第767号(2009年6月1日号)


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ハワイ競争激化、価格下げる

■州発足・チャイナエアライン創立50周年で大型FAMトリップ

 「経済危機で去年、今年は競争が激化、室料が下がっている。来年は景気も回復に向かい、室料も上げる予定だ。今年のハワイは絶対お得」と各ホテルの営業責任者が口を揃える。チャイナエアラインとハワイ州観光局はそれぞれ創立五十周年、州発足五十周年を機に、日本の旅行社・メディアを対象に五月十三〜十八日まで大規模なファムトリップを実施、五十人が参加した。最新のハワイ事情をレポートする。(本紙・渡久地明)

10年の回復見込む

■08年観光客は10・8%減

 ハワイの現状を数値で見てみると、〇七年までの三年間の観光客数は、〇五年に七百四十二万人、〇六年に七百五十三万人、〇七年は七百五十万人と高水準を維持。受入能力からみて、ほぼ上限に張り付き「絶好調だった」(ヒルトンハワイアンビレッジ松田光裕日本・アジア担当マーケティング本部長)。

 ハワイ州観光局の一倉隆代表も「ハワイの受入のマックスは七百万人台半ばだ」という。

 しかし、〇八年の観光客数は一転して六百八十万人と〇七年に比べて一〇・八%減となった。米サブプライムローン問題は〇七年からマスコミでも大きな話題となっていた。その影響か、〇八年三月から観光客数は毎月マイナスとなり、〇九年四月までマイナスが継続している。

 緩やかに減少していた日本人観光客も〇八年は大幅に減少したが、これは「前半は燃油サーチャージの影響、十月以降は経済問題」(松田氏)と見られている。

 実際に、日本人観光客は今年三月まで減少したが、燃油サーチャージが値下がりした四月には一転、前年比八・八%増と過去最高規模の増加に転じたところだ。

 そこにメキシコ発の豚インフルエンザが発生。日本の報道ぶりから「今年も厳しさが継続しそうだ」というのが、ハワイの業界人の共通の見方になっている。

豚インフル騒ぎ懸念

■ワイキキ マスクは皆無

 本項執筆時(五月末時点)にはすでに日本の豚インフルエンザの報道ぶりは落ち着いているが、ハワイでは当初からほとんど話題にならなかった。

 五月十四日、ホノルル到着時に空港でマスクをしている人はほぼゼロ。沖縄、名古屋、広島、福岡などから到着した研修グループ三十人に対し、ハワイ州観光局のフジタ佳子コーディネーターはバスの中で歓迎のあいさつのあと「マスクを持っている人はいますか。持っていてもしないで下さい」と呼びかけた。

 「ハワイでは高校生の感染者が一人確認されたが、米本土を旅行して感染、軽症だった。通常のカゼと同じだ」と説明した。「研修に対してローカルTVの取材も入る予定で、地元の人が安全と思っているのに研修団のマスクは好ましくない」とキッパリいう。

 もともと研修団でマスクを用意している人が少なかったこともあり、だれもマスクを着用しなかったが、ワイキキ全体でもマスクは見られなかった。

 日本の豚インフルエンザ騒動はかなり異様なものに見えており、業界も今年の最大の懸念材料は風評被害だという。


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上限は750万人前後

■ハワイ州観光局一倉代表 リーマンショックの影響は微妙

 ハワイ観光の近況についてハワイ州観光局の一倉隆代表に聞いた。

 《本紙》 日本人観光客が減少しているが、その要因は何だと見ているか。

 《一倉》 〇六、〇七、〇八年と日本人観光客が減少した。これは〇五年の新禁煙法に誤解があったからだと見ている。新禁煙法は屋内でたばこが吸えないようにしたものだが、ハワイ全体でたばこが吸えなくなったと誤解され、団体客が影響を受けた。

 また、〇八年の不振は燃油サーチャージの高騰によるもので、四万円を超えた期間もあった。夏の四人家族だとサーチャージだけで十数万円の上乗せとなり、さらに地方から出かけるとなると成田までの料金がかかる。出発までに四人家族で二十万円かかる。

 過去三年間、旅行費用が上がり、今年に入って下がっている。特に四月から燃油サーチャージは大きく下がり、七月以降は廃止になる。日本人観光客は三月にプラスとなり、四月も大幅に伸びる。

 秋口まではプラスと見込み、州発足五十周年でいい年になると考えていた。

 ところがGW直前に豚インフルエンザが問題になった。GWは前年比フタけたの伸びでそれまではよかったが、GW明けの報道で、お客が引いている。逆に北米客はメキシコに行っていた人がハワイに来ており、増えている。

 《本紙》 〇八年のハワイ入域客の大幅な減少はサブプライムローン問題だと思うが。

 《一倉》 〇八年四月にアロハ航空が経営破綻するなどメインランド経済の影響を受けた。今年三月までに観光客数はフタけたで減少した。一年経ち、四月以降はマイナス幅は縮まったが、減少は続いている。年間観光客七百万人のうち、五百万人が北米からのお客だ。〇八年九月のリーマンショックが直接観光客の減少に影響したかどうかは微妙だ。しかし、旅行代金は一〇〜一五%下がっており、 割安感が出ている。

 リーマンショック以降は韓国、ヨーロッパ、オーストラリアが為替の影響を受けて観光客が増えている。ハワイも為替のメリットを受ける地域だ。

 ハワイの落ち込みがサブプライムローン問題とリーマンショックに直接の影響を受けたのかどうか、分からない。顕著な影響はないと思う。

 《本紙》 〇八年の大きなマイナスをどう挽回するか。

 《一倉》 九・一一以降、ワタベウェディングがリゾートウェディングを沖縄にシフトして成功したが、ワタベはハワイの建て直しも図って今年のハネムーンは増えている。

 州発足五十周年で企業とコラボレーションしていく。豚インフルエンザでは予算が付く可能性がある。

 JAL・ANAも六月には日本人観光客が戻るのではないかと見ている。HTAと旅行業界の七、八人がJATAにミッションを派遣する計画もある。

日本人150万人目標

■持続可能な観光を達成

 《本紙》 ハワイの統計を見ていると日本人客の減少は九八年から減少している(図1)。

 この要因は。

 《一倉》 それはしょうがない。ドバイ、ベトナム、東欧など新しいディスティネーションがどんどん出てくると、そこに行きたいだろう。また、日本人の海外旅行先が近場にシフトしたこともある。

 しかし、日本人市場は百五十万人の規模があると見ており、そこまで戻すポテンシャルはある。チャイナ、ノースウェスト、ユナイテッド、大韓航空がリゾートを強化しており、成田、羽田の枠が増える。中期的に百五十万人までの回復が可能だ。

 チャイナエアラインの経由便は五〇%が日本人であり、期待している。

 《本紙》 八〇年代後半にハワイを取材した際、「ハワイは二〇〇〇年までに一千万人を目指す。そうなってもハワイは沈みませんから安心して下さい」と州政府の担当者は説明したものだが、いま、その計画はなくなったのか。

 《一倉》 一千万人はあり得ない。いまワイキキには七万室のホテルがあるが、もはや新しいホテルはたてられない。七百万人台中盤がMAXだ。〇六〜〇七年がそれに当たり、七百五十万人前後がピークだと見られる。ワイキキにはいまトランプタワーエンバシースイートが建設中だが、新設はそこだけで新しいパーミットは出さない。

 ハワイ観光客は七百五十万人を維持して行ければいい。これがサステイナブルツーリズムの状態で、自然も人も共存できる状態だ。失業率は昨年四月にアロハ航空が破綻するまでは二・五%と全米最低だった。サステイナブルツーリズムという目標を州として達成している状態だ。

《関連》視点767ワイド版 受入限界で量から質へ


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「人生の中の、ハワイ。」

■結婚・退職・アニバーサリー…の節目に州政府観光局がキャンペーン

 研修はワイキキの有力ホテルのインスペクションを中心に組み立てられ、セミナーとワークショップが開催された。

 ホテルは@ハイアットリージェンシーワイキキビーチリゾート&スパAワイキキ・ビーチ・マリオット・リゾート&スパBヒルトン・ハワイアン・ビレッジCアストン・ワイキキ・ビーチ・ホテルDワイキキパークEハレクラニホテルFホリデイインを視察。

 いずれもリニューアルが完了またはリニューアル中で、リニューアルの間隔は大手ほど短いようだ。

 ■ヒルトンハワイアンビレッジは今年一月に三十八階建て、三百三十一室のグランド・ワイキキアン・タワー(スイート・コンドミニアム)をオープンし、一万四千uの敷地内に七棟のタワー(ホテル三千室、コンド五百室)を展開している。〇八年の平均客室稼働率が八六%。それ以前は九〇%を超えていたという。客室は二年に一回改修し、各棟は四年に一回のリニューアルを行っている。リニューアル時にはコンセプトも変えるとしている。敷地内に巨大な海水プール「デューク・カハナモク・ラグーン」を〇七年にオープンしている(写真)。長いところで二百五十m、最も深いところで百八十センチ、水深五十mの海水を一日四回入れ替えている。さらに今年、スライドチューブを備えたパラダイスプールをオープンした。

 ハワイ島のワイコロアビレッジも〇八年に改装、三台のモノレールを新規導入し、ドルフィンビレッジをオープンさせた。

 ■ハレクラニホテルは一泊七千ドルのスイートが年間六五%稼働し、取れないケースがあることから、二室だったのを三室に増やした。また、研修団のディナーレセプションの開催場所となった。

 ■ハイアットリージェンシー(千二百二十九室)はオールドハワイアンをコンセプトに客室をリニューアル。研修団に朝食を提供した。

 ■マリオットワイキキビーチ(千三百十室)はダイヤモンドヘッドに一番近い高級ホテルだ。二つのタワーのうちビーチ側のタワーを全館リニューアルした。プールサイドでカバナ(テント)をレンタルしているのが面白い。コオリナ、マウイ島、ハワイ島、カウアイ島など五カ所にホテルを展開している。

 ■アストン・ワイキキ・ビーチホテル(六百四十四室)もリニューアル、名称もクエストからアストンに戻した。好きなもの選んでボックスに入れ、ビーチやプールサイドで朝食を食べるという「ブレックファスト・オン・ザ・ビーチ」という面白いサービスを行っていて、研修団に提供した。

 ■ホリデイイン(百九十八室)もリニューアル中で、本部のサービス審査で四月に満点の評価となった。ホリデイインは希望者にワイケレ・アウトレットモールへのリムジン、朝食を提供した。

 ■また、ロイヤルハワイアンは昨年から約六カ月閉鎖し、全館リニューアル工事を行い、オバマ大統領の就任式の一月二十日にオープンした。

 ■ホテル以外ではビショップ博物館を視察。火山噴火でハワイ諸島が出来た仕組みや、王朝時代の生活の様子が展示されていた。ビショップ博物館はカメハメハ大王の末裔パウアヒ王女の追悼記念館として一八八九年に夫のチャールズ・ビショップが設立し、アメリカの五大博物館の一つに数えられる。ハワイ先住民子弟の修学支援も行っている。

 ハワイアンダンスの講義も行っており、研修団もレッスンを受けた(写真)。また、カフェがあり、食事もできる。注文に応じてローカルスタイルの弁当も提供していた。沖縄でも出てきそうなマヒマヒのフライ、焼き肉、ご飯、デザートに杏仁豆腐という内容だった。

 ■ワイキキトロリーバスは一日無料券を提供した。

 ■KCCマーケットはダイヤモンドヘッドの近くの農産物の朝市で、毎週土曜日に開かれる。青トマトのフライ、ジンジャーのジュースが人気。地元のコーヒーやその場で焼くピザなどがあり、簡単な朝食となった。多数の観光客も訪れており、地元客の車も相当に混んでいた。

 ■DFSは最新の商品を取り揃え、アジア客、日本人客に相変わらずの人気があった。

 ■セミナーとワークショップ、昼食会が、ハワイコンベンションセンターで開かれ、チャイナエアラインローカルオフィスのカレン・ポーさん、ハワイ州政府観光局の一倉代表らが今年の取り組みを説明した。

 ■チャイナエアラインは成田=ホノルルを747‐400型機、台北=ホノルルをA340‐300型機で運航しており、ハワイ州五十周年、チャイナエアライン五十周年を記念して一九五九年生まれの人、同年結婚した夫婦に特別料金を出している。また、抽選で航空券のプレゼント、オバマさんプロモーションとして読みが同じ日本のオバマさんに対して、特別プロモーションを行っている。 マイハワイ・フォトコンテストも開催中だ。

 ■ハワイ州政府観光局一倉代表は「〇八年の日本人客は減少したが、今年は順調に増えるものと予想している。連休明けから人数は落ちているが、ハワイの人気は変わらない。日本人が行きたい観光地の第一位がハワイであり、最も行きたい観光地の第一位もハワイだ」「安全性、円高メリット、まだまだ知られていない付加価値、再開発による新しい見どころも増えている」「五十周年を迎えたハ ワイ州は『人生の中の、ハワイ。』をタグに結婚、退職、アニバーサリーを取り込む。主要ターゲットはウェディング、ハネムーン、初めての家族旅行、三世代を含むファミリーだ」「『ハワイ五十選』では訪れて欲しい五十の観光スポットを紹介している。ダイヤモンドヘッド、一八〇〇年代の首都ラハイナ、マウイ島の南の沖合にあるモロキニ島などをプロがセレクトしている」と説明した。

 ■昼食会で、ハワイツーリズムオーソリティーのマイク・マッカートニー最高運営責任者が歓迎のあいさつを行い「日本とハワイのつながりは深い。わたしの祖母は沖縄出身だ」と述べた(写真)。

 ■また、ポリネシアン文化センターがフラダンスとハワイアン音楽を提供した。

 ■ワークショップ(写真)に参加したのは次の各社だった。


No. Company Name
01 Aqua Hotels
02 ASTON Hotels
03 Atlantis
04 Bishop
05 Big Island Visitors Bureau
06 DFS
07 Enterprise
08 Halkekulani Hotel
09 HCC
10 Hilton
11 Holiday Inn
12 Honolulu Marathon
13 Hyatt
14 Kauai Visitors Bureau
15 Kualoa
16 Marriott
17 Maui Divers
18 Maui Visitors Bureau
19 Mauna Lani Bay Hotel
20 New Otani Kamaina
21 Oahu Visitors Bureau
22 Polynesian Cultural Center
23 Prince Hotel
24 Royal Hawaiian Center
25 Sea Life Park
26 Starwood
27 The Fairmont Orchid,
28 Travel Plaza
29 Waikiki Resort Hotel
30 Waikiki Trolley
31 China Airline
32 Hawaii Tourism Japan
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