連載 前川昌道・IT導入、成功と失敗の法則(4)
おきなわ観光情報研究会


ホームページを活かそう

前川昌道(アイスプランニング代表・観光情報学会)

 IT導入には、導入の目的、ビジネス・ビジネスモデルを明確にすることが必要であること、ビジネスと事業戦略が大切であることを前回までで述べました。

 前回では、具体的な事例として、ホームページ(以下HPとする)を立ち上げe-コマースを行うことについて考えましたが、今回は、基本となるHPについて考える。近年、ほとんどの企業がHPを作り、ネットワーク上に公開し企業の顔として活用している。しかしながら、公開されているHPを検証してみると、立派なHPも多数見受けられるが、何を目的にHPを導入したのかと疑りたくなるHPが3〜4割存在します。大手企業の中でも、大変なお金をかけているのに、目的が不明確であったり、情報提供や操作が不便であったりするものがある。

 極めて不思議なHPの事例を上げましょう。多数のホテルを日本国内や海外に持つ大手ホテルZのHPで住所と電話番号を見たいと思ってアクセスしてみました。予約センターの電話番号が出てきました。ホテル名が出てきました。目的のホテル名を見つけました。そこで、そのホテルに電話しようと電話番号を引こうと思いましたが、目的のホテルの電話番号も直接予約するクリックボタンも見つかりません。このようなHPを、皆様どのように思いますか? お客サービスの企業なのに、目的のホテルの情報がネット上で直接取れないというのは、不思議なHPを作ったものだと思います。このHPの制作者と発注者は、お客様のアクセス動態を分析していないか、HPつくりで大枚を取る、かっこ良さばかりを追求する、HPの目的と機能を知らない高邁な制作者と企画者任せにしたことによる結果と思われます。

 このようなHPを導入しないように、導入目的を明確にし、誰に、何を伝え、アクセスした人に何を期待するのか、何を提供するのかを良く考えてHPを作り、導入しないと、事例に上げたような訳の分からないHPになってしまいます。

 HPを導入する時に気をつけることを挙げると、@どのような情報を提供するのか、A誰がHPをみてもらう対象なのか、BHP上で営業行為をするのかしないのか、CHP上で、HP提供者側にアクセスしてもらうのか・もらわないのか、アクセスしてもらうとすれば、どのような事柄や何を求めるか、D営業行為をし、お客様満足度を追求する積もりであれば、どのHPのページからもワンクリックで、目的(情報)に到達するように工夫する。

 5番目の項目は、特に大切な事柄です。不思議なHPでは、CとDの考察を忘れたものと推測できる。

 企業においてHPを生かすには、@提供内容を吟味し、アクセスの方向と提供方法を良く考える、A何れの場合においてもお客様本位であり、提供情報に簡単にアクセスできるようにすること、Bお客様の操作ボタンを明確にする、Cかっこ良さだけのHPは作らない。これ等を忘れたITのシステム(HP)は導入するべきではありません。(「観光とけいざい」第662号04年8月15日)


 |  連載5 |  HOME |
本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。
Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission.