連載 前川昌道・IT導入、成功と失敗の法則(17)
おきなわ観光情報学研究会


実現したいことを正確に伝える(7)

前川昌道(アイスプランニング代表・観光情報学会)

■何事も図に描こう…6

 図を描きながら、ネット販売(電子商取引といいます)事業の導入について具体的に検討を進めてきましたが、今回で4回目になります。前回は「電子商取引(EC)事業導入の視点」の第3回として、ECサイト運営の課題、問題解決策の検討、成約率向上のポイント、サイト構築のチェックポイントなどを図に描いて検討しました。訪問者・売上拡大の要因について、サイト構築のチェックポイントとして、@販売商品の競争力・特徴があるか、A購入者を満足させる商品か、B訪問者を満足させる情報を提供 しているか、C目的情報・目的商品に容易にアクセスできるか、を挙げました。ECサイトを構築する上で最も重要なチェックポイントです。

 今回は、図に示すように「EC取引事業の視点(4)」と題して、前回問題になった「サイト構築のチェックポイント」を、繁盛するECサイト構築の視点で重要な要因である、お客様本位のサイトつくりについて、図を描きながら検討します。ECサイトの導入を検討する段階で、ITの手法とシステムつくりに目が向き、お客様の顔を想定することを忘れがちになります。繁盛するECサイトを導入するには、システムよりお客様本位で考え、システムの構築を行うことが重要です。多くのECサイトでは、お客様を 忘れ、システム構築のエンジニアやシステム開発会社(SI会社)任せにしてしまっている場合が見受けられます。この主たる要因は、ECシステムを導入する事業者や経営者がIT手法やEC構築手法から無縁と考えSI会社やエンジニアに任せてしまうケースからといえます。これは、大きな間違いで、繁盛するECサイトは他人任せでは出来ません。ビジネスを主催する経営者本人がお客様を想定し、どのような商品の販売を誰を対象にするのか、ビジネスプランを作成しなければなりません。

 沖縄の中小企業の導入している多くのECサイトは、システム会社任せのサイトを造り、経営者の心が伝わらないECショップができています。これでは、繁盛するECサイトができるはずがありません。繁盛するECサイトの構築には「お客様の顔を想像」し、@サイト訪問者を大切にする、Aお客様の要望・ニーズを知るよう心掛け、システム構築に反映させなければなりません。インターネットだからといって特別な手法は無く、普通の繁盛するショップつくりと全く同じビジネス感覚が必要です。ECで成功 するには、お客様を大切にする仕組み、お客様とのコミュニケーションを大切にするサイト運営とこれを容易に実現するIT手法を導入したECサイトを構築します。次に、大切なことは、お客様の要望・ニーズを知り、お客様の欲しているものを提供するよう心掛ける必要があります。@どのようなお客様が来て欲しいか、Aお客様の欲しいものを提供することができているか、Bお客様はサイトを訪問して満足していただけるか、を想定して導入システムや運営に考慮する必要があります。

 成功のポイントは、お客様を満足させレピーターになってもらえるよう工夫する、お客様のニーズを知り、そのニーズに応えることといえます。お客様のニーズを知り、ニーズに適う商品や情報の提供ができれば、勝ちを掴むことができECサイトの繁盛は間違いありません。客を知らずにビジネスは成功しません。沖縄の中小企業の多くのサイトをお客本位の視点で検証してみてください。70%以上のサイトは、不満足の評価になると言えます。

 中小企業では、自社で扱う商品が限定されていて、多くの商品を扱えない場合でも、ECサイトの経営方針や運営方針は変わりません。このような場合には、商品の情報を的確に発信し、訪問者に好感を持ってもらうよう配慮しましょう。商品が変わらないからといってサイトの情報発信は古いままに放置しないよう、運営には気を配る必要があります。サイト訪問者は、常に新しい情報を求めています。情報発信が容易に、かつ、情報更新が簡単にできるシステムを導入する必要があります。

 常に、お客様の顔を想像し、お客様本位で運営できるシステムを導入するよう心掛けましょう。このようなシステムを導入することが出来れば繁盛するECサイトを構築できます。この要点を図に描きながらチェックする、これが成功への道です。物事を考える時には、必ず図に描いて思考を巡らすよう習慣付けしましょう。 (「観光とけいざい」第686号05年9月15日号)


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