連載 Tourism Informatics (TI) の試み(8)
おきなわ観光情報研究会


GISと観光(2)ITによって高度化された観光地図

松田善臣(琉球大学大学院理工学研究科総合知能工学専攻・博士課程2年)

 21時発の帰りの飛行機までには時間がある。初めて訪れた沖縄。せっかくだから帰りの時間まで思う存分沖縄を満喫したい…。

 さて、太郎さんがこの限られた時間の中で満足した観光をするためにはどこに行けばいいのだろうか? また、どの順番で観光地を訪れれば最も効率良く観光することができるだろうか?

 こういった問いに答えるべく筆者らの研究グループでは「最適観光経路問題」という問題を定義し、その解法について研究を行っている。最適観光経路問題の詳細な定義については省略するが、簡単に言うと「各観光地にそれぞれ価値が与えられていると仮定し、出発地、最終目的地とそこへの到着時刻を指定したとき、出発地から最終目的地までに至る経路のうち、指定された到着時刻に間に合い、かつ途中で訪問する観光地から得られる満足度の和が最大となる経路を求める問題」と言える。

 この問題を地理情報システム(GIS)と連携させ、実際の地図データを用いて経路を求めることで、太郎さんのように現地のことには詳しくない人でも、限られた時間の中で最大の満足度が得られる観光経路を簡単に得ることができると考えている。

 ただし、この問題には解決しなければならない課題がいくつか残されている。その一つとしては、観光地への価値の与え方である。同じ観光地だとしても人によってその観光地に対する価値(魅力度)は違ってくる。それをどのように計れば良いのか?

 この問いに対する研究はすでに他の研究者らによって行われているが、まだ検討の余地が残されている。こういった課題を一つ一つ解決し、将来的には、あらゆる人に対してベストな観光経路を自動的に生成できるシステムを構築したい。このシステムにより観光客の満足度も向上し、リピーターが増えることを期待しながら。(「観光とけいざい」第649号04年1月15日号)


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