連載コラム視点738
渡久地明(沖縄観光速報社)


日本経済は一流でない

 アメリカの住宅バブルの崩壊で日本の株価が下がっている。昨年は世界五十二の市場で、年間を通じて株価が下がったのは五カ国だけで、日本はその中でも下から二番目の下落率だった。一人当たりGDPも九五年の世界第三位から〇六年は十八位まで凋落した。

 大田弘子経財相は国会で「もはや日本の経済は一流ではない」といって話題になったが、結局は間違った構造改革をもっと徹底しなければならないという最悪の方針しか出てこない。

 「評論家になっている。わたしが一流に戻す、というべきだ」

 と竹中平蔵さんがテレビでコメントしていたが、そこだけ切り取ると竹中さんのコメントは正解である。

 しかし、日本が一流に戻るには構造改革ではなく、経済成長を続けていた頃の政策をもう一度行うことこそが正統な手法である。一人当たりGDPが世界二位になるまでの経済政策こそがいまから見ると正しい政策であった。それが十八位にまで転落したここ十数年の政策は失政以外の何ものでもないだろう。間違った政策でここまで経済はガタガタになったのに、不思議なことに国会もマスコミも間違った政策をなお一層進めるべきだという論調に染まっている。

 輸出が好調な大企業は利益を出しているが、内容はリストラとスリム化の結果だ。トヨタはアメリカで車を作るより、日本の安い労働力で車を作って輸出した方がはるかにもうかるといっている。アメリカに工場を置いているのは政治的な事情だ。輸出企業が好調なのは、低賃金に甘んじた労働者が支えたからだ。同時に下請けをたたいた。中小企業も大企業を支えた。さらに、円安政策で、実質的に輸出企業に補助金を与えた。

 強いといわれた輸出企業は実際には円安政策という補助金で利益を出している。使いでがあるはずの円が安いため、国民は輸入品を高く買わされている。国民全てが損をして輸出企業を支えていることになる。

 円ドルレートはどの程度が適当かというと八〇〜九〇円だろうと森永卓郎さんが多くのエコノミストの判断だといっている。

 アメリカ経済は拡大し、物価も順調に上がった。逆に日本の名目GDPはほぼ横這いであり、物価も下がり続けた。この結果、十年前に比べたら、ドルの価値は下がり、円の価値は上がった。日本も世界平均並みに経済規模を拡大していれば一ドル=一〇〇円でも給料は倍となっていただろう。

 この失政=デフレ下の構造改革が今後も続けば、消費はますます後退し、デフレは一層深刻になる。

 それが沖縄の観光産業にも波及して、すでに一人当たり観光消費額は底を這っている。不況が加速すると今度は観光客数が減るようになるだろう。

 早く間違った政策を改め、世界平均並みの経済成長を取り戻すべきだ。(明) (2008年2月1日号掲載)


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