連載 Tourism Informatics (TI) の試み(50)
おきなわ観光情報学研究会


集合知:Collective Intelligence

おきなわ観光情報学研究会・遠藤聡志(琉球大学工学部情報工学科・教授)

■マインドマップ(Mind Map)

 しばらくwebの話題が続いたので、最近使い始めたツールを御紹介しようと思います。書店等でも特集雑誌が並んだりしていますので、ご承知の方や既に会社で導入されている方もいらっしゃるかもしれません。

 マインドマップは、トニー・ブザン(Tony Buzan)*1によって提唱されたアイデアノート法です。個人のメモ書きや会議の議事録などは、箇条書きなどを多用するかと思いますが、マインドマップでは、キーワード、イメージ、数、リズム、色や空間的な配置を駆使して、テーマに関するある種のグラフモデルを作成します。

 利用者は、テーマに関する内容を視覚イメージでとらえ、テーマを構成する要素を曲線を用いて関連付け、色や数などでその関係に重み付けを行います。

 マインドマップを作成するためのこれらのルールは、人間の脳を構成する神経細胞(ニューロン)の構成と活動に類似しているため、脳にやさしく脳の潜在能力を引き出してくれると開発者のブザンは提唱しています。ニューラルネットワークとマインドマップの類似や効能についての信憑性ははっきりしませんが、使ってみると確かに内容整理が楽であり、打合わせでこのマップを用いるとメンバーのコンセンサスが早く得られるような気がします。また、発想や連想のようなものを促す効果も高いのではないかと思います。

 最近、マップをPC上で作成する製品やフリーソフトも随分そろってきており、ブームの一因となっているようです。有償のものでは、メソッドの開発者ブザンが唯一公認している、iMindMap*2(30日のトライアル有り)やオープンソース(無償)のFreeMind*3などがります。

 韓国のKorea Telecomでは企業内で戦略的にツールを取り入れ活用しているようです。図は、筆者が沖縄県のインバウンド増加をテーマに描いたマインドマップです。このマップに対して、観光のプロである読者の皆様はいろいろなご意見をお持ちかと思いますが、それこそがこのツールの意図するところでもある訳です。

 とろこで、Mind Mapをブザンが提唱したのは1960年代後半とされていますが、日本でも同時期に川喜田二郎が「発想法」という書籍で、発想支援のアルゴリズム「KJ法」を考案しています。こちらは、グループによる作業が想定されたものではありますが、結果として得られる空間的なキーワードマップはMind Mapと同様であり、KJ法が影に隠れた格好になっているのはやや残念な気がします。

 *1 http://www.mind-map.com/
 *2 http://www.imindmap.com/
 *3 http://freemind.sourceforge.net/wiki/index.php/Main_Pag

(「観光とけいざい」第730号07年9月15日号)


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