連載 Tourism Informatics (TI) の試み(17)
おきなわ観光情報学研究会


データの尺度に4分類

岡崎威生(琉球大学工学部講師)

 これまで、データ収集や解析手法についてのトピックを取り上げてきたが、今回は解析ツールについて述べることとする。具体的には収集したデータに対し適切な解析手法に則って計算する手段を意味する。計算の中身は、四則演算、行列演算、数学関数の適用が殆どである。従って、場合によってはツールを利用するまでもなく電卓で十分なこともあるが、有効桁数や丸め誤差などの計算精度について注意することが肝要である。

 計算手段は次の3種類に分類できる。

1.計算機言語(CやJavaなど)による専用プログラムの作成・実行

2.表計算ソフトウェア(Excelなど)の利用

3.解析ソフトウェアの利用

 新しい解析手法の開発やシステム開発などが目的の場合は、計算機言語による専用プログラムを作成することが多い。しかしプログラミング技術や前述の計算精度に精通する必要があり、一般的とはいえないであろう。多くの場合、表計算ソフトウェア特にExcelが利用されているようである。これは多くの関数が準備されており、一般的な解析(一般統計量の計算や回帰など)は容易に実行できる。さらにグラフ出力も容易であることが理由であろう。

 しかし関数のオンラインヘルプには正確でないものや曖昧なものがあり、適切な関数を選択できないと結果の信頼性が失われることに留意すべきである。解析ソフトウェアは、その殆どが商用であり決して安価ではない。

 代表的なものとして"SAS"や"SPSS"があげられる。各種解析手法が準備されており、その出力も精細に選択可能である。一般的な解析から専門的な解析まで幅広く対応している。これらと異なる方向性を持ったものに"S"があげられる。"S"はしばしば"S言語"と呼ばれ一種の環境を提供している。それは、計算機言語的な機能を含んでいるためである。最近この"S"と同等な機能を持ち、かつオープンソースとして開発された"R"が注目されているので紹介したい。(http://cran.r-project.org/) LinuxやWindows、MacOSなど各種プラットフォーム上で動作し、解析手法も随時更新されている。

 高品位のグラフィックスを容易に作成できる。Linux版とWindows版では日本語対応もされ、今後利用が広がるものと期待されている。(「観光とけいざい」第666号04年10月15日)


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