連載 Tourism Informatics (TI) の試み(21)
おきなわ観光情報学研究会


オンデマンド観光経路計画支援システム及び観光ナビゲーションシステム

名嘉村盛和(琉球大学工学部情報工学科助教授)

 個人あるいは小グループ旅行者を対象としたオンデマンド観光経路計画支援システム及び観光ナビゲーションシステムの構築を行っている。オンデマンド観光経路計画支援システムでは、旅行者の現在地、これまでの経路、最終目的地(空港、ホテル)への到着時刻制約等、様々な制約条件を管理しながら、個々の旅行者のための観光経路計画をたてる。また、観光ナビゲーションシステムは、旅行者が計画通りに観光旅行ができるようにナビゲーションサービスを行う。

 例えば、那覇市内のあるホテルにいる旅行者がオンデマンド観光経路計画支援システムにアクセスし、現在地、帰路の飛行機の出発時刻等を登録した後、観光経路計画サービスを要求する。その際システムは、到着時刻等種々の制約条件を考慮しながら旅行者の満足度ができるだけ高くなるような観光経路を計算する。この計算は計算科学的には非常に難しい問題であるが、効率良く計算する方法が研究されている(本紙平成16年12月号の松田氏の記事参照)。本システムは幾つかの旅行計画の候補を計算する事ができるので、旅行者はシステムが提示した複数の観光経路の中から一つを選ぶことになる。

 観光旅行が始まるとシステムは定期的に旅行者の位置情報を取得し、計画の実施状況を管理する事になる。管理の役割を担うのが観光ナビゲーションシステムである。例えば、ある観光地で予定滞在時間が過ぎようとすると、観光ナビゲーションシステムは、旅行者に対して「そろそろ移動する時刻ですよ。」という観光ナビゲーション情報を送信する。あるいは、滞在時間を計画よりも延長したり、移動時間が予定より長引いた場合に、当初の観光計画を実行するのが困難であると判断したら、これまでの履歴、現在地、その他の制約を考慮の上、再度観光経路計画を実行する。これにより個々の旅行者の状況に応じた臨機応変な対応が可能となる。

 今回開発しているオンデマンド観光経路計画支援システムと観光ナビゲーションシステムとも、基本データとして、道路ネットワーク等を含む地理情報及び観光スポット情報が必要である。これらのデータは外部と連携、拡張性等が重要であるので、XML形式を採用している。特に観光スポット情報は様々な端末からリアルタイムで更新される必要があるので、XML形式は有用である。また旅行者が利用する端末は 観光に特化した機器を採用するのではなく、広く出回っているGPS付き携帯電話を想定している。以上、琉球大学工学部情報工学科で開発中のシステムを紹介した。(「観光とけいざい」第673号05年2月15日号)


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