連載 前川昌道・IT導入、成功と失敗の法則(11)
おきなわ観光情報研究会


実現したいことを正確に伝える(2)

前川昌道(アイスプランニング代表・観光情報学会)

 IT導入で成功するには、導入の目的、ビジネス・ビジネスモデルを明確にする、ビジネスと事業戦略が大切、多くの人に利用される工夫が必要、実践手段の選定を的確にする、入口と出口を加工すること、即ち、要件定義書の最も重要な基本的な部分のまとめ方、機能仕様書の考え方にについて話をしてきました。「まとめ」ができたら、次は、実現したいことを正確に表現(記述)し、相手に伝えることが大変重要になります。前回は正確に記述する方法を述べました。

 今回は、その続きとして正確に伝える手法として図を描くことをお勧めします。

 ITの導入を計画し実行に移そうとする場合、多くは、@自分で事業計画書を作り事業化や導入をシステム開発者に委託し推進する人、A自分の描いた事業計画をシステムの開発者やコンサルタントに伝え、委託業者に「まとめ」を依頼し具現化しようとする、の2通りの進め方に分かれるといえます。

 いずれの場合においても、発注する側の実現したいことを正確にシステム開発者やコンサルタントに伝えないと、計画している内容と異なるシステムや事業モデルが出来上がり、計画した通りの事業ができず失敗してしまいます。

 ITを導入して実現したい内容をまとめることは、専門的な用語では、目的や条件など必要な要件をまとめた「要件定義書」、要件定義した内容を実現するために各部の機能の要求内容をまとめた「機能仕様書」にまとめる必要があります。前記Aの他人にまとめを委託した場合でも、委託者にまとめを必ずしてもらい「要件定義書」と「機能仕様書」を作成してもらいます。このことは絶対に手を抜かないようにしましょう。必ず作成し、内容が事業化の計画通りになっているか、導入を予定している通りの内容になっているか精査し、確認します。自分でまとめた場合も同じになります。

 要件定義書とか機能仕様書というような専門用語を使うと難しいものと解釈され敬遠されてしま場合が多いのですが、そのような難しい用語から頭を切り替え、単純に事業でやりたい内容、実現したい内容をメモする程度に先ず考えてください。図を活用して正確に表現するよう心掛けましょう。

正確に伝える手法は…2

 @図を使うと物事の表現と伝達が正確になります…

 正確に相手に伝える手法は、図を使って説明することが良い方法と言えます。日本語の曖昧さの表現による差異の発生が防げます。また、図を使うと理解度が増し相手に意向が正確に伝わります。何事も図示して説明したり、考えたりする習慣をつけましょう。

 図を描いてゆくと、分かっている部分は図示が容易にできるが、考えが曖昧になっている部分は、図示することが困難になります。自分で計画した内容が良く詰まっているか、詰まっていないか検証する場合にも大変都合が良い手法といえます。

 企画書、要件をまとめる、事業内容を決める、などの場合にも常に図を作成し考察するようにします。図は多くを物語ってくれます。何回も眺めていると、思考の間違いや事業の詰め方の間違いや甘さなどが浮かび上がってきます。

 A図の使いこなし方…
 企画書や要件定義書など日本語で説明したり、説明書を作成する場合に、図を描き、図の説明をすると容易に作成することができるようになります。日本語で文章や説明書を考えるとなかなか記述ができないものですし、曖昧な表現になります。また、記述内容が抜けたりします。図を参照しながら作成作業をすれば、説明も容易になり抜けもなくなります。

 このように、ITの導入を成功に導くためには、図を描き、図を基に記述をするようにします。常日頃から図を描き物事を考え、まとめる習慣をつけることをお勧めします。図を駆使する能力を身につけると企画力向上、システム開発者の場合には技術力向上につながります。事業主は、事業が明確になり、事業戦略を明確にすることができ、マーケティング力向上、市場拡大につながります。(「観光とけいざい」第675号05年3月15日号)


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