第621号(2002年10月1日号)


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朝鮮半島の統一後 沖縄米軍は撤退する 神浦氏(軍事アナリスト)が徹底分析

■講演とディスカッションから

 「沖縄海兵隊はいなくなる」b軍事アナリストの神浦元彰氏を招いた講演と討論が九月二十八日、沖縄産業支援センターで開かれ、神浦氏が最新の軍事情勢を分析して述べた。神浦氏は「北朝鮮崩壊で在韓米軍が撤退し、在韓米軍を支援するために沖縄に展開している海兵隊も撤退せざるを得ない。北朝鮮は〇八年の北京オリンピックまで持たない可能性がある」と述べた。討論には下地幹郎・衆議院議員、吉元政矩・沖縄21戦略フォーラム代表が参加、それぞれ持論を展開した。(本紙・渡久地明)

■普天間代替、岩国に求める 吉元氏

■海兵隊は嘉手納に統合すべき 下地氏

 神浦氏(写真右)は海兵隊が撤退する理由について、北朝鮮の崩壊と南北統一がきっかけになると述べた。時期は世界の軍事情勢を見通して〇八年の北京オリンピックが山場となると述べた。

 ディスカッションでは下地氏(写真左)が「普天間基地は嘉手納に統合すべき。訓練をグアムなど海外に移転することによって、統合した嘉手納基地の航空機の離発着を減らすことができる。このような地道な努力を重ねるべき」と述べた。また、自らの米国防総省フィリピン大統領との面会の内容を説明。「国防省を通じて米軍の訓練場を視察したが、米軍にとって沖縄基地は狭すぎることが分かった。やはりグアムへの移転があり得る。また、フィリピンのアロヨ大統領は沖縄の訓練の一部受け入れを表明した」と述べた。さらに「米軍の訓練をアジア各国が負担することで、米軍の東アジアでのプレゼンスは十分保たれる」と述べた。これに対して神浦氏も「軍事的に十分実現可能なアイデアだ」と述べた。

 吉元氏(写真中央)は国際情勢を分析した上で「米軍は二〇一五年までに沖縄での存在の根拠を失う。それに備えて基地返還アクションプログラムを策定、実現していかなければならない。沖縄県知事は、軍民共用空港を建設し十五年使用が条件と公約し、政府に回答を求めている。@環境アセスに三年、A埋立工事に八〜十年、B普天間基地を移設し十五年間使用を認め、その後は基地撤去、民間専用空港とするといっている。あと三十年米軍をおいておくのか。普天間基地は岩国移転が最も現実的だ」と持論を展開した。これに対して神浦氏は「普天間基地の岩国移転は軍事的に間違いのない選択」と述べた。

 また、フロアからの「米軍のイラク攻撃はあるか、その場合の沖縄への影響は」との問いに神浦氏は「イラク攻撃はやらざるを得ない。日本にとって戦争は悪だが、米国にとって戦争は正義だ。その場合、昨年のテロ後のような影響が沖縄に再びでる恐れがある」と述べた。

 神浦講演はインターネット上でファンが沖縄開催を求め、神浦氏がこれに応じて実現したもの。ネットで参加者を募集し五十人がメールで登録。当日、さらに参加者が増え会場の産業支援センターには九十人が集まった。県内外の多数のマスメディアが取材した。当日は「おきなわ新世紀」とボランティアのメンバーが準備した。神浦氏は前日の二十七日にはケーブルTV(OCN)のトーク番組「おきなわ新世紀」のゲストとして米軍基地撤退理論を展開。神浦氏のホームページ開設直後からネットを通じて交流がある本紙・渡久地明が、世話人を引き受けた。


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《神浦講演要旨》15年期限は軍事的に最悪・中台戦争は起こり得ない

 神浦講演の概要は次の通り。(写真・神浦氏)

 沖縄基地の将来について一言で言うと、海兵隊はいなくなる。

 理由は北朝鮮の崩壊が近いからで、北朝鮮が崩壊すれば在韓米軍が撤退、それを支援するために沖縄に展開している在沖海兵隊も撤退するからだ。

 このことは私は十年前から予想しており、この間、予想をくつがえす事件は一つも起こっていない。どころか、予想を補強することばかり起こっている。

 もともと沖縄海兵隊は北朝鮮に向かっている軍隊だ。二万七千人、一個師団の米陸軍が三十八度線を守っているが、アメリカが北朝鮮と戦った場合、ハワイや米国本土から韓国に応援が駆けつけるまで、一週間以内に行って在韓米軍を補強するのが沖縄海兵隊の役目だ。

 一方、北朝鮮の軍事力はとても戦争をできる状態ではなくなってきている。毎年四月に行われる軍事パレードで、従来は戦車や航空機を動かしていたのに、今年からそれもなくなった。もう何年も前から兵器はパレードに出すためだけに整備されていたのが、今年はそれさえ動かなくなった。

 北朝鮮の空軍パイロットの訓練時間はわずか年間十五時間で、日本の百八十時間、米空軍の二百時間に比べはるかに少なく、これではごく一部のパイロットが離着陸の訓練を行っているに過ぎない水準だ。テポドン、ノドンミサイルもスカッドミサイルを改造したもので、とても(核)兵器を搭載して発射できるシロモノではない。 北朝鮮の脅威を煽って軍事予算を獲得したい勢力が利用してきたのに過ぎない。

 北朝鮮崩壊の時期の予想は難しいが、〇八年の北京オリンピックが一つの山だ。北朝鮮にはいま中国の支援がある。しかし、今年十一月の中国共産党大会で江沢民が交代する。次の中国指導部は一挙に若返り、それまでのしがらみのない人物が浮上する。すると北京オリンピックに向けていつまで人権のない国を支援するのかと国際的な非難を浴び、手を切る可能性があるから、そのころの南北統一があり得る。南北が統一すれば在韓米軍が下がる。中国と正面から向かい合うわけにはいかないからだ。しかし、軍事的空白はつくらない。そのため、すでにF15Kという最新鋭機が韓国に売却される予定になっている。また、米国以外では日本しか持っていないイージス艦を韓国に売却することも決まった。これらは南北統一を見越して、在韓米軍が撤退した際の軍事的空白をつくらないための軍事力強化と見るべきだ。

 次に中国と台湾の武力衝突が論じられることがあるが、中台に戦争は起こり得ない。互いに面子を張り合っているが、この状態がずっと続く。現実には台湾企業が猛烈な勢いで大陸進出を果たしており、戦争は出来ない。また、中国軍も外にでていって戦争する能力は今のところなく、少なくとも今後十年は日本やアメリカの軍事力を上回ることはない。そのため、アメリカは中国軍が力をつけない前に朝鮮半島の南北統一を求める。

 沖縄海兵隊は中台問題にはかかわりたくないし、かかわらない。理由は沖縄は中国に近すぎるからだ。六九年に沖縄で毒ガス事故が起こり、米兵が被害を受けたことがある。この時、沖縄住民が運動して毒ガスを撤去させたと様々な本に書いてある。しかし、軍事的には住民運動で米軍が戦略を変えることはあり得ない。米軍が毒ガスを撤去したのは中国を刺激しないためだった。六五年、中国が核を開発し、その後、ミサイル実験にも成功する。米軍はこれを警戒した。もし沖縄の毒ガスを中国で使えば、核報復は間違いない。その場合、中国・沖縄は近すぎて防ぐことが出来ない。そこで中国を刺激しないため毒ガスを移設した。

 これが軍事だ。

 沖縄基地が中国に向いていないと言うのはこのことだ。そのため、沖縄米軍は朝鮮半島の南北統一後は撤退する。普天間基地を辺野古沖に移設して十五年使用させるというアイデアは軍事的には最悪のシナリオ。これまでの理由に加え、海上基地は攻撃されると弱く、守れないからだ。なお、沖縄自衛隊は間違いなく米軍を守るために存在している。

 さらに思いやり予算があるために米軍は動かないと言う見方もあるが、軍事戦略というのはそれほど単純なものではない。引くときはあっさり引く。「戦ってなんぼ」というのが軍隊だ。思いやり予算が欲しくて駐留するということはあり得ない。

 また、米軍が日本の軍国化を抑えるビンのフタ論というものもあるが、軍隊はそんな理由で他国に駐留するものではない。

 軍事はこれまで沖縄ではほとんど議論されなかったと聞いた。しかし、軍事の勉強は医者が病気を治すために病気そのものを研究するのと同じで、軍国主義のための学問ではない。平和のために軍事を勉強すべきだ。アレルギーがあるのは分かる。私は広島出身だが、広島でも原爆そのものの研究をしようとしたら嫌がられた時期がある。しかし、いまは真剣に研究するグループがある。ぜひ軍事知識を吸収して沖縄の人達が平和のために役立て欲しい。


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沖縄美ら海水族館 さまざまな世界一取り入れる

■いよいよ11月1日オープン

 本部にある国営記念公園の「沖縄美ら海水族館」は十一月のオープンを前に準備が進んでいる。送客側の旅行社の事前の評判はよく「首里城と並んで超一級の目玉」という声もあり、期待は高い。

■新しい目玉が誕生 マンタもジンベイザメもいるぞ

 新水族館は旧水族館と比較して延べ床面積で約二・三倍、全体の水槽容量は約八倍、最大水槽容量約七倍(現水族館は約、一千百トン。新水族館は約七千五百トン)建物は四階建てで観客は上の四階から一階へ螺旋状におりていきながら、観覧する。観覧は一時間のコースを想定しているが、館内にドリンクコーナーがあり、休憩ができるので、水族館ファンの滞留時間は伸びそう。

 四階「大海への誘い」三階「サンゴ礁への旅」二階「黒潮の海への旅」一階「深海への旅」と続く。水量で世界一の水槽の前面に張ってあるアクリルガラスは厚さ六十センチもる。ジンベイザメの複数飼育、マンタの飼育など大型魚類の飼育は話題になろう。水族館ではジンベイザメ、マンタを三匹づつ確保しており、万全を期している。(写真)

 旅行業向けにクーポン契約を結ぶが、国の施設でクーポン契約を結ぶのは異例のこと。目下、審査中だが四大旅行会社のJTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行、東急観光のほか農協、全国旅行業協会、JRグループなど、全国を網羅する旅行会社が申し込んでいる。

 新しい観光施設の誕生で、オープンと同時に見学したいという修学旅行の学校もあり、また団体見学の申し込みも舞い込んでいる。入場料は大人千八百円、高校生一千二百円、小中学生六百円、身体障害者手帳及び寮育手帳を受けている人は無料。団体割り引きや年間パスポートの導入も予定している。入場料以上の価値はあるとの声が高い。

 開場時間は春秋は午前九時半から午後五時半。夏期期間(七月二十日から八月三十一日)は午前九時半から午後六時半まで。冬期期間(十二月一日から二月末日)は午前九時半から午後五時まで。国営公園では九月二十九日には内覧会を開き、十一月一日のオープン当日は午前中にセレモニー、午後から一般公開の予定。

 地元の本部町では観光関係者が「南に首里城公園、北の本部町に世界一の水族館が出来た。海洋博以来の大きな目玉の誕生だ」と熱い眼差しで水族館の波及効果に期待を寄せている。本部町、同観光協会、OCVBはこの際、誘客に役立つよう県内外にキャンペーンを展開する必要がある。


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