緊急提言
坂村教授ら招いてシンポ開いては
おきなわ観光情報研究会


いよいよ始まる電子政府とユビキタス社会に向けて

前川昌道(アイスプランニング代表・観光情報学会)

 8月2、3日、東京のホテルニューオータニにおいて電子政府・電子自治体戦略会議が開かれる計画があり、受講者を募集している(7月6日付、日経新聞)。日本経済新聞社が主催で、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省など中央省庁や主要地方自治体など関連団体が後援・協力となっている。戦略会議の多数の議題を見ても理解できるように、日本全体を包含する非常に大きな構想の下で、プロジェクトが展開されようとしている。

 このプロジェクトの中には、最近話題を集めているユビキタス社会の構築戦略が見え隠れしていて、ひょっとしたら、この戦略が主流を占めるのではないかと推測する。ユビキタスに関連するコミュニケーションインフラが何になるかは興味の湧くところであるが、地域にとっては、地域に点在する重要文化財や地域に根ざす自然界の生業など、情報の集積と発信に新しい世界が開かれ、新しい視点の地域振興策の展開に期待できるところである。また、離島・過疎地における遠隔診断システムの整備や高齢者社会における在宅介護充実支援システムの整備が急速に進むことが予測される。この整備が進むことにより、離島・過疎地など格差のある医療環境の改善が進むことになり、また、高齢者社会における安心生活環境の充実と、地方自治体の抱える医療費負担軽減にもつながるのではないかと期待するところである。

 最近、書店の店頭で、ユビキタス社会について書かれた本を見つけた。著者は、トロン技術の第一人者である坂村健先生で、ユビキタスの知識を深めるにはお勧めの本といえる。

 さて、戦略会議のスピーカーやパネル討論者に、北海道知事、岐阜県知事、鳥取県知事、徳島県知事やその他主要自治体が名を連ねているが、残念ながら沖縄県関係の名は見つけられない。沖縄県は、離島・過疎地の遠隔医療の現場として、また、地域文化の宝庫であるところから、これら関連プロジェクトの実証現場として名を連ねても良いのではないかと思う次第である。このプロジェクトに早い時期に参加することは、先行メリットが享受でき、沖縄の産業育成や観光・文化など地域振興に強いインパクトを与えることになると予想されるだけに、歯がゆい思いがする。

 この解決の一つの方策として、坂村先生と中央で地域文化の活用が分かる先生方のグループを沖縄に迎え、ユビキタスと文化・観光の振興、新しい方向性の遠隔医療などのシンポジウムを開き、沖縄のプロジェクトへの関わり方を示唆してもらう段取りを進めてはいかがであろうか。 (「観光とけいざい」第660号04年7月15日)


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