連載 Tourism Informatics (TI) の試み(41)
おきなわ観光情報学研究会


観光と情報の人材育成、16日に琉大でシンポ

おきなわ観光情報学研究会・岡崎威生(琉球大学工学部情報工学科・講師)

文理融合・領域横断型インターンシップの可能性探る

 来る12月16日(土)、13:00より、琉球大学法文学部講義棟215教室にて「観光と情報の人材育成について考える」シンポジウムを開催いたします。今回、このシンポジウム開催に至った経緯と目標をお知らせしたいと思います。

 このシンポジウムの核は、副題「文理融合・領域横断型インターンシップの可能性」にあります。琉球大学重点プロジェクトの「県外観光産業インターンシップ支援事業」と、株式会社ビィー・フリーソフトの沖縄県ベンチャービジネスサポート事業「観光産業における県外実就業型U+Iターン人材育成プラン」の連携により、琉球大学学生7名とインターナショナルリゾートカレッジ学生2名 の計9名を、9月に首都圏並びに沖縄県内観光産業にインターンシップ派遣いたしました。

 目的は通常のインターンシップの現業体験とは異なり、観光産業界に対して養成すべき人材モデルを想定し、そこに必要なスキルを現場において探索するものでした。具体的な人材モデルを、企画立案やIT活用による多元的・効率的な経営を実現できるプロジェクトマネージャータイプとしました。つまり、文理融合・領域横断型の人材です。

 観光業界では判断の速さが重要です。判断の要因は非常に多岐にわたります。その結果IT活用なしには事業の進展が困難になるわけです。他方、エンジニアの視点からだけでマネージメントしようとしてもうまくいかないようです。サービスの何たるか、顧客ニーズの何たるかを知らずして、事業に効果的なIT導入はあり得ないからです。故に、観光の現場とITの両軸を持った人材となるわけで す。今回のインターンシップでは、観光科学科学生と情報工学科学生のペアによりチームを構成しました。業務フローや顧客管理とシステム開発の実際を理解するうえで、文理学生が互いの知識を補完しあい総合的資質を向上させることを努めてきました。

 また、インターンシップ実施方法論としてのIT活用にも取り組みました。学生の宿泊先は、インターネット環境をもつホテルを選び、全学生にノートPCを持参させました。毎日の報告を大学で準備したWikiページに記録させ、教員が確認し指導してきました。学生にとっては負担の大きいものでしたが、積み重ねたものが自ら確認できるものとなりました。

 当初、インターンシップ終了後には報告会を計画しておりましたが、今回の取り組みに対して賛助して頂いた多くの方々に成果を還元することと、沖縄観光人材育成に携わる方々にもご意見を頂きたいと考え、シンポジウムへと変更になった次第です。

 基調講演で、インターンシップ生も引き受けて下さったパンパシフィックホテル横浜の阿部泰年氏に「観光産業で働くということ。バトラー、コンシェルジェの役割とは」と題してお話し頂きます。バトラーという高質なサービスを提供する役割は、まさに沖縄に求められているスキルです。

 再現インターンシップでは、独創的なツアー企画されているクラブツーリズム株式会社の福田日出男氏に、今回のインターンシップの一場面をデモンストレーションして頂きます。

 パネルディスカッションでは、前述の2名とNTT西日本‐沖縄の島田勝也氏、ホテルマハイナウェルネスリゾートオキナワの前田貴子さんに加わって頂き、新しい人材像について議論して頂く予定です。

 皆様のご参加をお待ちしております。(「観光とけいざい」第712号06年12月合併号)


 |  連載42 |  HOME |
本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。
Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission.