つかの基地で非戦闘員に基地浄化作業の訓練を行った。これである程度の仕事が確保できた。危険廃棄物の処理は低賃金の仕事となったが、ある程度職を作った。職を確保するのに数百万〜数千万ドルの助成があった。

 どう仕事を確保すべきか。第一のアイデアは例えばメアアイランドの海軍基地には原潜の管理を担当していた労働者がいる。ここには質の高い専門知識があり、電気関係の作業に熟練していた。折角のスキルを生かすために組織内に職業訓練プログラムを作った。

 私たちはいろんな基地を対象に仕事をしたがメアは原潜基地だった。プログラムは潜水艦メンテのスキルの見極めからはじめる。電気の知識、熟練工かどうか、修理工か。ほとんどがまず、見習い訓練を受けた。三〜五年をかけて座学と研修でスキルが付いてきて高レベルのマスターやジャーニーマンになった。そして建築業に目を向けて働けないかと職種を変えた。電気工はほとんどそのまま建設現場で働くことが出来た。既存のスキルを見てジャーニーマンとして必要なものは何かを見極 め再訓練した。建設現場では労働組合基準の職に就くことが出来、基地従業員のときよりも高収入を得ることができるようになったものもいる。このようにしてメアでは六十人の職を建設現場で確保した。

 基地の閉鎖に仕組みを作るべきだ。私たちは基地の管理側と調整して労使委員会を作る。外部から中立の立場の人を起用して委員長にする。座長は地域のビジネス界から出す。

 基地の中で何が行われコミュニティーで何が行われているかを委員長がよく知らないといけない。これは連邦法の委員会とは別にコミュニティーが作る委員会だ。

 そこでどのようなスキルがあってどう再訓練をするか検討する。連邦の資金をどう使うかも検討される。労働者が新しい職を外部で見つけられるように組合も声を出せるようにする。

 いくつかの基地に対してこれを行った。基地閉鎖の経済的再開発でどのような事業が入ってくるか、どんな企業が労働者を引き取るか、施設や機械が使えるか。新企業が労働者をそのまま使ってくれるか。助成金も再訓練に使った。

 カリフォルニアでは雇用主が新しい労働者に再訓練を行う資金を拠出する法律が十五年前に出来ている。また、失業補償基金の十分の一%が再訓練に使われる。しかしそれだけでは再訓練を希望する労働者の十分の一くらいしかカバーできない。そこで連邦政府、州政府に要求を出すこともある。国防総省からも資金が出ることがあるし、全米準備金も使える。

 もちろん訓練が不要という労働者もある。電気工などはちょっとした手順の違いを教えるだけで現場ですぐに働ける。

 再訓練には一人五百ドルから一万ドルかかる場合もある。個人の要望に応じて再訓練教育を行い、さらに閉鎖後のビジネスが分かっていればそれにあわせた訓練を行う。仮に基地閉鎖に一千万ドルの予算があったとする。労働者一人当たり一万ドル渡してはどうかという考えもあるかも知れないが、それは出来ない。

 このようなとき労使委員会がしっかりと外の労働マーケットを調べ、基地内のスキルが民間で使えるかどうか大がかりな調査をする必要がある。

 基地閉鎖で労働者を外に流すのではなく、真の職を見つけることが基本にならなければならない。

 カリフォルニアではいま建築業が好況で成長分野だ。基地閉鎖にはまわりのビジネス環境を考慮すべきだ。

 州政府、連邦政府から助成があるが、国防総省からも助成が出る。それを使って基地をどう使うか、どんな企業が入り、再利用が可能かを検討する。閉鎖予定基地に関心のある企業があれば早めに取り込むべきだ。基地閉鎖の瞬間に企業が入ってこれるようにするためだ。そのために前もって労働者の訓練を行っておくべきだ。

 一方、すぐに企業が入らず再就職が難しい場合もある。その場合、開店資金を得て労働者が自らビジネスをはじめられるようにする仕組みも必要だ。

 そのためのインキュベータープログラムも用意している。自らのスキルを使い、企業を作り、資金が借りられるようにしている。これはかなり成功している。全米でこのような事業が行われている。私たちの経験でいうと各委員会の調整と協力が必要だ。また、調整には労働者を参加させることが大切だ。

 基地が閉鎖されるとその前に働く意欲を失うのではないかというおそれもある。閉鎖後も仕事があると分かっていれば働く意欲が失われずに済む。閉鎖が決まると仕事をさぼったり施設を破壊するのではないかという心配もあったが、実際には労働意欲は失われないことが実証されている。

 沖縄もそうだと思うが国防総省には閉鎖の目的がある。いろんなステップがあるが、必ずしも労働者のことを考えているとはいえないことがある。軽視しがちだ。しかし、労働者を重視することが必要だ。

bb労働者のどのくらいが再就職できたか。

 ほとんどの基地で七五〜八〇%が再就職した。起業家は大変少ないと思う。ほとんどが政府の非戦闘員で公務員だ。引き続き政府で働きたいという労働者が多く、他の基地で働く人もある。また、一部は閉鎖を機に退職して行く。

 完全に職を失った人もいた。この人達は再訓練プログラムの恩恵を受けた。アラミダ基地では二十人〜五十人規模の職場を起業した例がある。

bb沖縄でも駐留軍離職者センターというものがあって職業訓練を行っている。訓練の内容はコンピュータと語学が中心だ。

 質問は第一にここで言うコミュニティーとはどこまでか。沖縄の場合、島内かそれとも近隣諸地域も含むか。第二に沖縄は全体的に失業率が高い。失業には基地閉鎖だけでなく地域そのものの問題もあるが、どう解決するか。

 問題にしているコミュニティーとは労働市場地域だ。労働者の家から勤務先までの距離を考える。メアの場合は基地周辺から、より広い通勤距離までカバーしてどんな仕事があるか考えた。基地従業員の過半数は基地の近くに住んでいた。一部は四十〜五十マイル離れていた。遠くの人をどう訓練するかも含めて従業員全体のことを考えた。

 第二の質問だが、地方や僻地では基地がなければ仕事もないということが現実だ。この場合引っ越しの可能性も考えた。百マイル離れた企業で訓練し、引っ越してもらったこともある。

 ただし、サンフランシスコでは労働者は地域の一員であり、自宅もある。土地にとどまって欲しいと考えている。折角の人材を失いたくない。

 沖縄なら人を出すのではなく企業を誘致するのが有効だと思う。

 失業率は地域によって解決策が確かに違う。カリフォルニアでは一九九〇年から基地閉鎖が始まった。当時失業率は一三%にも達し全国平均よりも高かった。工業化が進み、特に防衛産業が進んでいた。しかし、基地閉鎖でこれら産業の需要が減少した。軍需を民需に転換する作業は大変厳しいものだった。カリフォルニア南部は一三〜一四%の慢性的な失業率で、つい最近これから脱したばかりだ。どんな熟練工がいるのかに目を向けた。航空宇宙産業の技術を電気自動車に活かせないか。国 際電子工労働組合は航空宇宙産業と協力して何か出来ないか模索した。この間、シリコンバレーの成長が目覚ましく、住宅建設の需要も増え、経済環境はかなり改善された。

 カリフォルニア産業は輸出、ハイテク型に移行してきている。サンフランシスコはかなりのモノを海外に輸出している。十年前に一三〜一四%だった失業率はいま五%台に短期的に立ち直ってきている。カリフォルニア中央部には大きな基地が閉鎖されてまだ失業率一三%というところもあるが、全体的には大きく改善している。

 職については主導権はみんなが持っている。政府が資金を出し、ローカルはその資金を使える。サンフランシスコでは閉鎖基地エリアごとに委員会があって仕事については全てのローカルコミュニティーが主導権を握っている。(渡久地明、次号最終回)


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