連載 前川昌道・IT導入、成功と失敗の法則(3)
おきなわ観光情報研究会


IT導入のケースを考える…目的を明確に、他人任せにするな

前川昌道(アイスプランニング代表・観光情報学会)

 前回では、はじめにということで、IT革命、ネットワーク社会、サイバースペースの出現、ITを知らなくてもITを活用して事業ができる、通常の事業運営感覚が大切というような基本的なことを書いた。

 今回は、IT導入に当たって基本として何を考えるべきかについて、皆さんと一緒に考えたい。

第1章 IT導入を考える
1、IT導入のケースを考える…目的を明確に、他人任せにするな  会社でITを導入する場合、何の目的で導入するか先ず考えるのが普通である。今流行のパソコンを知らないから先ずパソコンについて学ぼうとか知ろうとかいう場合は別として、目的を曖昧にして導入すると必ず失敗するものと決め付けた方が良い。先ず、「導入目的を明確にする」ことが大切である。

 企業がITを導入する目的や動機を考えると、@仕事の効率化、A情報の収集と分析、B情報の交信(コミュニケーション)、C新しい事業・商売の創造・拡大、の4つに大別することができる。ITを導入しようとした場合、この4つの分野を念頭に置いて目的を考えると、自分が何のために導入しようかという目的を明確にすることができる。

 ここで問題になるのは、恐らく、明確に分別することができない場合が多分にあり、曖昧にしてしまうケースである。明確に分別できない場合には、関連項目全てに当てはめて見る。

 例えば、簡単な事例として、複数店舗あるいは複数事業部の売上げを、コンピュータ集計しようと考えた場合、@仕事の効率化、A情報の収集と分析、B情報の交信が当てはまる。この場合、B情報の交信を考えなかったとすると、各店舗や事業部の売上げ情報をどのようにして集め集計するか困ることになる。各現場でパソコンやポスレジで集計した情報を、これまで通り、電話やFAX、あるいは、社内メール便でハードコピーにした売上げ集計表を本部(本社・本店)に集め、さらに集めた集計表をパソコンに手入力するような、やっかいな運びになるであろう。

 これでは、何のために仕事や事務の効率化のためにITを導入するか? になってしまう。このケースでは、目的が果たせない欠陥だらけの仕組み(または、欠陥システム)を導入する羽目になってしまう。ITを導入する場合、往々にしてこのような羽目になる場合が多く、導入した後に欠陥に気付くケースが非常に多い。欠陥ITを導入し泣きを見ないために、目的は、導入する自分(企業)でしっかりまとめることである。

 ここで、やってはいけないことは、ITを知らないからといって、目的のまとめも含め他人に任せることである。導入する本人が明確でないことは、他人が知るはずがないということである。特に悪いケースは、知ったかぶりの外部のシステムエンジニアやコンサルタントに頼むことである。自分でまとめるかアドバイスを受けながらまとめるべきである。(「観光とけいざい」第658号04年6月15日)


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