連載 Tourism Informatics (TI) の試み(30)
おきなわ観光情報学研究会


観光情報Webサイト評価システムのための利用者目的の表現のアイデア

高志武綾(琉球大学大学院理工学研究科情報工学専攻修士課程2年)

 観光情報Webサイトは多種多様に存在するため、利用者は欲しい情報を満足に得ることができない現状がある。これは、どういった内容を発信すれば利用者を満足できるかを判断できないためである。各Webサイトに対する利用者の目的ごとの価値を評価し、その評価値を客観的な判断規準とする必要があると考えられる。

 しかし、利用者目的は、多様性と複雑性から評価法に組み入れにくいとされている。そこで、利用者目的を網羅的な表現を実現するために、人間の欲求構造に注目した。

 心理学分野の研究により、人間欲求の体系化が既になされている。以下にその適用を示す。

 Maslow,A.(1954)は、欲求には階層構造が存在し、最低次欲求(生理的欲求)から最高次欲求(自己実現欲求)へと図1のように下から順に階層を形成しているとした。これは欲求階層説と呼ばれ、欲求理論の始祖となっている。

 Maslowの欲求階層説をもとに、Pearce,P.L.(1988)は、旅行行動も経験を積むにつれて、人々が充足を求める欲求は図2が示すように上昇するとした。つまり、旅行者の行動は、旅行に関するキャリア・レベルのどれかに該当すると考えられ、旅行経験の特定レベルに達する前に、それより低いレベルの行動をしているという、積み上げの順序が考えられる。

 Maslow,Pearceが示した欲求レベルの変化は、定量的とみなすことができる。つまり、利用者目的の定量的な表現を利用できると考えられる。

 現在、自由記述された旅行目的から、この表現体系へのマッピングアルゴリズムについて開発中である。(「観光とけいざい」第690号05年11月15日号)


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