連載コラム視点721
渡久地明(沖縄観光速報社)


海外との競争を視野に入れるべきだ

 沖縄観光は開発ラッシュだといわれているが、本当にそうだろうか。確かにいくつものリゾート開発が計画されているが、一歩日本から外に出たら見劣りする。

 マカオの開発スピードにはビックリだが、東南アジア各地で同様の開発が進んでいる。 開放路線の中国各地、香港の空港島、シンガポールとマカオの猛烈なカジノ開発。バリ島やインドネシアの島々、フィリピン、ベトナムにも世界中からリゾート客が集まっている。ハワイは別格としてもグアムは沖縄の動向で日本人観光客数が変動するという。

 沖縄はこれらの地域と競合する。海外からリゾート客を呼ぶのは無理だという人がいるが、そうではなく、日本人が東南アジアのリゾートにどんどん出かけるようになり、沖縄の地位が相対的に下がる可能性を考慮すべきだろう。

 もちろん、沖縄観光は目に見えない、普段あまり気が付かない優位性があって、東南アジアのリゾート地とは直接は競合しない面がある。

 ところが、東南アジア諸国はどんどん発展しており、そのうち言葉も通じるようになり、安心・安全の面から日本と大差ないということになると、沖縄の優位性のいくつかは崩れるだろう。

 ハードだけなら、もはや東南アジア各国は、はるかに沖縄を上回る。これらの地域が豊かになればソフト面でも沖縄を上回るようになるかも知れない。もともと人々は勤勉であり、豊かな感性を持っている。経済はものすごい勢いで成長しており、そのうち日本の地方を追い越すだろう。

 ベトナムのリゾートか沖縄かという状態になるのはまだまだ先だとは思うが、マカオなどの開発スピードを見る限り、意外と早く東南アジアのリゾートが沖縄の競合地として躍進するだろう。

 そこで提案だが、沖縄や日本側の事情だけで千万人のためのインフラを整えるというのではなく、それに加えて沖縄と同様な海浜リゾートがある海外有力観光地との競争を視野に入れ、体制を整えるべきである。沖縄観光の品質というのは、海外との好ましい形の競争を意識したときにもっと格段に高まって行くはずである。

 観光客一千万人のアナウンス効果は非常に高いものがあるが、まだまだキャッチフレーズの段階である。空港・道路・上下水・電力などの基本的な社会資本はこれからであり、それと入れ替わりに米軍の撤退が完了しているだろう。

 観光客一千万人、インフラ整備、米軍の撤退と嘉手納以南の軍用地の返還は沖縄内部で今後十年以内に予想される変化である。それに加えて東南アジアリゾートの台頭、安倍首相のいうアジア・ゲートウェイ構想など日本の変化=沖縄の外の変化にも備えた計画を早くつくって示すべきだ。大ざっぱなものはわたしがつくってもいいが、国や県はもっと詳しいものが作れるはずだ。早くしないと手遅れになるぞ。(明)(2007年4月15日号掲載)


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