連載 前川昌道・IT導入、成功と失敗の法則(16)
おきなわ観光情報学研究会


実現したいことを正確に伝える(6)

前川昌道(アイスプランニング代表・観光情報学会)

■何事も図に描こう…5

 図を描きながら、ネットによる販売(電子商取引といいます)事業について具体的に考えましょう。前回は「電子商取引(EC)事業導入の視点」の第2回として、ECサイト運営の問題点、問題点の要因、問題解決のポイントなどを図に描いて検討しました。その結果は、ECサイトの構築で「訪問者が多く、成約率が高く、販売が拡大する」サイトをいかに構築するかが最も重要な要素と言える ことがわかりました。

 今回は、図に示すように「繁盛するECサイトの構築(3)」と題して、前回問題になった「サイト訪問者の拡大対策」と「成約率の向上対策」の主要ポイントについて検討します。ECサイト訪問者の拡大対策は、@ネットワーク上に数百万以上あるWEBサイト(ホームページ:HPと称します)の中から、自社のHPを訪問してもらう工夫が必要となります、Aこの関連において、自社のHPの ヒット率を向上しヒット率拡大の工夫をします、Bサイト訪問のレピーターを増やすために差別化したサイトつくりを工夫します。

 次の問題点として成約率の向上、即ち、売上拡大の対策になりますが、@販売する商品を理解してもらうために商品に関する情報を充実させる必要があります、A訪問者が買ってみようかと思うような商品を展示する必要があります、B購買意欲をそそるようなサイト・デザインをする必要があります、Cレピーターを増やす工夫が必要です。レピーターが増えることは販売商品やサイトが評価 されたことの表れになります。ここに上げた諸点が問題解決の主要ポイントになります。この諸問題について、解決策なり対策を企画段階で十分配慮してECサイトの構築をしなければなりません。

 企画案がまとまったら、サイトに来てもらうお客様の顔を想像しながら、再度、サイト構築企画について、@販売商品は競争力があるか、特徴があるか、A購入してもらうお客様を満足させる商品か、B訪問者を満足させる情報を提供しているか、Cサイト内で目的情報・目的商品に容易にアクセスできるか、D簡単に買い物できる構造になっているか、の諸点をチェックします。

 この場合お客様の顔を想像、即ち、買ってもらえるかどうか自分がお客様になった気持ちでチェックすることが重要です。これらの諸点について満足が得られれば、HP制作に入ります。沖縄でA社という健康食品を製造し販売する会社のHPについて、コンサルテーションしたことがありますが、HPを初めて導入した会社で、HPの制作をある制作会社に依頼し構築していました。会社の専務 とHP担当者が一様に、訪問者が無く、全く売れませんと嘆かれていました。

 問題点は、前に述べた、販売拡大対策や成約率の向上対策は、HPの構築に全く配慮されておらず、ただ単に、商品を並べネット上で販売できるようにしただけのサイトで、これでは、売れるわけがありません。販売をする人は、ネット販売とはいえ、通常の店舗販売と同じで、他人任せにせず自分で経営戦略と販売戦略の企画を立て、企画とどのように売るかを熟慮し、その結果を、HPの制作 者に理解させ、HPに反映させるようにアドバイスしました。

 IT導入やシステム導入において問題があれば、その問題を事前に図を描き企画書の中で検討の上解決し、問題を含まないシステムに配慮してから開発し、導入するよう心掛けましょう。これがIT導入で成功する秘訣です。物事を考える時には、必ず図に描いて思考を巡らすよう習慣付けしましょう。 (「観光とけいざい」第684号05年8月15日号)


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