連載コラム視点716
渡久地明(沖縄観光速報社)


久間大臣の方がまともなのでは

 久間章生防衛大臣の発言が注目を集めたが、この人の方がまともで、官邸のほうがおかしいと思える。

 久間氏は沖縄関連で@仲井眞弘多知事が公約した三年以内の普天間基地閉鎖状態については困難、A辺野古のV字型滑走路については、沖縄県と相談して米が納得するなら変更可能と述べている。V字型でなく、一本でまとまるならそれでもOKだと柔軟だ。

 @については、訓練の分散で閉鎖状態にするのは可能と防衛大学の村井友秀教授が述べ、軍事ジャーナリストの神浦元彰氏はさらに進んで、いますぐにでも可能と述べている。訓練は別のところで行い、飛行機を点検・整備する際に戻ってくる程度であれば閉鎖状態といっても良いと思われるが、この状態ならすぐにできそうだ。

 Aについて。もともと米の辺野古沖飛行場は海兵隊のグアム撤退後の見回りのためのにしばらく使う必要があるという程度のもので、イカダを浮かべたようなものでもよかった(SACO合意)。クリントン大統領・橋本首相の話し合いではメガフロートといったアイデアが出ていた。メガフロートは朝鮮半島がホントに危なかった頃のかつての普天間のような出撃基地の役割ではない。

 北朝鮮問題は近く片付くので、見回り程度に使うものだった。その役割もそのうち消滅するから、「撤去可能な」海上施設でよいとされたものだ。それが埋め立てV字型になったのは日本政府が米側にそうしてくれと頼んだからだった。なにかの利権があるのだと思う。また、自衛隊が使いたいからだという見方をする識者も確かにいる。だから米は、辺野古はイカダでもよかったが、「V字型滑走路の建設費もグアムの新基地、海兵隊移転費用も日本が持つ。それならV字型でも、まあ、いいか」といっただけだっ た。このやり取りは単なるゲームだったというエピソードが全国紙でも紹介された。

 久間さんはそういうことをよく分かっていて、V字型は変更可能といっているだけなのではないか。それなら、沖縄側の納得のいく方法で変更した方がよい。そうしなければ、余計な摩擦が沖縄との間に起こり、面倒なことになるのを知っているのだろう。わたしはひょっとしたらV滑走路をつくっている最中に北朝鮮問題が戦争に発展しないで解決し、不要になる可能性もあるのではないかと思う。その場合は、暫定ヘリポートなり、リゾート用地などに変更すればよいと思う。しかし、つくらないというサイ ンを出すわけには行かず、着工した証拠が必要なのではないか。

 もちろん、上のようなからくりなら、沖縄側はその上手をいっているということになる。おかしいのは沖縄のマスコミが「久間大臣の発言に米側が不快感を示している」といった日本側の世論操作に非常に忠実なことだ。こういうときは久間さんを支持するのが筋ではないのか。(明)(2007年2月1日号掲載)


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