連載 前川昌道・IT導入、成功と失敗の法則(43)
おきなわ観光情報学研究会


画期的! インターネットでハイビジョンが見られる(4)

前川昌道(アイスプランニング代表・おきなわ観光情報学研究会)

■CD‐ROMに映画2本が収録できる

 前々号から画期的な画像伝送技術を紹介している。この技術によれば、1.5Mbps速度のインターネット回線でハイビジョン画像が見られ、128Kbpsの回線で普通のテレビ放送画像の品質でテレビが見られる。これは、画期的な圧縮技術によるもので、この圧縮技術はデータ容量の極めて多いレントゲン画像を蓄積、遠隔地に伝送して読影診断を行うことを可能にする。現在の圧縮技術では10分の1の圧縮がせいぜいのところで、画像を戻したときの現画像の再現性が劣る。このため圧縮した画像を利用した読影診断は誤診を招くことになり使用できない。

 ここに紹介する圧縮技術の優れたところは1000分の一に圧縮しても画像の再現性が極めてよく、圧縮し遠隔地に伝送した画像でも診断に利用できることである。

画期的な圧縮技術

 ハイビジョン画像を送ろうとすると、従来、伝送路(回線)の幅は最低でも15Mbpsから25Mbpsが必要だった。この回線の幅より10分の1の回線幅(専門用語で帯域幅と呼ぶ)1.5Mbpsでハイビジョン画像が伝送できてしまうのである。このように小さい帯域幅で送れるということは、ハイビジョンの画像を桁外れに圧縮、データ量を小さくして、細い回線幅でも楽に送れるようにすることである。

 一般的に使われている圧縮技術は、差分圧縮といい、前に続いた信号に続く後の信号に変化がある場合に、その変化分をデジタル信号に変換し送る方式である。

 例えば、前の信号が黒で次の信号も黒とすると、変化がないので変化なしとして信号を送る。受け側ではこの信号を受けて画像を再現するのである。このとき差分しか送らないので、伝送した信号を再現するときに元画像のデータが不足するので、圧縮時のデータ変換にも限界がある。したがって、画像を再現するときに、再現には限界がでる。

 しかし、ここで紹介している新たな圧縮技術では、高圧縮にしても再現性が高く画像がきれいに戻る。すなわち、ハイビジョン放送信号を高圧縮で画像を圧縮し、小さい回線幅の回線を使って送っても、受け側ではきれいな画像で再現できる。ハイビジョン画像信号を高圧縮して、普通のインターネット回線でハイビジョンの画像を送ることが可能になる。

 この画期的な画像圧縮技術の基本的な考え方は、1枚のフィルムで撮影した画像をそのまま圧縮して再現することと同じで、一枚一枚を圧縮して再現するものだ。一般的に現在行われている、一枚の画像と次の一枚の画像の差分を送る方式とまったく異なる。一枚一枚圧縮して戻す圧縮方式の再現性が高いことを利用したものである。

 動画像は、映画のフィルムでも同じであるが、一枚一枚の少しずつ変化する画像を、映画の場合には1秒間に24コマ送り、テレビの場合には30コマを送って動画が見えるようにしている。

高圧縮だから楽々画面が動く、これは驚き!

 扱う画像のデータ容量が極めて小さくなるので、再生時のCPU(コンピューター・チップ)の負担が軽くてすむ。DVD画質の1画面を動かしても、せいぜいCPUの負荷が6〜8%と極めて低く、1G前後のCPUのパソコンでもDVD画面が楽々動く。もっと驚くことは、DVD画像を6画面同時に動かしても、楽々6画面全部きれいに見ることができる。普通には結構ハイスペックのパソコンでも2つか3画面が精一杯でスタックして動かなくなる。

 DVD画面は、現在1枚のDVD(4.7G)の円盤に2時間録画ができるが、この圧縮技術では、普通のCD-ROM(720M)に2時間のDVD動画が2本分入ってしまう。この画期的な画像圧縮技術を扱うことによって先進的ないろいろのビジネスを考案することができ、市場を席巻できるビジネスができる可能性が多い。

画期的なホームページのビジネスができる

 前に述べたように、高画質の動画像を多数同時に1画面で動かすことができるので、ホームページ(HP)の作り方が大きく変化する。情報を楽しく、分かりやすく伝えるには、動画像を上手に利用することである。ここで紹介した画像圧縮技術を導入すると、HPに多数の動画を一度に表示することができるので、情報の表現力とアピール力が格段に高まる。  また、データ量が小さいため、クリックしてから画像が現れるまで、一瞬である。現在のHPでの動画像を動かすためにはダウンロードに時間がかかり、結構待たされ、見るのがいやになる。この技術を利用するとクリックして直ぐに動画像が見られる。見る人を待たせない動画像のホームページができる。HPを活用した通販の売り上げアップに、タイムサービスの情報提供に…応用は多々ある。

 以上のようにここで紹介する画像圧縮技術は画期的なもので、現在多くの興味ある企業から多数引き合いが来ている。テレビ局のプロの技術者も日本にこのような技術があったのかと驚いている次第だ。残念ながら沖縄の企業の反応はきわめて薄い。先進的なビジネスの情報には、もっと積極的にアプローチし、ビジネスを拡大する感覚が必要であろう。

 問い合わせは前川まで。maekawa@sky.tnc.ne.jp

(「観光とけいざい」第737号08年1月15日号)


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