連載 Tourism Informatics (TI) の試み(9)
おきなわ観光情報研究会


GISと観光(3)GISにおける地理情報シソーラスを用いたキーワード検索

姜 東植(琉球大学工学部情報工学科 助手)

 観光旅行の情報を取り扱うGISとして私達がよく目にするのは、インターネット上で目的地の検索をする時でしょう。また、検索する際には、まず始めにキーワードにて検索をすることだと思います。

 例えば、「ザ・ナハテラス」の場所を調べようとしてキーワード入力欄に「ホテル」と入力すると、名前に「ホテル」が含まれたものは一覧として出てきます。ところが、肝心の「ザ・ナハテラス」は出てこないなど、検索者(ユーザ)が観光地や宿泊場所をキーワード検索で探そうとしても結果が得られない場合があります。このようなことが起きるのは、GIS側で持っている地図の情報が「ザ・ナハテラスはホテルの中の一つですよ」という関係をつけていないためであると考えられます。同じような事は観光地などにもあてはまる事です。

 では、どうすればこの問題を解決できるのでしょうか?

 この場合、ある用語に対して、その用語に関係する用語を網羅したリスト集を準備してあげればよいのではないでしょうか。そのリスト集がシソーラス(thesaurus)と呼ばれるものです。シソーラスという言葉の語源はギリシャ語で、「宝庫」または「宝典」を意味しています。最初に用語のリストの名称として使われたのは1852年に、ピーター・マーク・ロジェ(Peter Mark Roget)によって作られた“Thesaurus of EnglishWords and Phrases”であります。

 地理情報に特化したシソーラスの例を、「ホテル」を使い、見てみましょう。「ホテル」は宿泊する場所の一つですね。つまり「ホテル」と「宿泊」には用語として関係があると考えられます。またホテルとそのホテルの名称も関係があるでしょう。

 このような関係リストをGISに実装すると、キーワード検索で「ホテル」と入力した場合に、「宿泊」や「ザ・ナハテラス」などの関連する用語がリストとして出力されます。この関連リストを見ることで、検索している人は「ホテル」から「ザ・ナハテラス」を探すことができます。また「ホテル」から「宿泊」を辿り、他の宿泊施設を探すこともできます。

 この「語のネットワーク」であるシソーラスを使うことで、さらにキーワード検索が行いやすい環境を構築することができます。(「観光とけいざい」第651号04年2月15日号)


 |  連載10 |  HOME |
本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。
Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission.