連載 前川昌道・IT導入、成功と失敗の法則(12)
おきなわ観光情報研究会


実現したいことを正確に伝える(3)

前川昌道(アイスプランニング代表・観光情報学会)

 IT導入で成功するには、導入の目的、ビジネス・ビジネスモデルを明確にする、ビジネスと事業戦略が大切、多くの人に利用される工夫が必要、実践手段の選定を的確にする、入口と出口と加工すること、即ち、要件定義書の最も重要な基本的な部分のまとめ方、機能仕様書の考え方にについて話をしてきました。「まとめ」ができたら、再度、実現したいことを図に描いてまとめ、点検すること を勧めます。まとめたこと、実現したいこと、事業戦略、業務フローなど、記述した文や文章の内容を図に描いてみましょう。

何事も図に描こう…1

 物事を考えるときの基本として図を描くことをお勧めします。図を描くことによって、どのような効果が有るかといいますと、@まとめた中で考えたことの抜けが見えてきます、A図示することにより自分の考えを相手に正確に伝えることができるようになります、B文章表現の曖昧さを避けることができ、お互いの勘違いがなくなります、C事業戦略(業務など)のまとめが明確になります、主 にこの4つを上げることができます。

 @の抜けが見えてくるということは、先ず、図を描いてみると分かりますが、明確になっていないところや抜けのあるところは図が完結しなくなります。完結しないところが出てきたら、その部分を明確にしたり、抜けを補正し、完結させます。このようにして、不明確な部分、抜けを修正することができるようになります。

 Aの図示することにより相手に正確に伝えることができるということは、前回にも記述しましたが、文章は大変曖昧な表現になります。正確に物事を伝えたい時は、文章に加え、図示したものを持って相手に説明することにより曖昧さによる誤解を生じることが避けられます。例えば、簡単な例で、商品タグに商品名と値段を表示することを発注したとします。商品名を書いてください、字は値段 より小さめにして、値段は商品名より大きな字にしてくださいとオーダーしたとします。制作を引き受けた方は色々考え、デザイン能力を発揮して作成するでしょう。しかし、商品タグを貼る商品の大きさなどでサイズが決まります。また、字体も変わるでしょう。そのような場合に、商品タグの図を描き、サイズ、文字の大きさ、位置、文字の色と配色の指示などを記述すれば、自分の描いている 商品タグが出来上がるでしょう。文章だけの表現では、イメージもつかめないし、思うものができない可能性もあります。

 Bの場合もAと同じで、図で確認すれば勘違いは避けられます。

 Cは、図示することにより考えていることを点検できます。図に描いてみると、自身が求めているもの、やろうとしていることがイメージできるようになり、考え違いしているような場合には、その間違いに気付くようになります。また、周辺事情が見えてくるようになり、戦略が正しいかどうかの判断、方向性などを見極める事が容易になります。

 物事を考える時には、必ず図に描いて思考を巡らすように常日頃から心掛けましょう。

 IT導入の方策についても、その効果が何処にあるのかなどをチェックする時、市場が何処にあるのか、誰を対象にビジネスをするのかなどを、確認するにも図は役立つでしょう。常に、ビジュアルにして思考するという習慣をつけましょう。

 この手法は、どのような場合にも役立ちます。成功は図からと言えるかもしれません。(「観光とけいざい」第677号05年4月15日号)


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