連載 前川昌道・IT導入、成功と失敗の法則(13)
おきなわ観光情報学研究会


実現したいことを正確に伝える(4)

前川昌道(アイスプランニング代表・観光情報学会)

 導入の目的、ビジネス・ビジネスモデル、ビジネスと事業戦略、多くの人に利用される工夫、実践手段の選定を的確にする、入口と出口と加工することを決める…これらのことは、IT導入に当っての要件定義書という最も重要な基本的な部分になります。文章で表現すると同時に実現したいことを図に描いてまとめ、点検することを勧めます。図にすることで、実現しようとしていることが完璧に表現されているか、抜けが無いかが見えてきます。抜けがあれば、失敗の確立が高くなり、抜けが無ければ成功の確率が高くなります。

何事も図に描こう…2

 図を描きながら物事を考える習慣を身に付けることをお勧めします。図を描くツールはマイクロソフトで言えば、パワーポイントというソフトがこれに当てはまります。最近はマイクロソフトのオフィスというソフトを買うと、よく使うワードとエクセルに加えパワーポイントが同時に入ってくるようになりましたが、まだ、パワーポイントは別に買わなければならない場合もあります。 パワーポイントの操作は、ワード操作に加え図を描く便利な機能が付いたと考えれば簡単です。

 パワーポイントを使ってIT導入で失敗しない法則を考えてみましょう。図を参考にして話しを進めます。最初の動機は、IT導入に失敗しないために図を描いて考えようで、思考をスタートします。これまで話した内容を基にすると、基本計画書を作成することが始めなります。基本計画書と仰々しく考えると慣れない当初は、なかなか思考が進まないと思いますから、概要を考える程度 のことから始めると良いでしょう。概要をまとめている内に、詳細の内容が見えてきます。この詳細の思い付きを別にメモを残し、詳細内容の詰めに利用するようにします。これにより、概要がまとまり、それと同時に詳細内容の考えがまとまるようになります。基本計画書を作成する前に事業計画書を作成する場合もあります。新しい事業を始める場合や追加する場合には、事業計画書 を作り導入を検討することをお勧めします。

 基本計画書ができたら、この基本計画書を基に実施計画書を作成します。実施計画書では、基本計画書で決めた事項を具体的に実施する計画書に落とし込みます。ここでは、具体的なプロジェクトの内容を固めます。また、プロジェクトの実施方法を具体的に記述します。

 実施計画書に基づいて、IT導入の要件定義書を作成します。この要件定義書が外部にシステムを発注する場合の発注仕様書になります。要件定義書で発注する内容を明確にします。基本計画書と実施計画書に基づいて導入システムの要件(仕様・規格等)を固めます。

 図を描くことにより、@まとめなくてはならない内容が明確になります、Aやらなくてはならない作業の点検ができ、抜けがなくなります、B自分の考えが明確になります、C事業戦略(業務など)のまとめが明確になり、かつ、まとめ易くなります、D第三者に自分の考えを明確に伝えることができるようになります。

 物事を考える時、事業戦略を考える時には、パワーポイントなどのソフトを使って図に描いて考える習慣をつけましょう。IT導入で、その効果が何処にあるのか、考え方を間違っていないか、対象市場が何なのか、誰を対象にビジネスをするのかなどチェックしたり確認する場合に図は、大変役立つ手段となるでしょう。

 図を活用し思考する手法は、ビジネスには欠かせない手法と言えます。成功は図から、失敗は図を活用し点検する習慣を持たないからと言えるかもしれません。(「観光とけいざい」第678号05年5月合併号)


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