連載コラム視点624
渡久地明(沖縄観光速報社)


ITは人と人をつなぐ道具だ

 NTTユーザー協会の講師として久米島に行って来た。あまり難しい話は出来ないので、インターネットを使っていて、実際に身の回りに起こったことをいくつか述べた。

 まず、インターネットで観光客を誘致する方法について、実際に地域やホテルで面白い、楽しいと実感できるイベントなどを行い、それについて観光客からの感想を自由に書き込んでもらう仕組みをつくり出せば、日本中の沖縄ファンがホームページ製作に無償で協力してくれる、という実例を述べた。

 私は「週刊沖縄ふぁん」というメールマガジンを発行しているが、これに使う記事は世界中の四千六百人の読者に協力してもらっている。最近、編集者に新人を起用したが、この人も実はPDFというソフトに私が興味を持ち、それを日本でいち早く使ったのをみて、知人と二人で本社に訪ねてきてから知り合ったが、ネットつながりの協力者である。

 似たようなことは例えばディズニーランドのファンがディズニーランドの良さを語り合うホームページがあって、ディズニーランドという会社とは別に有力なサイトになっている。同じ事が、久米島でも出来る。自分で作るのには限界もあるから、環境を整えることによって協力者は那覇にも東京にもたくさんいる、と話した。

 基本的にインターネットは人と人をつなぐ道具であると述べた。私がアメリカ取材でアーミテージさんにインタビューした記事をインターネットでも流したら、東京の軍事アナリストの神浦元彰さんがご自分のホームページでこの記事はすごいと激賞。それを後に私が見つけて手紙を書いてからメル友になり、神浦さんの沖縄講演まで発展した。参加者もインターネットで募集し東京、大阪からの三人を含め九十人が集まったという 話。

 また、東京の大学の経済学部を出て不動産会社に就職したが、自分には向いていないことがわかった。小さい頃からジャーナリストという職業に興味があり、一度の人生、会社を辞めてドイツのジャーナリスト養成学校に行き、新聞記者になってヨーロッパを活動の拠点にしたい、という青年から手紙がきた。ドイツの学校に入るには二カ月以上の実務経験が必要で、ついてはアルバイトで雇ってほしいという。

 では私が二カ月タダで教えてあげよう、と返事をしたら、早速、青年は飛んできて、私のサポートをした。

 「東京の大学ってどこ出たんだ」と聞くと「東京大学です」という。東大卒を二カ月タダで働かせてしまったが、さすがに優秀であった。自分でテーマを設定して、取材に走った。ちょうど昨年の米同時多発テロに遭遇し、米国の航空業界などが即座に声明を発表したが、それを翻訳させて本紙に載せるなど活躍した。取材先に連れ回したので覚えている読者もられると思う。

 こんな面白いことがインターネットを媒介に続々起こっている、というのが講演のIT部分の趣旨である。この他、最新の観光動向も解説した。

 いま、沖縄の多くのインターネット利用者にとって技術論は不要ではないだろうか。むしろ、今やっていることをインターネットで公開すること、それを面白がって人が集まる、というところにインターネットの醍醐味があるんじゃないかと思う。(明) (「観光とけいざい」第624号02年11月15日号)  


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