1,000万人実現へ、業界が知事に要望

(「観光とけいざい」第714号07年01月01日。WEB公開07年04月14日)

1,000万人達成を支援する会 要望書

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要望の主意

 知事におかれましては、雇用の確保と県民所得の拡大の実現に向け、観光客数を今後十年で一千万人にするという本県観光産業を格段に強化する方針を示されたことに、衷心より深く感謝申し上げます。一千万人の達成には今後毎年、五・九%成長を持続する必要がありますが、過去の沖縄観光は六〜七%の伸びを数年間維持した経験が何度もあり、十分実現可能な目標であると歓迎いたします。

 諸条件を整備していただき、観光関連業界は全力でこの目標達成に力を尽くす所存です。

 本県の観光産業は、これまで低迷を何度か経験したものの、行政・民間による積極的な政策・施策・事業の展開もあって、三十年間を均してみれば、毎年四・五%成長と堅調に伸び、県経済をリードする基幹産業として大きく成長して参りました。

 しかしながら、このような観光産業の堅調な成長によっても、なお全国平均の雇用率を達成するにはいたらず、また、海外からの観光客の増大には、なお一層県内受入体制と誘客体制を充実させ、海外観光地との競争力を強化する必要があります。

 このような状況に対処するために、本県の地理的・歴史的特性を活かした魅力ある観光地づくりに加えて、那覇空港の平行滑走路や那覇港等にクルーズ船専用バースの建設など社会資本のさらなる充実、誘客における政策的な支援措置の投入が必要不可欠であります。

 つきましては、観光客一千万人体制が本県の高い失業の解消、所得の拡大、他産業への波及効果の拡大など、本県経済社会の持続的発展に果たす役割の重要性に鑑み、次の事項について要望・提言いたしたく貴職の特段の御高配を賜りますよう、お願い申し上げます。

(1)那覇空港平行滑走路、クルーズ船専用バースなど社会資本の充実について

《要 望》

 観光産業が一千万人を達成するに当たって、業界内部の努力では手に負えない課題が那覇空港の平行滑走路や那覇港等へのクルーズ船専用バースの建設であります。「那覇空港の調査報告書2(那覇空港調査連絡調整会議)」によると、年二%台という控え目な成長を見込んだ沖縄振興ケースでさえ、二〇一〇年の八月には那覇空港の受け入れ能力が限界に遠すると見込まれています。

 知事公約の四年後の七百万人(年平均五・五%成長)、十年後の一千万人(年平均五・九%成長)達成には一日でも早く那覇空港における三千メートル平行滑走路や那覇港等へのクルーズ船専用バースの建設に着手することが必要となります。

 観光産業が安定して毎年五%台の成長を実現するためにも、この課題の早期解決に取り組まれることを要請いたします。

《説 明》

 那覇空港の平行滑走路及び那覇港等へクルーズ船専用バースの建設が着手されると、関連産業がどんどん沖縄に進出し、観光客の受入能力が高まると同時に国際観光客の受け入れ条件も整うことから、沖縄観光の品質も格段に高まるものと予想され、加速度がついて沖縄観光は発展し、一千万人の達成が確実なものになると考えます。一千万人を達成するまでの十年間には在沖の第V海兵遠征軍のグアム移転が行われ、嘉手納以南の千五百ヘクタールの米軍基地が返還されます。

 返還される広大な軍用地には観光産業の立地が有望と見られる地域がいくつもあり、海兵隊移転にともなう経済損失に代わって、跡地の有効利用で地域を活性化し、県経済を大発展させることが可能です。

 その準備のためにも那覇空港平行滑走路、那覇港にクルーズ船専用バースの早期建設が求められます。併せてモノレールまたは路面電車等のインフラ整備を行い、ハード・ソフトのトータルシステム開発を行い、幹線道路等の交通渋滞緩和を早期に実現するよう要望いたします。

(2)観光担当部門の組織再編・強化について

《要 望》

 観光客一千万人受入のための雇用創出や県民所得の拡大、基地の跡利用など強力な観光政策の展開が求められますが、これら広範囲の業務に対応するため、県の観光担当部門の戦略的強化を提言します。

《説 明》

 県観光商工部は平成十七年に商工労働部と観光リゾート局を統合し、観光商工部となったものですが、統合拡大によって観光部門がかえって小回りが利かなくなった面もあります。きめ細やかに、かつ、専門性を高め、持続的な観光大発展のために力を結集できるよう観光に特化した観光部を独立した部に昇格させることを提言いたします。

 観光部門は一千万人の達成に当たって、空港や道路などの社会資本整備、返還軍用地の跡利用政策などと深く関わる部門となり、建設開発や街づくり・情報発信拠点づくりとの連携強化がどうしても必要となります。

 また、ブルーツーリズムやグリーンツーリズムを通じて農林水産業、癒しや統合医療、健康保養観光を通じて福祉・厚生部門とも密接に関連し、幅広い行政ニーズに対応していく必要があります。

 このため観光企画部門の大幅な拡大によって、観光政策・調査・企画部門を強化し、専門生を高めてさらなるコンベンションや企業誘致などを図る必要があります。さらに観光立国を推進する国土交通省との連携を強化する必要があります。

 また、観光振興部門においては業界との連携のみならず県庁組織内の他の部門との連携を強化して、観光をより強化する政策展開と予算獲得を図るべきであります。

(3)観光予算の拡充について

《要 望》

 目標達成に向けて、観光推進部門の予算を拡充すべきです。

《説 明》

 〇六年の観光客数は〇五年の五百五十万人から五百六十五万人に拡大し、観光収入は四千億円を突破する見込みで、県内への経済波及効果は六千億円前後になると見られます。

 一方で、観光客一人当たり消費額は七万四千円程度と九二年の九万円台から大幅に下落しています。

 下落の要因には長期不況の影響があるものと思われますが、旅客数が堅調に伸びていることから、一般的に県全体の観光収入も伸びているものと思料されます。

 一方、観光消費の長期低落に歯止めをかけるべく県内観光関連事業者は、日夜品質の向上に努力しているところです。新設のリゾートホテルは既存の施設を上回る内容を実現しようと智恵を絞り、既設観光施設はサービスの向上や新商品の開発に努めています。しかしながら、〇四年頃より沖縄県の観光予算は大幅に縮小しており、特に観光宣伝誘致強化費は〇四年の五億七千万円から〇六年は一億九千万円に激減、〇七年はさらに縮減が求められています。

 観光産業は補助金とは無縁の産業部門と見られていますが、現実には沖縄の場合、航空燃料税の本則1/2の適用、着陸及び航行援助施設使用料の本則1/6適用によって、年間約三百一億円(〇五年実績)の公租公課の軽減措置が実施されています。この軽減措置は観光客が拡大すれば軽減額も拡大するため航空会社へのインセンティブとなっていることが重要です。これによって、航空会社は沖縄向けにジャンボ機を最大限に投入する政策をとっています。

 この結果、沖縄旅行の費用が軽減され、国民の間に割安感を醸成しています。

 これに旅行各社・航空各社が毎年、重点販売とキャンペーンを実施して沖縄観光の人気を継続しているのが実情です。また、県内企業は旅行社に販売手数料やイベントなどの協力金を支払うかたちで誘客キャンペーンに最大限に貢献しています。

 このような中にあって、沖縄県の宣伝費は観光情報媒体を中心に沖縄観光の露出を高め、観光事業者を後押しする強力な支援策として機能して参りました。

 近年の三位一体改革にともなう予算の縮減で、この機能が弱まり、観光客数の伸び悩みにつながることが関連業界から危惧されているところです。

 また、三位一体改革では市町村の予算が軒並み厳しい状態となり、県内各地の観光協会がたち行かなくなり、実際にまつりなど恒例事業を縮小せざるを得ないところも出てきています。この状態が続くと県内観光団体に加盟する会員メリットがなくなり、会費収入も減少し始め、ますます事業展開が困難になるという悪循環に陥ることになります。

 観光客数の誘致には、目標に応じて観光予算も増やすことで、次の成長を呼び込むことが知られています。実際に日本のビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)では予算の投入によって海外観光客をどんどん獲得している事実があり、持続的な進展を目指すいま、観光予算は縮小すべきではなく、組織の強化と相侯って成長目標に応じた予算が必要であり、拡充を要望します。

(4)公租公課軽減措置の延長について

《要 望》

 国が沖縄振興策の一環として実施している公租公課の軽減について、延長を要望します。

《説 明》

 公租公課の軽減措置は、入城観光客数の増加に加え、豊漁業産物の本土出荷の拡大にも寄与しています。現在の軽減措置は平成十九年三月三十一日に期限が切れます。

 つきましては、同措置の延長を国に対して積極的に要請すべきです。ジャンボ機材が沖縄に数多く就航することで、航空貨物スペースも広くなり、県産品とりわけ熱帯果実や花卉、鮮魚等の輸送コストも低減しております。

 いまや観光産業は従来の総合産業という位置づけから協同産業、つまり各産業が協同で支えなければならない産業と呼ぶにふさわしい産業であり、人流から物流にまで発展しています。このことを踏まえ、公租公課の軽減措置の延長を要望します。

                        平成十八年十二月十九日

 本要望は、私たち観光客一千万人達成を支援する会の総意であります。

                        世話人代表・平良朝敬

要望団体及び企業名
@(社)全国旅行業協会沖縄県支部支部長・堤朗A特定非営利活動法人沖縄観光連盟理事長・出入端好盛BJTB協定旅館ホテル連盟沖縄支部支部長・国場幸一郎C沖縄ツーリスト・ハイビー会会長・嘉味田朝靖D(社)日本ホテル協会沖縄支部支部長・平良朝敬E日本旅行協定旅館ホテル連盟沖縄支部支部長代行・鈴木啓司F名鉄観光協定旅館ホテル連盟沖縄支部支部長・金城幸松G農旅連みのり会沖縄支部支部長・宮平靖弘H東部トラベル協定旅館ホテル連盟沖縄支部支部長・鈴木啓司IANAセールス沖縄パートナー会会長・平良朝敬J沖縄JALTOURS会会長・勝田正義K沖縄県情報通信関連産業団体連合会会長久場川森男L沖縄県農業協同組合中央会会長・大城惟宏M沖縄県漁業協同組合連合会代表理事会長・下地敏彦N沖縄県農業協同組合代表理事・理事長・赤嶺勇O金秀グループ会長・呉屋守將Pりゅうせきネットワーク会議議長・太田守明Q大扇会会長・大城浩Rかりゆしグループ代表・平良朝敬  


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