総合産業への変容が求められる500万人時代の沖縄観光
沖縄振興開発金融公庫レポート42号から

沖縄観光速報社・渡久地明

目次

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供94年旅行実態と95年以降の見通し
●旅行客数の全国的な伸悩み傾向●94年の旅行実績●95年旅行動向見通し●世界の観光産業の規模

掘コこ阿妨う旅行需要
●海外と競合する国内観光地●マスコミも海外ブームに貢献●団体客から個人・ファミリー旅行へ

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●94年は4割増の100万人を突破●7割は日本人客●充実するレジャーメニュー●受け入れ能力は150万人●沖縄と比較した●台湾客も増加傾向

后ゲ縄観光を左右する航空運賃
●量と質の2極分化●低価格を設定したリゾート開発●航空運賃低減は航空会社と協調して行うべき

此ス渋い諒冤討求められる沖縄観光
●海外のマーケティングが適用される沖縄●旅行の流通構造

察ゥ灰鵐團紂璽寝修経営を左右する
●価格決定のメカニズム●CRSの優劣が生き残りを決めた●観光地はどうコンピュータ化するのか●人の能力を倍増させるコンピュー

次ゴ儻地の総合力
●リゾート沖縄マスタープランの再吟味●だれがリーダーシップをとるのか●最後に残るもの●観光地の総合力

宗ゲ観光の条件
●沖縄の総合力●業界の裾野を広げよ

年号は用いず西暦とし、さらに1995年を95年などと略した。括弧内は特別に断わらない限り前年同期比である。
(インターネット版リリースに当たり、図表を大幅に削除しました。ご了承下さい)

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 沖縄観光は、91年に第二次沖縄振興開発計画の目標である年間観光客数300万人を達 成した。次の2001年までの三次振計では500万人〜600万人を目指し、リゾート沖縄マスタープランで詳細な未来像を描いている。振計は沖縄県の悲願である所得水準の全国 平均並までの向上と失業率の縮小といった基本的な課題解決のための計画であり、観光 客500万人〜600万人はこれを達成するためにどうしても必要な数値目標である。最近3 年間の景気の低迷はこの目標達成にブレーキをかけるものである。しかし、世界の観光 動向は東アジアを中心に急速な伸びを示しており、日本の観光市場も3億5,000万人と沖 縄観光の規模の100倍を越えて膨大である。この市場で沖縄の観光市場がGDPの伸び程 度しか獲得できないというのはあまりにも努力不足である。300万人の実績が小さいとみ るか大きいと見るかによって、今後、沖縄観光がとるべき戦略は平凡なものになるか、電 撃的な快進撃となるかの分れ目である。

 本稿は不況に耐えて力を温存するのか、打って出るべきかを考察する。そのための順 序として、まず、国内観光市場の規模と95年の見通し、世界の観光機関が行っている長 期見通しを紹介した。次に急速な勢いで伸びている海外旅行の人気の原因を簡単に旅行 の流通構造に触れながら考え、さらに実際にグァムに飛んで実例を分析した。

 第四に沖縄にとって最も重要な旅行の要素である航空界の動きについて最新の分析を 加えた。ここまでの記述で沖縄観光が進んでいく方向が次第に明らかになってくるはず である。

 以後の記述は今後の旅行観光産業が迎える変化の内容を具体的に予測し、将来の姿を 示すための考察である。第五にコンピュータライゼーションがこの業界に及す影響につ いて航空会社のCRSを実例に述べた。第六に観光地の総合力という考えを導入し、今 後何が必要なのか検討した。その結果、冒頭に述べたように沖縄観光を倍増させるのは それほど困難な仕事ではないことが理解できるであろう。最後に、そのために観光業界 が地域に対してなすべき条件を示した。

 以上から沖縄観光は、ここ二、三年、低迷を経験したが、これを挽回する方法があり、 かつ、地域社会全体を潤すことのできる最大の産業であることが改めて整理した形で理 解されるであろう。

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