連載 Tourism Informatics (TI) の試み(25)
おきなわ観光情報学研究会


キーワードの需要と供給を指数化

遠藤聡志(琉球大学工学部情報工学科・教授)

 観光情報学会全国大会は観光業界から多数のご参加、ご協力を得て無事に終わりました。関係各位に、この場を借りて御礼申し上げます。本紙を初め、県内メディアでも大きく取り上げられました。今後いっそう、活動に力を入れて参りたいと思います。

 大会については特集が組まれ詳しく紹介していただきましたので今回は別の話をしたいと思います。

 最近「クールビズ」ということばを各メディアで耳にします。夏の軽装の意味で「クール」と「ビジネス→ビズ」を合わせた造語だそうです。具体的な商品として沖縄のかりゆしウェアに注目が集まっています。では、どのくらい注目されていて、それに関してどの程度の情報発信がなされているのか? 従来このような需要供給の市場調査を行うには、時間とコストがかかっていたわけですが、幾つかのwebページが提供しているサービスを使うときわめて簡単に、その傾向がつかめます。すなわち、需要=そ のキーワードによる検索の回数、供給=そのキーワードの情報を提供するwebページの数と考えれば、各々の情報は次のwebページで調べることが出来ます。

 月間検索回数(オーバチュアキーワードアドバイスツール)

http://inventory.jp.overture.com/d/searchinventory/suggestion/

 提供ページ数(googleのヒット数)

http://www.google.co.jp/

 これらを使ったキーワード有効指数というのが提案されていて、

  キーワード有効指数KEI

       =検索回数の2乗×1000/競合数(=ヒット数)

 この指数が高いキーワードほど、要求があるが情報提供がなされていないものであるということで、検索エンジン最適化に使われています(参考文献「超・マーケティング」金森重樹(ダイヤモンド社))。

 そこで、「かりゆしウェア」について、月間検索回数、googleヒット数、キーワード有効指数KEIを調べてみました。


月間検索回数 googleヒット数 KEI
かりゆしウェア&販売 59 9,080 383
アロハシャツ&販売 123 47,800 317
泡盛&販売 81 161,000 41
ゴーヤ茶&販売 87 83,600 91
リゾートウェディング&沖縄 272 6,960 10,630

 また比較対象としてのアロハシャツ、泡盛、ゴーヤ茶(ゴーヤより検索回数が多い!)、昨年の沖縄観光キャンペーンキーワードのリゾートウェディングを調べてみました。ただし、リゾートウェディング以外は購買に関連するものに限定するため「販売」キーワードとのand検索を行いました。

 かりゆしウェアは、アロハに比べて需要(検索回数)も低いですが、情報提供も少ないためweb上でのキーワードの価値はアロハより幾分高いという結果になりました。他の土産品である泡盛やゴーヤ茶もかりゆしウェアよりも高い検索回数がありますが、既にweb上で多くの情報が提供されておりKEIの値はずいぶん低いという状況がみてとれます。リゾートウェディング&沖縄は、キャンペーンでキーワードの浸透があり検索要求が多いですが、webからの情報発信は少ないという状況のようです。じつは、 観光情報学会全国大会用にかりゆしウェアを一着購入しようとおもいwebを検索していて、あまり充実していないという感想を持ったのですが、その印象によく合う結果でした。

 全国大会では、観光客の個人消費額が話題なりました。こういった種類のデータを継続的に収集することも問題解決の糸口になるかもしれません。 (「観光とけいざい」第680号05年6月15日号)


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