連載コラム視点606
渡久地明(沖縄観光速報社)


不況が加速する小泉改革は間違いだ

 本紙収録の「おきなわ新世紀」という記事は、ケーブルテレビで何か面白い企画をやろう、ということで始まった三十代の青年数人が集まっての討論番組である。すでに創設メンバーの何人かは四十代となり、番組も一時中断したが、その間、本紙やラジオ、インターネットTVを活用して、とぎれなく月一回の議論をいまでも続けている。

 その新世紀のメンバーは四年前、沖縄観光一千万人ポリシーを打ち出したことがある。この時トレンドのグラフを示して、一千万人は順調にいけば二〇一六年頃実現するが、政策によって、つまりもっと加速して二〇〇五年頃実現すべきだと主張した。

 しかしその後の景気悪化と財政削減、最近の小泉改革で加速は困難となり、あれから四年も経過したらさすがに二〇〇五年の一千万人は無理な状況になってきた(空港が間に合わない)。

 しかし、二〇一六年の一千万人、二〇一一年の八百万人はまだ生きている。私は本紙第六〇四号で次の十年は八百万人を目指すべきであると述べた。

 これは観光産業を、もし次の十年で五百〜六百万人程度までしか伸ばさないと、沖縄県が計画するなら、金融機関は観光産業への新規プロジェクトに融資をしなくなり、伸びることを見越して進出しようとした企業の投資がおこらず、客足は遠のき、過当競争となり、優良企業も倒産の憂き目にあうことになる。これはどうしても避けなければならないというのが私の危機感である。

 七百万人まで見込むと滑走路は着手しなければならない。平行滑走路はどうしてもつくるべきである。小泉改革で平行滑走路がどうなるのか不透明になってきたのに問題がある。沖縄に行きたいという国民が多数いるのなら、滑走路をつくって国民の希望に応えるべきである。

 で、実際に二月一日の観光審議会ではそれまで「六百万人が現実的、七百万人と主張するのはOCVB理事長一人、八百万人というと相手にされない」雰囲気だったのに、今回は八百万人を皮切りに千数百万人という数値が委員の間から出て、最終的に七百万人はやろうという結論になった。業界の代表は六百万人ではたち行かないことをとっくにお見通しだったわけである。

 しかし、八百万人にすべきであるという主張を別の角度から見てみると、「道路を造れ」「財源は国債を発行しろ」ということと同じである。つまり、(委員の先生方は別にして)渡久地明は小泉改革の抵抗勢力がいっていることと同じことを沖縄観光では主張し続けていたということになる。日本各地が同じことを主張するとどういうことになるのだろう。

 問題は小泉改革とはなにか、もっと精密に議論する必要があるということだ。会社をつぶして改革が進んでいるという認識は根本的に間違いである。日本全国規模なら政治銘柄とかインチキ企業などあるだろうが、沖縄観光には不正な企業というのはない。だからつぶしてはならない。結果としてどうしても七百万人以上を確保しないといけないのだ。

 抵抗勢力、何が悪い。抵抗勢力という言葉自体もっと精密に検討する必要がある。とりあえず、私は小泉改革への沖縄での抵抗勢力を堂々と名乗ることにしよう。(明) (「観光とけいざい」第606号02年2月1日付け)  


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