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沖縄発着格安自由旅行マニュアル

入江信一(97年1月)


はじめに


□ 「モノポリーね。独占。沖縄の空港から本土や外国行く便とかね。沖縄で買うとほんとに高いよ。僕の場合? インドまで沖縄じゃ買わないよ。途中の香港で買いわけたりするさ。米軍や移民は多いけど、このままじゃ沖縄、国際化というのはいくらなんでも嘘、無理でしょう」。沖縄本島・中部で目立つインド系商人のある紳士が笑いながら、言い放った。

 地政学的に見ると、沖縄から鹿児島へ行くより台北の方が近い。東京より香港やマニラ、ソウルといった都市が近い。沖縄最西端の与那国島は台湾の沖合わずか125キロ。沖縄は極東の日本にあって東アジアの要であり、また東南アジアへの北東の玄関口―などと言われて久しいが、果たして現実はどうか。

 確かに15世紀ごろ、琉球王国は東シナ海など地域の中継貿易で名を馳せた。いまその名残は残念ながらないに等しい。現在の日本は航空行政の規制緩和が先進国としてまだまだ遅れており、沖縄と外界を結ぶ航空運賃の高さやとりわけその多様性の無さ、乗り入れ制限などが沖縄活性化、国際化を阻んでいるからだ。  とくに現状では近くの「東アジア」へ行くのが極端に割高。沖縄を中心に半径およそ1000マイル(約1600キロ)の円を描いて見る。香港、東京、マニラといった都市をあたかも結ぶようになるが、この円内に顔を出す、台湾、香港、日本(本土)、中国、韓国、フィリピンといった国、地域が東京発などと比べ距離の割に高くつくのが沖縄発着の傾向である。

 何も航空運賃だけでない。本土行きなど沖縄発着船運賃は今日まで異常な高値が続いている。最近、新興航空会社設立といったいくつか本格的な規制緩和の兆しが幸い見え始めたが、離島、沖縄の苦悩は続く。一方でまた沖縄側の問題として保守的な旅行業界の体質が、県民所得とはまるで逆に、本土比較で非常に割高な旅行商品の設定を招き、県民の格安旅行実現の足かせになっている点も見逃せないだろう。

 本書ではこうしたなか、沖縄在住、または沖縄を拠点とする人々で、単なるお仕着せのパックツアーではないとくに自由旅行の旅人たちを心から応援すべく、主に航空運賃など交通費削減に的を絞り、海外発券やあまり知られていない各種割引などを駆使。沖縄から各地への格安旅行の様々なアイデアを(1)「東アジア」(台湾、香港、日本[本土]、中国、韓国、フィリピン)(2)その他全世界主要エリア(沖縄から1000マイル以上)―に分けて提供、さらに格安自由旅行で重要な(3)安全、を加えた。

 「東アジア」行きのノウハウをとくに詳細に紹介した理由は何もいわゆる格安航空券を売る旅行会社任せにしなくても個人で航空会社などに行って手配すればほぼ同じ価格でチケットが手に入り、しかもより有益なケースが目立つからで、悲しいかな、それだけ沖縄発着にとっては基本的に競争のないマーケットなのだ。なお文中には若干の提言も込めているが、ウチナーの皆さんにとって本書が20世紀の「琉球王国」からの“出入国”に便利でお得な、さらには安全面でも役立つマニュアルとなれば本当に幸いである。

[使用上の注意]

 米国のように午前中発表された特別運賃がライバル航空会社の動きを受けてその日の午後には変わってしまうなどといったことはないが、沖縄発着航空運賃も格安航空券の季節に応じた大きな価格変動は当然として、正規運賃であっても税金や為替レートの動き、さらには航空会社の施策などで国際線、国内線問わず、頻繁に変動している。本文で紹介した運賃は一応、1997年3月上旬の推定価格、内容であり、あくまで格安自由旅行を組み立てる際の参考データと考えていただきたい。為替レートには1USドル=115円、1台湾元=4.2円、1香港ドル=15円、1韓国ウォン=0.14円、1インドルピー=3.5円をそれぞれ便宜上、採用した。なお業界独特の航空用語などはページが進むにつれ、その意味が把握できるよう配慮したつもりである。

 (注)このマニュアルは97年1月までの取材データに基づくもので、最近ではかなり状況に変化があることをご了承下さい。99年8月、入江)


[目次]

はじめに

(1)「東アジア」


    台湾
    香港
    日本(本土)
    中国
    韓国
    フィリピン

(2)その他全世界主要エリア(沖縄から1000マイル以上)


    東南アジア方面
    北米・ハワイ方面
    南米方面
   欧州方面
    オセアニア方面
    アフリカ・中東方面

(3)安全

あとがき

日本乗り入れ主要航空会社電話番号リスト

沖縄発着普通運賃(96年度通常期片道)


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