連載コラム視点727
渡久地明(沖縄観光速報社)


早く日本を立て直せ

 アジアの経済成長が著しい。中国の躍進が目立つが、アジア各国もよく伸びている。主要国の〇一年の一人当たりGDPが〇五年に何倍になったかを調べると、次のようになる。  @中国一・八二倍Aインドネシア一・六三倍B韓国一・六一倍Cインド一・五五倍Dベトナム一・五三倍Eタイ一・四八倍Fシンガポール一・二九倍Gフィリピン一・二八倍H台湾一・一七倍I日本一・〇六倍J香港一・〇二倍  中国の一人当たりGDPの額そのものは千六百九十一ドルと日本の二十四分の一と小さいが、多くの国民が生活が毎年向上していることを実感していると思う。  一方、日本は五年間ほぼ横這いが続き、わずか一・〇六倍と相当情けない結果となった。香港も一・〇二倍と不振だが、〇三年に大きな落ち込みを経験しており、〇三年と比較すると一・一〇倍と回復している。〇五年の香港の一人当たりGDPは二万五千二百四十二ドルで、日本の六四%の水準だ。  もし、日本のGDPがこれからも横這いで、香港が過去三年間の平均成長率六〜七%を維持するなら、あと六〜七年で日本を追い越す。  バブル崩壊後、日本社会は成熟したのでこれまでのような右肩上がりの経済は無理、せいぜい三%成長だという風潮があった。もちろん、これは単なる迷信であり、低迷の原因はおかしな世論に乗せられて政策を誤ったというのが正解だ。マスコミの責任は大きい。  九三、九四年の日本の一人当たりGDPは世界一になった。ところが、その後、自ら低成長を選択した結果、日本の順位はどんどん下落し、とうとう〇六年には十八位にまで低下した。  この間、日本にも景気回復の芽はいくつかあったが、その都度、おかしな構造改革に押し切られた。特に橋本内閣の行財政改革と小泉内閣の構造改革は本当にバカなことをしたと思う。その中で唯一、財政支出を増やし、景気回復の一歩手前までいったのが小渕内閣だった。橋本内閣の緊縮財政で日本の一人当たりGDPは九八年に世界七位まで低下したが、積極財政策に転じた小渕内閣では〇〇年に二位まで浮上した。が、その後の森、小泉、安倍政権で再び転落の一途をたどる。  バブル崩壊の九〇年代はじめから現在までを失われた十五年という。エレベーターが落ちたり、電車が脱線するなど信じられない事故が頻発。十代の若者が浮浪者に火をつけたり、とうとう殺人を犯した。規制緩和で非正規雇用が増加、自殺者が増え、国民の間に格差が拡大した。  それを予見して早くから警告を発していた政治家もいたが、改革に反対する抵抗勢力とのレッテルを貼られ、追い落とされた。しかし、改革そのものが間違っていたのだ。  参院選挙が終わって、与野党が逆転した。政治家はまともな政治を行って、早く日本を立て直せ。(明)(2007年8月1日号掲載)


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