連載コラム視点733
渡久地明(沖縄観光速報社)


民主党は景気拡大策で大連立すべきだ

 日本の政治は自民・公明連立による与党と政権交代を目指す民主党など野党の二大勢力で政権を争ってきた。ここ数ヶ月の動きを見ると、

【七月二十九日】参院選挙での自民党大敗、民主党大躍進。参議院は野党が大多数を占めるようになった。

【九月十二日】安倍晋三首相の突然の辞任。

【九月二十三日】自民党総裁選で福田康夫総裁が誕生。対立候補の麻生太郎氏も善戦。

【十一月二日】福田首相と民主党小沢一郎代表との党首会談で大連立合意。それを民主党役員会が拒否。

【十一月四日】小沢代表が辞意表明会見。民主党幹部が党内の意見をまとめ必死の慰留を続ける。

【十一月六日】小沢代表の続投宣言。

 と揺れ動いた。

 小沢氏の辞意表明は政界を激しく揺すぶった。

 結局「恥をさらすようだが…」と小沢代表も慰留を受け入れた。

 大連立という考えに民主党も世論調査結果での国民の大半も否定的だ。しかし大連立というのはそれほど嫌悪すべきことではないのではないか。

せっかくの大連立の申し入れである。民主党が主張する国民生活第一をテーマとすべきだった。そっちの方が重大で急を要すると思う。

 福田首相は財政再建を重視して、増税を打ち出そうとしている。増税で政府の収入を増やし、政府の借金が減るという理屈だ。ところが、増税で景気が一層縮小するのは目に見えている。個人消費が減り、賃金は上がらず、大企業はさらなるリストラに走って利益を出そうとする。中小企業の赤字は改善せず、かえって税収は増えない。これは現実に九八年の消費税増税後、また小泉政権でのGDP横這い政策ですでに経験したとおりだ。

 〇三年頃から、輸出企業を中心に外需が好調で空前の利益が計上されるようになり、政府の税収が増え、これを好況という人もいる。しかし、企業は利益を出してもそれを社員に回すわけではないから、景気はいっこうに回復しない。国民の給料はむしろ下がっている。

 では、景気回復には何が必要かというと、構造改革路線とは逆に大減税であり、政府支出の拡大であり、内需中心の景気活性化策である。それによって、全体のパイ(GDP)を拡大させ、税収を増やす(赤字企業が黒字になれば税を納める。失業者が雇用されれば消費も増え、税や保険料を支払う。富裕層や大企業はさらに儲かるが、累進課税が効くので税収は増える)というのが、最も当たり前の経済政策だ。

 これと引き換えに大連立なら、それほど毛嫌いする必要はない。

 もちろん、大連立しないでも、いまの民主党には政治を動かす力があるということが、わかった。ところが、民主党の経済政策といえば構造改革そのものなので、国民が困っているのである。小沢さんが民主党は力不足というのは、全くその通りである。(明)(2007年11月1日号掲載)


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