連載 Tourism Informatics (TI) の試み(14)
おきなわ観光情報研究会


WeblogとGISによる新しい観光インフラ
〜2004年度人工知能学会全国大会から〜

遠藤聡志(琉球大学工学部教授)

 前回、山田先生に人工知能学会全国大会における観光情報学の研究トピックスを紹介していただいた。今回は、やはり人工知能学会においてデモンストレーションが行われた、『場log』システムについて紹介する。

 Web環境がより身近になった昨今、個人が自身の日記的なページを日々更新、蓄積して情報発信するケースが数多くみられる。このような活動を支援するツールとしてWeblog(ウェブログ)(最近はblog(ブログ)が一般的なようである)システムがある。

 これまでのいわゆるホームページとの違いはトラックバック機能である。これは、相手のblog(ページ、記事)から自分のblogへのリンクを張るための、すなわちこれまでのリンクとは逆向きのリンク構造を構築することを可能にする機能である。共通のテーマをもつコミュニティが自然発生的に広がる可能性を秘めている。この性質は、googleのページランクで高い得点を得やすく、結果、Search Engine Optimization(SEO)対策を行ったページの如く、検索時にそのサイトが上位に表示されるという副次的なメリットもあるようである。近鉄バッファローズ買収に手を挙げて近頃話題の、livedoor(http://blog.livedoor.com/blog.html)でもblogサービスを行っている。

 さて、本題の『場log』は、横浜国立大学の上松大輝氏らによって開発が行われている、位置情報(あるいはGIS)を利用した形のblogシステムである(http://www.balog.jp)。情報が存在する場所と時間に着目し、多数のユーザが提供する情報を地図の上に再構成し提供する。

 典型 的な利用法は、

 (1)情報発信側のユーザはGPS携帯等でとった写真を位置情報を付加してweblogサーバ(DB)へ送る。

 (2)情報利用側のユーザ は、地図上に適切に配置・整理された写真情報を閲覧する。

 である。

 例えば、ホテル、観光施設など観光要所にシステムの情報端末を配置し、観光事業者が自らのリアルタイムな情報を常に提供する。観光者は、システムを利用して行く先々で次の行動をスムースに選択することが出来る。新たな観光情報インフラの可能性があると考える。我々の研究会メンバーには、GISシステムの開発普及を熱心に行っている(株)J-時空間研究所、中井智治氏、GPSカメラ付携帯で現場情報をリアルタイム収集するシステムを開発した(株)ジャスミンソフト、贄良則氏など、このあたりの研究開発を行う基礎力があるのだが。(「観光とけいざい」第660号04年7月15日)


 |  連載15 |  HOME |
本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。
Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission.