連載 Tourism Informatics (TI) の試み(1)
おきなわ観光情報研究会


情報工学から観光を研究

遠藤聡志(琉球大学工学部助教授)

 2002年8月1日(観光の日)、おきなわ観光情報研究会の第1回会合を行った。大学、旅行業、沖縄県などから、20余名の参加を得て観光と情報に関する討議がなされた。その後、数度の幹事会等を経て、03年度から、隔月1度のペースで研究会を実施している。本紙上で活動内容や観光に寄与する情報 技術などを適宜紹介していく予定である。観光に実際に携わる方々と研究分野で活動している方々が問題意識をひとつにし、あたらしい技術開発および活用のきっかけになればと期待してい る。

 本活動は、私の大学時代の恩師、北海道大学・大内東教授の呼びかけによる。大内教授によれば観光産業は、『観光者、観光業者、行政および地域の観光資源からなる複雑系であり、これらを連携するものが“情報”である。』と定義される。すなわち、行政は観光者の動態情報を、事業者は観光者の嗜好情報を、観光者は観光地の観光資源利用情報をそれぞれ必要としている。

 これら観光にまつわる情報をIT技術といわれる方法を駆使して、収集・配信・利用するための技術開発、基盤整備が必要不可欠であり、これらを支える学問領域が“Tourism Informatics” 、ITならぬTIである。

 研究課題を列挙すると次の通り。

・観光者のための観光資源利用情報提供技術…Webマイニング、地理情報システム(GIS)、携帯端末、気象予測

・観光者の動態情報データベース構築技術…ICカード、位置情報システム(GPS)、データベース、セキュリティ、グループウェア

・観光戦略構築技術…データマイニング、ベイジアンネット、協調フィルタリング、サプライチェーンマネージメント

・観光資源情報整備技術…歴史・文化・芸能のデジタルデータ化、VR、Robotics

・観光インフラ整備技術…最適化、マルチエージェントシミュレーション、観光コールセンタ

・観光従事者育成技術…Web Based Training

 等。(「観光とけいざい」03年6月15日)


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