連載 Tourism Informatics (TI) の試み(4)
おきなわ観光情報研究会


雨ニモ負ケズ、台風ニモ負ケナイ観光地

玉城史郎(琉球大学工学部教授)

 待ちに待った夏休み。今年の夏こそ、常夏アイランド沖縄へ! と、日本中の学生、社会人のみなさんは一度ならず計画するでしょう。さて、いよいよ明日出発です。しかし、沖縄付近に台風が接近しています。でも、平気、平気、私が沖縄へ旅行している間は、台風もよけて通ってくれるでしょう、と甘い考えで沖縄へ到着すると案の定、大雨、強風、台風です。

 このような時、観光客はホテルに閉じこもっているしかないのでしょうか。また、観光客を受け入れサービスを提供する方々はどのような対応をすればよいでしょうか。その対処法として考えられる第一の方策は、2週間前までに沖縄諸島の天候、特に、台風が来ないかどうかを予測することです。なぜ、2週間前かといいますと、そのときまでにキャンセルすると手数料がかからないからです。

 しかし、2週間前に台風の襲来を予測することは非常に困難なことで、近年は、地球の気候変動に伴い、宮古島近海で発生した台風が2日で成長し本島周辺を3日間もうろうろしていた例もあります(01年9月台風16号)。ですから、この案はとりあえず不採用ですね。

 では、台風が来ても積極的に、『観光客さん、どんどんいらっしゃい』という場所を以下にあげて、そして、その施設についての改善点を考えました。

1)国立美ら海水族館

 ぜひ、朝の早い時間からよる遅い時間まで開館していただき、できるなら、水族館の中でお魚さんと戯れることができるようにする(これは、私の娘が出したアイディアです)。

2)公設市場24時間営業

 台風のときこそ、近海のお魚さん、豚さん、牛さん等、沖縄名物をオンパレードで陳列し、威勢よく商いを行う。そして、観光客はゆっくり、魚、豚、牛等々のウインドショッピングを楽しみ、購入した素材を調理してもらい、ゆっくり食事をしながら台風が過ぎ行くのを待つ。しかし、ただ、待つのは退屈だから、食事をしながら地元の島歌やジャズやサルサ専用のステージを鑑賞できるスペースがあったらいいですね。

 以上のアイデアは、輸送手段や、スペースの問題、また、公設市場の食材の流通の問題等、様々な問題を抱えていますが、台風時の沖縄観光を皆さん考えようということで、『雨ニモ負ケズ、台風ニモ負ケナイ観光地沖縄』を描いてみました。

 たまき・しろう 昭和54年琉球大学卒業後、徳島大学大学院、大阪大学大学院を経て大阪大学助手、岡山理科大学講師を歴任。関西文化にどっぷりつかる。平成元年に沖縄に戻り、琉球大学に勤務。学生時代県内超一流ホテル・レストランでのアルバイト経験あり(沖縄観光第一期黄金時代を目の当たりにする)。奥さんは函館出身であるため、北海道には造詣が深い。最近、ITを基盤とした環境、自然エネルギー、農業に興味を持つ。(「観光とけいざい」03年9月15日)


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