連載 Tourism Informatics (TI) の試み(37)
おきなわ観光情報学研究会


文理融合型のインターンシップ開始

遠藤聡志(琉球大学工学部情報工学科教授)

 本紙前号に、(株)ビィー・フリーソフトによる観光人材育成のベンチャービジネスプランがすでに紹介されているが、琉球大学の情報工学科/観光科学科がインターンシップの形で関わっている。きっかけは、おきなわ観光情報学研究会渡久地明主査(沖縄観光速報社編集長)よりビィー・フリーソフト社の白井旬氏を紹介頂いたことに始まる。

 ビィー・フリーソフト社は旅行業基幹業務のシステム開発に特化した会社で、社員の8割は観光業の経験者だそうである。沖縄観光とも関わりが深く、「オキナワアンサー」というwebページ(http://okinawa.travel-answer.ne.jp/)は同社が運営するツアーや宿泊販売のポータルサイトである。白井さんはページの編集長でもある。観光産業における情報システムを主力商品としているビィー・フリーソフト社から学ぶ事は多いと直感し、連携をお願いする事となった。連携の第一弾がこのインターンシップ事業である。

 インターンシップは学生が在学期間中に民間企業や官庁などで一定期間(夏休みなど)就業経験を積むためのものであり、大学の講義として単位認定される。

 情報工学分野では、単にプログラムコーディングが出来る人材ではなく、相手の要求をシステム仕様にまとめ開発の全体を統括するマネージャーレベルの人材が必要とされており、実務体験が重要視されている。

 観光科学科では、さらに実務体験を重視しており、インターンシップを3年生の必修科目としている。実践力の高い人材育成を目指す文・理の両学科の目的が合致し、ビィー・フリーソフト社の支援を得て、文・理融合のインターンシッププログラムが実現した。文系、理系の学生が学部学科間の枠を超えてチームを作り、同一研修プログラムに参加する興味深い試みである。

 今年9月中旬から2週間を東京で、1週間を沖縄で、計3週間のプログラムが設計されている。プログラム詳細は稿を改めての紹介としたいが、ビィー・フリーソフト社をハブとして、県外では、沖縄県東京事務所、クラブツーリズム、東武トラベル、ビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部事務局、パンパシフィックホテル横浜、県内では、沖縄ツーリスト、エアー沖縄、カヌチャベイホテル&ヴィラズ、国際旅行社、ジャンボツアーズなどが研修先として予定されている。通常のインターンシップが、単一業種業態の就業体験であるのに対して、本事業では観光業全般とその情報化を一度に体感できる訳である。

 大学内でも本事業を重視し、試行的にではあるが予算化を行ない、学生の旅費、宿泊費を支援する。現在、観光科学科2年生4名(観光科学科は平成17度設置で2年生が最上級生である)。情報工学科3年生、4年生、専攻1年生の各1名、計7名のプログラム参加が決まっている。

 本インターンシップの学生による実施経過や最終報告などは、前出のオキナワアンサーwebページや琉球大学で開催予定の報告会、このコラムなどを通じで広く紹介していきたいと考えている。このようなプログラムで観光業の実際を体験した学生が、将来、沖縄の観光業界で活躍してくれる事を期待している。 (「観光とけいざい」第705号06年8月1日号)


 |  連載38 |  HOME |
本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。
Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission.