連載 前川昌道・IT導入、成功と失敗の法則(1)
おきなわ観光情報研究会


ITは縁の下の力持ち。表面に出るものではない

前川昌道(アイスプランニング代表・観光情報学会)

 本紙で18年前、パソコン通信が普及するという前提で、パソコン通信の応用方法を19回ほど連載させていただいた。本紙記者渡久地明さんとの最近の「前川さんの予言のようにインターネットによるパソコン通信が著しく普及しましたね」という会話が、きっかけで再びITの諸問題について筆を取ることになりました。よろしくお願いします。

 今回の連載では、ITの開発や活用することについて、開発者、現場、発注者、受注者、利用者の横断的な視点から成功させるためにはどのように取り組みをすればよいか、なぜ失敗するのかなどについて触れ、IT導入や開発の参考に供したい。

 ITを分かっていただくためにIT(I=Information情報、T=Technology技術で情報技術という)についてちょっと触れてみたい。IT革命は、デジタル技術の発明、マイクロプロセッサーによるパソコンの高機能化と高速化、インターネットの出現により20世紀後半から21世紀初頭に掛け著しく進化した。このIT革命によって社会の様相が大きく変わった。@地球規模のネットワーク社会の出現、Aパソコン同士の通信の普及、Bサイバースペースの出現、Cコンピュータの応用による様々なビジネスの出現、Dパソコンの家庭や企業への著しい普及、がいえる。

 インターネットの出現と著しい普及は、地球規模のネットワーク社会の創造と普及に寄与し、パソコン同士の通信を容易にした。サイバースペースはネットワーク上の仮想空間(ネットワーク上の市場ともいえる)で、コンピュータ通信とネットワーク社会の出現により新しく生まれた市場空間といえる。この新しい市場空間は、コンピュータを応用するニュービジネスの創造を刺激し、様々なコンピュータを応用したビジネスが創造され、著しい勢いで.COM(ドットコム)企業が興り、衰退もした。この代表としてデータセンター事業やe-コマース(電子商取引)、ネット広告業などを挙げることができる。また、これらの新しいビジネスに関連するソフトウエア産業が著しく発展した。

 ITの背景はこれでお分かりいただけたと思うが、これらの背景を知らなくて、本当の意味でのITの導入やITビジネスの開発は完璧にできないし、ビジネスの成功を導き出すことは難しいといえる。反面、ITは、ビジネスや仕事を司る手段であって、仕組みを知らなくても事業はできる。

 ITを活用してビジネスを展開する時に、間違うのは、ITを導入するからITに堪能でなくてはならないと思うことや、ITを導入したから必ず成功すると思い込むことである。すなわち、事業の運営や経営はITを論ずるものでもなく、通常の経営や事業運営感覚でビジネスを成功に導くことが、大変重要なことであり、ITは縁の下の力持ちで、表面に出るものではない。このことを先ず頭の中に置いて、ITの導入や開発などを進めてもらいたい。(「観光とけいざい」第656号04年5月合併号)


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