連載 前川昌道・IT導入、成功と失敗の法則(14)
おきなわ観光情報学研究会


実現したいことを正確に伝える(4)

前川昌道(アイスプランニング代表・観光情報学会)

■何事も図に描こう…3

 図を描くことによって、どのような効果が有るかといいますと、1)考えたことの欠点が見えるようになります。2)図により自分の考えを相手に正確に伝えることができるようになります。3)文章表現の曖昧さによる、お互いの勘違いがなくなります。4)事業戦略が明確になります。主にこの4つを挙げることができます。

 図を描きながら、ネットによる販売(電子商取引といいます)について具体的に考えましょう。先ず電子商取引(EC)を導入する目的を考えましょう。目的は『売上の拡大』に尽きると言えます。その他にも色々考える人が居るかと思いますが、簡潔明瞭にすることが一番大事で、究極は売上(販売高)の向上と言えます。

 次に、この事業を成功させるための要因は何かと考えると、ビジネスの基本は店舗販売の場合と全く同じで、1)お客様が店に訪問してくれること、要するに自分のECサイトに沢山の訪問者があること、2)訪問したお客様が買ってくれること、の2点が全てと言えます。ECの運営者が、今一番困っていることは、図中のECサイト運営における問題点に上げた、1)サイトの訪問者が少ない、2)成約率が低い、という2点に絞られます。この解決策に苦労しているのが現状です。

 図を描くことにより、目的と問題点が明確になりました。事業を成功させるためにはどうすれば良いかを考えなくてはなりません。3.に挙げた問題解決が成功の視点ということに成ります。

 成功の視点(成功するための方法・ポイントは何かを考える)として、1)訪問者の拡大方法に知恵を絞る、2)サイト訪問者の興味を引く商品の選定、これは成約率の拡大にも関係します。3)成約率を向上させる工夫、を挙げることができます。事業を成功させるためには、ここに挙げた諸問題を解決しなくてはなりません。解決方法は、事業の内容、販売する商品、取引形態、販売対象の年齢層・男女別、市場はどこか、誰を対象に販売するか、などにより異なりますので、事業を導入する業態や販売手法に合わせ検討し解決策を導き出す必要があります。ここで得られた解決策をECサイトを構築するシステムに反映させる必要があります。

 一般的には、この解決策を考慮しないまま(検討を忘れるか考えが及ばないまま)にシステムを構築し導入するために、事業に失敗する事例が多々あります。図を描くことにより、何を考えなくてはならないかが見えてくるようになり、導入に失敗する要因を取り除くこと、考え対策を行うことにより成功への確立が高まります。

 図に描いてみると、事業目的、やろうとしていることがイメージできるようになり、考え違いをしているような場合には、その間違いに気付くようになります。また、周辺事情が見えてくるようになり、戦略が正しいかどうか、導入方法が正しいかどうかの判断、方向性などを見極める事が容易になります。

 物事を考える時には、必ず図に描いて思考を巡らすように常日頃から心掛けましょう。IT導入の方策についても、その効果が何処にあるのかなどをチェックする時、市場が何処にあるのか、誰を対象にビジネスをするのかなどを、確認するにも図は役立つでしょう。常に、ビジュアルにして思考するという習慣をつけましょう。(「観光とけいざい」第680号05年6月15日号)


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