連載コラム視点749
渡久地明(沖縄観光速報社)


麻生氏のまともな経済政策

 麻生太郎自民党幹事長の発言が問題になっているそうだ。いろいろな問題発言がある人だが、新聞ではこんな見出しがある(八月七日付「沖縄タイムス」)。

 「黒字化先送り」また表明
 麻生氏発言、新たな火種

 麻生氏が福井市内で講演し、景気対策の財政支出を視野に二〇一一年に基礎的財政収支を黒字化するという政府目標の先送りを検討すべきだとの考えを重ねて示した、というものだ。重ねてというのは、前日にも報道各社のインタビューで同じ発言をしており、どうやら確信犯という評価になりつつあるのだろう。

 これに対し、公明党が賛意を示し、自民党の財政再建派は反発を強めているという。

 福田改造内閣は経済閣僚にいずれも消費税増税派の与謝野馨経財相、伊吹文明財務相を配して、財政再建を増税で乗り切ろうとしている。谷垣禎一国土交通相も増税派で思い切った公共投資などの経済対策が望めない。

 一方で自民党執行部の要職にある麻生太郎幹事長は増税ではなく緊急経済対策が先だという。

 もう少し麻生氏の言い分を聞こう。

 「預貯金は増えて、企業に対する銀行貸し出しは減って、政府が国債を買わなくなれば、たまったカネは間違いなくデフレ圧力になる。財政再建は引き続き堅持するのは当然だと思うが、一一年度までにというのは一つの手段であって、好景気でもない時に安易に(財政再建目標達成のための)増税をやると、どういうことになるか」

 この理屈はしっかりした正統なものである。

 自民党内には上げ潮派という一派もあるが、その頭目の中川秀直元幹事長は「福田康夫首相の経済路線は明確だ。この路線に反対する人がつい先日任命された党執行部の中にいるとは信じられない」と厳しく批判したと新聞にある。

 自民党内には増税派、上げ潮派、追放されたはずの積極財政派が復活したことが浮き彫りになった。積極財政で国を発展させてきた自民党が(野党も)、小泉構造改革に乗っ取られて経済政策を間違えたのだった。需要不足の時に供給側を改善しても景気は回復しない。戦後最長の経済成長といわれたのはドーンと景気が落ち込み、落ち込んだ底からほんのわずか、毎年一%位の成長が数年続いたというだけで、毎年数%成長を続けた世界の経済成長サイクルからは完全に落ちこぼれていたのだった。

 積極財政派は郵政民営化選挙で一掃されたと思っていたが、麻生さんが生き残っていたというわけだ。しかも、確信犯らしい。素晴らしいではないか。 コラム子は七、八年前から積極財政を支持してきた。この路線に転換することが、自民党の生き残る道である。民主党が自民党と戦うには麻生路線を取り入れることである。積極財政策を明快に打ち出した麻生さんを支持する。(明) (2008年8月1日号掲載)


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