連載 Tourism Informatics (TI) の試み(5)
おきなわ観光情報研究会


GISと観光(1)ITによって高度化された観光地図

名嘉村盛和(琉球大学工学部情報工学科・助教授)

 地理情報システム(GIS)は、デジタル化された基盤地図上に位置属性を持つ情報(空間情報という)をのせて管理し、空間情報に基づく様々な情報処理を可能にするシステムのことである。GISの応用は多岐に渡るが、観光はその中でも最も有効な分野であると考えられている。実際、観光における地図は観光スポットの場所を特定し辿り着くためになくてはならないものである。ITによって高度化された観光地図、すなわち観光GISが、さらに使いやすい観光案内になるのは容易に想像でき る。

 さて、冒頭のGISの定義に従って、観光GIS の機能を検討してみよう。デジタル化された地図には、道路、建物等の地物が表現されている。紙の地図と異なり、マウスのポインタを重ねると地物の名称等属性情報が表示される。また、ページめくりは継ぎ目を意識させないシームレスであり、地図を拡大すると建物の形状もより詳細に表現される。観光GISでは、このようなデジタル化された地図上に観光スポットが登録されている。あるエリアの観光スポットを全て地図上に表示させる機能 は当然であるが、空間検索機能が利用できる。例えば、「移動時間1時間以内」として検索すると、現在地から一時間以内で移動できる観光スポットが地図上に表示される。あるいは検索ウインドウで直接「玉泉洞」と入力すると玉泉洞が位置するエリアの地図が表示され玉泉洞の位置が赤く点滅する。当然地図上の観光スポットをクリックすると写真付きの観光情報が表示され、経路情報なるボタンをクリックすると、現在地から目的地までの経路案内が表示される。

 今回は基本的な機能を述べるにとどめておくが実際にはより高度な機能の実装が可能である。観光シソーラス検索、GPS及び携帯端末(電話)との連携、観光コールセンター機能、観光プランニング機能等々。観光GIS関連は合計3回の連載となる予定である。後の2回では、より高度な機能について紹介していく。(「観光とけいざい」第647号03年12月合併号)


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