インタビュー特集 いま観光業界に何が起こっているか
オピニオンリーダーが現状と対応を語る


変化へ 10項目の論点

 旅行・観光業界にさまざまなことが起こっている。昨年の沖縄サミット以来、沖縄観光の様子がガラリと変化してきた。変化の項目を挙げると、@旅行客の減少によって、実質的に業界の収益が減少しているA県内老舗ホテルの廃業など沖縄観光に影が差しているのではないか、という不安B一方で、格安ホテルの新設ラッシュC明暗を分ける土産品業界D好調なレンタカー業界EITブームでどのように旅行業界が変化するのか漠然とした不安。早く導入しなければというあせりF旅行客そのものはどう変化しているのかG大手旅行社の統合の影響がどう出るのかH航空会社の直売体制は今後どう影響してくるのかIその他。これらの変化がどのように実際に起こっているのか、観光業界に何が起ころうとしているのかを、各業種のリーダーにそれぞれの業種についてインタビューして、全体像を探る。(文中敬称略)(取材構成・渡久地明)


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旅行業の原点に返れ

スカイツアーズ社長 堤 朗

――まず、ITの進展で旅行業界の取扱は変化しているのか。

《堤》 観光速報社は五年前からインターネットで沖縄の観光情報を提供しているから、一番詳しいと思うが、実際にはブームに踊らされたというのが実態ではないか。インターネットを使えば何でも問題が解決するとは私は見てない。例えば、旅行業界でインターネットの予約システムを組んでいるところは、全部赤字だ。

 ホテルのみ、キップのみという単品ならある程度売れるが、旅行商品そのものはまだまだだ。旅行商品全体に占めるインターネットの取扱額は〇・〇数%の程度だ。ホームページで旅行商品の内容を調べる人はいるが、この人達は各社の商品をホームページで比較して、一番いいと思った旅行会社のカウンターで説明を聞いて買う。 比較検討にインターネットが使われている。というわけで、現時点ではインターネットで旅行が売れる段階ではない。遠からずインターネットでの旅行販売も増えると思うが、それはいまの小学生が社会人になった頃、あと十年はかかる。

――航空会社の共同ウェブをどう見るか。

《堤》 航空会社の端末が各家庭に入ってくるのと同じだ。これまで代理店でしか見られなかった情報が家庭で手に入り、料金も出てくる。

 運賃そのものは横並びの状態だが、予約と決済ができ、航空券は空港で受け取ることになる。

――便利になると同時に旅行会社のシェアが縮小するのでは。

《堤》 そうなる。しかし、予約したつもりが空港でチケットを受け取ろうとしたらあなたの名前がない、ということが起こったらどうする。実際にそのようなことはないかも知れないが、日本人はキップを手に入れて初めて予約が取れているんだと実感する。チケットレスサービスの動きはあるが、すぐさま定着するかはやってみな いと分からない。

――しかし、航空会社は国際競争の面からもチケットレスなどを推進しないといけない。

《堤》 これまで、予約したら六日以内に航空券を購入しなければならなかったのが、当日空港で購入できるということになった。つまり、航空券を旅行社にホールセールしていたのが、直接、旅客にリテールする方向に変わってきた。同時にホテルが旅行社を通じないで直接、旅客に客室を販売するようになってきた。中抜きの時代 である。

 そこで旅行社の役割が問われる。旅行社でなければ作れない楽しい旅行の構築が求められる。自分で出かけていっても行った先の良さが分からなかったけれども、ツアーに参加したら楽しいというもの。本来の旅行会社としての役割を果たすことが、これからの旅行社の明暗を分ける。

――具体的にはどんな商品になるのか。

《堤》 航空券でいえば、航空会社で買っても、旅行社で買っても同じというものでなく、旅行社で買えば配達してくれるとか、とれない座席がとれるといった付加価値が必要だ。

 団体旅行が飽きられてきて、個性化、多様化が一層進んでいる。小グループをターゲットにしないといけない。

 新しい時代の旅行商品の答えとして、洗剤メーカーがあるでしょ。

――洗濯洗剤ですか。

GNNは生き残れない 他業界の例に学べ

《堤》 そう。あの業界は昔は石鹸と洗濯洗剤だけだった。それが今はトイレ用洗剤、油汚れ用、エアコン用…とさまざまある。旅行業界もそれと同じでバラエティーに富み、旅行客の志向、趣味に応じた商品メニューを細かくつくっていかなければならない。

――旅行客そののものに変化がありますか。

《堤》 まず、元気なお年寄り。私(六十三歳)の年代が旅行の主流になっている。六十代以降だね。子育てが終わって余裕がある。次ぎにファミリー層。いま、ゼロ歳児を連れた家族連れがよく動く。少し前まではゼロ歳児を連れての旅行は少なかった。第三にOL層というのが旅行をしなくなった。

――へ、OLが動きませんか。

《堤》 いま、八割が熟年層だ。携帯電話が出始めてからOLがいなくなった。旅行に使う資金が携帯電話の電話代で消えている。携帯に限らず、ものが高くなった。ペットボトルのミネラルウォーターが当たり前になったが、水道水に比べると何十倍になったか分からない。携帯電話も固定電話の何十倍かになっている。

 それに代わって団塊ジュニアの世代の生活が変化している。昔は子供を連れて旅行に出かけることができなかった。今ではレンタカーにベビーシートがついてないと売れない状態だ。

――航空会社の一万円、五千円運賃はどう見るか。

《堤》 一万円運賃は確かに需要喚起に成功した。一月二十七日に東京から沖縄に向かったが、この日は一万円運賃の初日であると同時に大雪で欠航便が出た。お客が右往左往しており、どこで何を聞いたらいいか分からないという人達が多かった。つまり、普段あまり飛行機に乗らない人達が明らかに多かった。新しい需要喚起に成 功した実例だと感じた。一度一万円運賃で旅行した人は次の旅行につながる可能性が大きい。着実に航空機ファンを増やした。

――大手旅行社の統合は。銀行などの統合を見ているとスケールメリット、経費削減、リストラが中心だが、旅行社も同じと見るか。

《堤》 旅行社の統合の場合、統合して売り上げが一+一が二になる保証はない。それでもリストラを進めなければならないというほど厳しさがあるのだと捉えている。

――実際に仕事をしているのは、社員であり、リストラによってむしろ営業力が削がれるのではないか。長年に渡って築き上げた固定客や取引先との関係もある。マイナスになって出てこないか。

《堤》 長年のつきあいといったいわゆるGNNの時代じゃない。G(ギリ)、N(人情)、N(ナニワ節)で仕事は出来ない。今の旅行業はホントに仕事をしようというところが伸びている。「あそこはホントにいい手配をしてくれる」というのが基本で、「親戚がいるからあそこから買う」ではない。実力、実績主義ということだ。

――大手統合の中小への影響はどうか。

《堤》 これまでしっかりリストラしてきた。自分の道を持っているから、マイナスの影響はない。(「観光とけいざい」2001年3月1日)


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ニーズに応える

JAL沖縄支店長 坂巻 嘉孝

――航空会社の中抜きが話題になっている。

《坂巻》 誰が主体に中抜きをしているか考えないといけない。旅行社がそういうのか、旅行客の志向なのか、それぞれの立場がある。

 日本の旅行業界はアメリカのようにパパママストアから始まったのではなく、百年の伝統があり、旅行そのものが旅行社抜きでは考えられない。そのため、旅行業がドラスティックに変わることはない。

――ITの普及で旅行客が直接航空券や客室を予約するようになってきたのは事実で、旅行社も特に単品の販売については直売は自然の流れと見ている。

《坂巻》 ITなどの手段で変化があるのも事実だが、急激に変わることはない。航空会社が直売に比重を移しているといわれるが、実際には旅行社での販売が今でも八二%と大きい。残りの一八%について、市内カウンターや空港での直販だ。ITの普及で一八%が二〇%に届くか届かないかというところだ。

 チケット単品では多少ITで売れることもあるが、チケットのデリバリーができるのは旅行会社であり、航空会社の人員ではデリバリーはムリだ。さらに単品でなく旅行商品ということになればいくらITが普及しても旅行社に相談に行く旅客がほとんどだ。

 国際線では航空会社が代理店のコミッションを減らすなどが中抜きといわれるが、現実には世界中の航空会社の競争でダイレクト販売システムが進んでおり、お客のニーズもある。二十四時間予約できるシステムが普及しており、このニーズを航空会社が逃したら、コンピュータ会社が独自システムを組むということもあり得る。

 マーケットニーズは細分化されてきており、それに応えなければならない。

 顧客は最も便利な窓口にアクセスするわけで、スーツを買おうとしたら、リウボウで買う場合があるし、青山で買う場合もある。マーケットの細分化が進んでいるのであり、航空会社が中抜きを進めているということではない。

需要喚起に特別運賃 受け入れに英知の結集を

――一万円運賃がでて大変インパクトがあった。今回、五千円運賃ということで、二度ビックリだが。

《坂巻》 五千円というのはJALの創立五十周年を記念したもので、市場をどう活性化させるかを優先したものだ。ペイはしない。しかし、全日空さんよりJALの方が元気がある、という効果がある。これで商売が成り立つわけではない。あくまでも謝恩の意味であり、この運賃を利用して一回飛行機に乗ればまた乗ろう、という 需要を掘り起こすものだ。確実に新規需要につながる。

――席数に制限があると但し書きがあるが。

《坂巻》 このスペシャル運賃の席は全体の六〇%前後が対象になる。仕組みとしては旅行社にすでに販売したものと、ビジネスマンの当日の出張のための緊急用の席を確保し、それ以外が対象となり、席数は六割前後となる。かなりの席が割引で提供されるので大きな需要喚起につながる。透明性を確保するために専用のコールセン ターを設置し、沖縄支店やJALの通常の販売セクションでは取り扱えないようにしている。

――旅客の変化はあるか。

《坂巻》 海外でOL層が明らかに減っている。バブル破綻の影響ではないかと見ている。当時は仕事がいくらでもあったし、稼いだお金を旅行に回した。今は、仕事そのものがなかったり、残業手当もなくなっている。不景気で旅費がたまらない状態ではないか。

 逆に子育ての終わった元気な熟年層が動いている。女性は子育てが終わり、男性も会社人間ではなくなってきた。五十七、八歳代以上の夫婦で旅行に出ている。特に海外でこの傾向が顕著で、ヨーロッパ、アメリカなどが人気だ。沖縄でもこの傾向が出てきている。

 OL層は別の見方によると、携帯電話の普及で毎月二、三万円の出費で年間三十万円使い、旅行費用に回らなくなったとの見方もある。

――最後に沖縄観光について。五百万人時代をどう見るか。

《坂巻》 五百万人の達成のためには送客側に頑張ってもらうのはもちろんだが、受け入れ態勢に英知を結集しなければならない。

 航空座席でいえば、いま下り便の席数は各社あわせて年間六百八十五万席ある。観光客五百万人に一〇%前後の県民需要を加えると実質五百五十万席稼働し、この時のロードファクターは八〇%となる。席がとりにくい状態で、オンとオフの平準化を一層進めなければならない。

 JALは東京線の席数を今年三月時点比で四、五月に一〇九・一%に増強する。また、六月〜八月は一一九%と大幅に増やす。現在の毎日六便が四、五月には七便に、六〜九月は八便にして需要に応える。(「観光とけいざい」2001年3月1日)


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需要創造に取り組む

沖縄ツーリスト副社長 東 良和

――JATA経営フォーラムではパネリストでしたね。

《東》 旅行業と航空業の新しい関係というテーマで発言してきました。その中で、チケットの直売や三社共同ウェブ、国際線のコミッション削減なども話題になった。

 これらをどう捉えるかといえば、収益向上は各社の当たり前の行動だということ。海外の流通ではコミッションキャップ制、つまりコミッションの上限を決めてどんなに売っても天井があるというところまで来ている。インターネットではもっとコミッションを下げるということになる。

――旅行社は厳しくなる。

《東》 厳しい面はあるかも知れないが、別のプラスの側面を見ている。航空会社がこれまで旅行社をメインに仕事をしてきたのが、直接お客に向かって仕事をするようになる。旅行社はもともとお客に対面してきた。航空会社もお客に面と向かうようになったわけで、同じことをしていく。そこに必ず共同して需要を創造する仕事が 出てくると見る。

――しかし、三社共同ウェブなど直売で旅行社のシェアが減るのは現実ではないか。

《東》 沖縄ツーリストは昔からポケットガイドを発行している。沖縄線の運航ダイヤをまとめたものだが、三社共同ウェブというのはこれをインターネットでやるということだ。誰がやってもよいと思う。ただし、ポケットガイドをつくって分かることは、航空会社によってはダイヤの確定が間際までかかっていることだ。二月時点 で五月のダイヤが確定していない。販売は二ヶ月前だから三ヶ月前に市場に情報を提供したい。共同ウェブのスタートで確定が早くなることを期待している。マーケットが直接それを航空会社に要求するようになるだろう。

――単品の売り上げが減ることは、他の人も予想しているが。

《東》 急な出張など航空会社が責任を持って売っていただけるなら、お客の側も旅行社もありがたい面がある。単品販売に関わっていた人材を本来の団体開発に振り向けられる。

――五千円、一万円運賃のインパクトは。

《東》 新規需要を生み出したのは確かだが、ツアー用のチケットとの整合性も欲しい。どちらも新規需要を喚起するという点では同じ効果がある。しかし個人向けの大型割引よりも、ツアー用のチケットで大幅割引があればツアーの方が効果は大きい。必ずホテルや他の地上費がついてくるからだ。

 また、個人向け大型割引は九月までスケジュールが出ているが、ツアー券は二カ月くらい前にならないと実質的な運賃が出てこない。

――だんだん価格が下がって、二ヶ月くらい前にベストプライスが出る。その前の運賃は使いづらいわけだ。

《東》 キャンペーンが始まって、メディアでしか売れないという悪循環になる。最初から競争力のある価格を出して欲しい。

――昨年四月からの新運賃では、航空機を倍に増やして旅客を五倍に増やすといったやり方もあると思うが、実際には機材は据え置き、五五%の稼働率を六〇%に増やすという結果で、期待したほどの需要喚起にはつながらなかったのでは。

《東》 あはは。JATAフォーラムでもこれからアジアの大旅行時代を迎えるということが一つの前提になっていた。日本はリストラなどで規模を縮小して効率化を狙うのが社会的なムードになっている。しかし、ホントはアジアの観光地は大旅行時代に備えてキャパシティーを増やしてきている。

 昨年十二月の観光審議会の答申でも観光による街づくりを打ち出しており、沖縄や北海道などはむしろインフラを充実させてキャパを増やし、人の往来を拡大すべきだ。

 その意味では航空会社は経営建て直しが成った。新たな需要喚起策に一緒になって取り組めると思うので期待している。

――最後に沖縄観光について。

《東》 昨年の四、五、六月については新運賃への移行で、新運賃を使った企画がうまく作動せず、前年割れとなった。今年は挽回できる。三月まで好調な入込が見込め、四月以降この勢いをシームレスにつなぐことができるかが、大きな山だ。四月を乗り切ればうまくいく。気をつけなければならないのは三月末のUSJのオープン、 秋の東京ディズニーシーのオープンで、国内有力テーマパークの戦争が始まる。地方から中央に向かうファミリー層が増えるのは確実で、この影響が沖縄にどう出るかだ。

 後半は世界のウチナーンチュ大会がある。その前後で観光客は増える。これには機会損失も含まれるから大きなプラスにはならないかも知れないが、プラスであることは間違いない。

――サミットの七月開催であれだけマイナスとなったのに、ウチナーンチュ大会を最ピークの十一月にもって来るセンスもおかしい。

《東》 去年の四〜七月は関西方面からグアム・サイパンへの流れができた。海外ファンを増やしたが、特にリゾートはリピータを生む。グアム・サイパンは思ったより健闘し、リピータを増やした。この影響も今年は出る。業界を挙げて集客に取り組む姿勢が必要だ。

長期滞在キップの発行 業界挙げての集客体制

――ポスト五百万人に向けて。沖縄観光振興研究会の報告書で、量と質の問題では、観光客数の増加を追求すべきと言っている。

《東》 量があるから質が保てる。JTBがワイキキで巡回バスを運行しているが、量があるからそれだけの顧客サービスができる。むしろ量より質とか量が増えたら質が下がると言った安易な考えはやめるべきだ。沖縄のホテルも均一な質を提供しているわけではない。お客のニーズにあったホテルでなければならないし、量があってもニーズに対応できなければ撤退する。

 五百万人までは既存の旅行システムがよく作動する。しかし、それ以上になると既成概念を根本的に変えないと上乗せは難しいと見る。

 これまでの旅行会社のパッケージや航空会社の発地主義は考え直さなければならない。受け地主義という考えを提唱したい。

――どういうことか。

《東》 長期滞在キップが発行できると思う。四泊以上する旅客の航空券を一律に半額にする。

 これによってエコツーリズム、ウェルネスの市場を吸収できる。ダイビングも同じで、目的型の長期滞在旅行を吸収できる。

 いま、ダイビング業界では東京から二人、岡山から一人というように予約が入るが、ダイビングショップはこの航空券をとるのに時間を費やして本来の企画の仕事ができない。手を尽くして航空券がとれないということもある。長期滞在割引ができれば、ダイビング客はどこからでも半額のキップが取れ、ショップがキップの手配 にきりきりまいということがなくなる。

 同じことが流通に載っていない民宿や公共の宿泊施設の経営者を巻き込んで、旅行のプレイヤーとして参加できるようになる。「オレのところで四泊以上したら、キップは半額だよ」というセールスができる。

――面白い! 民宿といわず、個人の家でも四泊以上すればいいということすれば、百三十万人県民が一人ずつ友達を呼ぶだけで百万人の集客力というわけだ。これやろうよ。

《東》 航空会社も夕方着いて、午前中帰る便が使える。お客の方も二泊三日でホテルまで三時間かかるといったら不合理だと思うかも知れないが、長期滞在なら時間のかかるところでも平気で出かけるだろう。

――これまで空港から時間がかかりすぎるという理由で何もできなかった原野などが利用できるようになるかもしれない。

《東》 旅行社は純粋なランドパッケージをつくる。それにはエコツアーやウェルネスがあり、もっと地域の中に入っていく体験メニューなどが盛り込める。キップは単品でそれこそインターネットで日本全国どこからでも半額で買える。これが受け地主義の新しい旅行形態になる。

――面白い。それ航空会社に働きかけていこうよ。観光振興によるまちづくりに直接航空会社が貢献できる。

《東》 検討しているところもありますよ。(「観光とけいざい」2001年3月1日)


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ITでサービス拡充を

NTTドコモ九州沖縄支店長 南 一二三

――IT産業そのものとは別に観光産業がITをもっと使いこなさなければならないし、どんな使い方があるのかを、考えたい。実際、旅行社や航空会社などITでの商品販売はまだまだというのが実態だと思う。

《南》 何でもITに絡めると難しくなると思う。観光でいえばスペインやイタリアが世界的にも有力な観光地だが、そこがITの活用でそうなっているのかといえばそうではない。ヨーロッパ文化や地域特性などが観光を大きく左右しており、昔から洗練された地域だった。

 沖縄の場合、スペインやイタリアのような国際的な知名度がまだだとしたら、世界に出ていくためにITを使いましょう、ということになると思う。沖縄を世界に売り出す、そこにはITを使うのがこれからは合理的でしょう。

 また、沖縄に来た観光客に対してITを使ってどんな楽しい旅行を提供していくか、観光事業をどう効率化するかなどに分けて考える必要がある。いきなりインターネットでモノを売るというのは夢のような話だ。

――一つずつ解説して下さい。

《南》 沖縄観光でいえば、ITを使ってモノを売るのではなく、来る人の数をいかに増やすか、まずそこを考えるべきだ。観光客が困っていることはないか。行きたいと思う気持ちが出て、実際に行って、帰る。この三つの途中の行動の中でITを使ったサービスの充実を考える。

 実例にデジタル修学旅行というサービスがあるが、これは修学旅行生が来る前に見たいところをインターネットなどで調べ上げ、滞在中にはリアルタイムで行動の記録や感想がデータとして蓄積できる。学校に戻ってもそのデータが活用できる。

 私、先日スペインに行って来ましたが、写真が好きなので旅行中に六百枚の写真を撮りましたよ。で、一緒に行った人達に焼き増ししてプレゼントしたけれども、この作業が結構大変だった。しかし、こういうところにITを使う、ネットを使うと簡単に解決する方法がある。

――デジカメを使って、ついでに撮影場所などを書き込んでネットで送る、プリントは相手のプリンタやってもらう…。

《南》 そうです。観光客が沖縄に行きたいと思ったときから実際に来たとき、帰ったあとのそれぞれのところでかゆいところに手が届くようなサービスが提供できる。

 五百万人を達成したら沖縄は七百万人を目標にするということだが、そのためにリピーターを増やすことだ。

 ITというのはデジタル化であり、デジタル化イコールデータベースだ。これをうまく活用することが七百万人を目指す場合の基本だ。

 特定のお客の行動パターンを記録して置いて「この前来たときには世界遺産を訪ねていなかったでしょう。今回いかがですか」といったデータベースの活用ができる。

――観光業界ではリピーターに年賀状やダイレクトメールを出すのが基本といわれていて、実際には旅館の女将が記憶に基づいてせっせとはがきをくれるということはありますね。

《南》 それをデータベースでやる。前回、南は沖縄に来てどこを見たという記録があれば、次はこれを提案しようという使い方だ。結局、最後はヒューマンタッチのあるなしになるが、そこにITを道具として使う。

――それまで、あとどのくらい時間がかかるか。

《南》 十年後、は間違いない。いま三千万人のインターネット利用者が十年後には間違いなく倍の六千万人になる。それは目に見えている。それに向けていまからリスクを回避しながら準備していく。これが大事だ。

 ところが一方でいまインターネットを使って成り立っているビジネスがあるかというと二十分の一もない。成功するのは難しいが、だからといって全くほったらかすというわけにはいかない。企業の中では業種によって中抜きが起こるし、企業内の人の間でも中抜きが起こってくる。

 ITの中抜きで仕事が合理化し、リストラの嵐が吹くのでは元も子もない。実際には同時に新しい仕事が生まれる。先日、あるバス会社のスクールバスに、移動中の位置情報やドアが開いたか閉まったかまでを監視できるシステムを搭載した。運転手が安全運転により集中できるような仕組みだが、このシステムそのものをセンター で監視する要員が新たに必要になった。このようにITで便利になる分、新しい仕事も生まれている。

忘れるな! 環境整備 遺産登録は最大のチャンス

――沖縄観光全般について最後にアドバイスを。

《南》 私は昭和四十八年に初めて沖縄を訪れ、以後、延べ九年間勤務した。離島を含め沖縄をよく見た方だと思う。昭和四十八年当時、沖縄と聞いてイメージしたのは竹富島の町並みだった。しかし、現実の沖縄はコンクリートの建物に直接看板をペイントしていた。それだと三カ月もすると汚くなってしまう。

 バラの花の話をよくするんですが、バラの花は沖縄で見ても北海道で見てもキレイです。しかし、置いてある背景でもっとキレイに見える。沖縄の海は世界でも有数の美しさだ。けれどももっとキレイに見せる方法がある。天久の新都心も北谷町の真似のような作り方でいいのかと思う。

 「観光とけいざい」にDFSが沖縄進出表明という記事が出ているが、こういうものを地元は大歓迎すべきだ。いま、沖縄の上空を飛び越してグアムやオーストラリアで日本人が買い物をしているわけだけど、DFSのようなところが沖縄にあれば間違いなく観光客は増えますよ。

 札幌雪祭りのついでに市場を見たがカニやサケが飛ぶように売れていた。千歳空港の手前には道産市場というのがあって、ここもサケ、カニ、生チョコといった地元のベストセラーを買うお客でごった返している。那覇空港の手前のフリーゾーンで毎日、離島フェアのようなものができないか。沖縄のサケやカニというものを見つ けて、育て上げていくことが求められると思う。

 その意味で世界遺産は大変な観光資源になる。世界遺産はスペインが最も多い。次にイタリアだという。ヨーロッパでは世界遺産をめぐるツアーが人気だ。ポルトガルにジェロニモ修道院というのがあるが、これは世界遺産になる前は観光客は滅多に来なかった。それが登録されたとたんヨーロッパ中からどんどん観光客が来るよ うになった。文化や国民性の違いはあるが、沖縄の世界遺産は今後、最大限に活用すべきだ。やんばるの例の百億円の振興費は十億円ずつグスクにつぎ込んで、そのグスクの博物館やアクセスを整備するということを徹底してやってほしい。そのくらいの、いや、それ以上の価値がある。(「観光とけいざい」2001年3月1日)


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ホテルの構造を変えよ

かりゆしアーバンリゾート那覇総支配人 當山 智士

――老舗ホテルが閉鎖する一方、新設ホテルの計画も複数ある。

《當山》 基本的にホテルの利益は客室が生み出す。観光ホテルは客室に加えてレストランをフルに回転させることで、儲かる体質になる。それには宿泊客に食事をしてもらいたいのだが、最近の都市型ホテルの宿泊客は一泊朝食だけになり、お客の行動ががらりと変わった。 特に都市型ホテルは好調な客室利用とは逆に、付帯売上で 大きな比重を占めるレストラン、売店、バンケットを利用する観光客は減少傾向にある。プライス、サービスとも優れる一般路面の観光店舗などに観光客は流れている。ホテルでなければ提供できない料理や商品は付加価値商品として一層の高度化を図り、ホテルでも一般路面店舗同様の居酒屋・ハンバーガーなどのファーストフード店、沖縄そば屋が必要になり、百円ショップやコンビニエンスストアーの導入が必要になる。多くの県民と観光客が「集い」「交流し」「楽しむ」、複合機能をもつホテルが求められている。これからのホテルは、過去の遺物のような料飲システム、経営方針では行き詰まる。変化に対応する経営力が必要だ。

――そのためにどんな手を打っているのか。

《當山》 まず、レストランを見直す必要がある。ホテルそのものの構造を変えるべきだ。いまのホテルは平成四年頃までのバブルの頃のニーズに合わせて必要なハードが設計された。しかし、いま、その施設を維持・稼働させなければならないと考えているとしたら、間違いだと思う。都市型ホテルのレストランは和・洋・中を分け ずに、同じテーブルで出してもいい。家族連れでもそれぞれに好みが違ってきている。かりゆしアーバンリゾート那覇の場合、十五階、八階、七階にあったレストランを全部八階に集めた。それまでのレストランは客室と宴会場に改造している。

――バブル崩壊後の観光客の行動の変化にこれまで気がつかなかったのか。

《當山》 気がついていたが、後手に回った。今や観光客は県民と同じ消費行動をとり、レンタカーは県内のすみずみまで走りまわっている。県民が利用するコンビニ・居酒屋・デパートなどあらゆる店舗、国際通り・北谷に代表される県内のあらゆる地域に、観光客による消費の波が押し寄せている。従来の概念でいう観光業界の範囲が相当に広がってきていると思う。

顧客との交流を重視 観光ホテルに衰退なし

――宿泊客はホテルの食事は高くつくと思いこんでいるのではないか。それに、外に出たいというニーズがあると思う。

《當山》 そのイメージを変えなければならないと思う。ホテルで食事をして、存分に市内で遊んできてほしい、とインフォメーションしている。あるいは人が集まるところにホテルのレストランをオープンさせたらどうかという考えも出てくる。

 このような観光客の行動の変化は、海外旅行の経験者が沖縄に戻って来ることによって、定着してきた。沖縄とハワイやグアムは同じ「方面」だ。ハワイへ行ってみるとホテルはルームチャージ制で、食事はついてない。ファストフードのハンバーガーやコンビニのサンドイッチが常識になった。同じことが沖縄でも常識になってきた。数年前からホテルのミニバーがなくなり、冷蔵庫の中も空にしている。かりゆしビーチでは館内にコンビニをつくり、国道五十八号沿いにリゾートコンビニをオープンさせたが、これが新しいブランドになり、利益も出て成功している。同様にホテル内の居酒屋やファストフード店が成り立つ。

 ホテル内の売店の売上は大変大きく、利益率も高いが、残念ながら県外からの仕入が多い。観光を産業として推進するなら、ホテルの売店を利用して県産品をもっと売るべきだ。ホテルで売れて大きく成長した分野に恩納村の海ぶどうがある。いま飛ぶように売れてここ五年間の超定番商品になっているが、十年前にかりゆしビー チが朝市で扱うまでは販路に困っていた。百三十万人県民の三・五倍もの観光客は最大の優良マーケットであり、ビジネスチャンスの宝庫だ。観光ベンチャーこそ沖縄の経済自立にふさわしい。

――知恵を絞れば、まだまだホテルは伸びると。ホテルは今後も明暗を分けることになると思うか。最近目立つ低価格シングルホテルをどう見るか。

《當山》 セルフオートマチックスタイルの新しい形態のホテルは、ビジネス客や特定の長期滞在客などがシフトして行くと見る。しかし「人が迎え」「会話し」「おもてなし」をし「感謝を込めてお見送り」をする「ホテル」は絶対に衰退する事はない。旅行社と観光客は「安心と快適性」や「交流」を求めている。観光立県としての 沖縄のホテルは情報発信の拠点でなければならない。沖縄の伝統文化・歴史を「おもてなし」として対応できるスタッフの育成と、琉球舞踊などの「伝統芸能」「琉球料理」などを演出し、エンターテイメントを提供できるホテルでなければならない。旅行社を通じれば宿泊料は安くなるし、観光ホテルならではの快適性をわれわれは 提供できる。(「観光とけいざい」2001年3月15日)


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行動の自由を提供

(社)沖縄県レンタカー協会会長 仲村 富吉

――レンタカーは大変快調だ。客層に変化があるのか。

《仲村》 客層が広がっている。二十年前の大学生、若者中心から、いまは家族連れにも浸透している。当時の学生が四十代半ばになって、子供を連れて沖縄に来ている。ほとんどのレンタカーがチャイルドシートを装備するようになった。

――観光客を主体にしているのはレンタカー業界でも沖縄と北海道だと思う。

《仲村》 観光客中心のレンタカー事業は北海道、沖縄が二大マーケットだ。京都、九州も観光客向けのレンタカー需要が高い。しかし、他の地域では多くが法人向けで、ビジネスマン利用になっている。観光分野でのレンタカー利用は沖縄は最先端だと思う。

 カーナビゲーションシステムも普及しており、ほぼ八〇%の普及率だ。取り外しができるので、利用客ベースでは一〇〇%対応できている。また、エコカーの人気も高く、トヨタのヴィッツなどは一〇〇〇ccと小型だが、環境に優しい車ということで各社が導入し、最も売れていると思う。

――旅行商品にも最初からレンタカーが入っている。

《仲村》 旅行商品に必ずエアー・ホテル・レンタカーが組み込まれるようになっている。観光客は那覇空港に着いたら、レンタカー事業者が空港そばの営業所までピックアップし、沖縄の道路事情、ホテルまでの経路を説明し、送り出す。観光客はチェックインしたらレンタカーで目的の地域に出かける。帰りは営業所まで来てもら い、空港まで送る。ここまで丁寧に観光客に接している。

――レンタカー客にターゲットを絞った観光施設もできてきた。

《仲村》 ホテルや観光施設で駐車場を整備してレンタカーに特化すると誘客しやすいというところが出てきた。これからの観光施設には駐車場の整備が必要だと痛感している。傾向としてレンタカー事業者にとって非常にいいサイクルに入っていると思う。 ただし、表面上は非常に華やかに見えるので新規参入業者も多く、旅行の低価格化などもあって競争は激化している。

――日銀那覇支店の経済概況ではレンタカー業界が毎年夏休みに大量に新車を購入するので、これが県内景気を左右するほどになっている。実際、業界全体でどの程度新車を入れてるのか。

公共交通機関の認識を さらに利便性を追求する

《仲村》 数千台規模で新車を買い入れている。オフ期に約八千台あるレンタカーが、ピーク時には一万台を超える。各社が新車を購入したり、リースするからだ。 シーズンごとに台数を調整するので、十月頃には夏前に仕入れた新車が中古車として中古車市場に放出され、活気が出る。レンタカーは定期点検、車検など普段の手入れ がピシャッとしているので、中古車市場でも品質がよく、価格も手ごろということで人気がある。この動きが日銀の経済概況に出てくるわけで、沖縄経済の重要な部分をになっているといえる。レンタカー事業全体では売り上げも百億円を超えるとみている。

――空港周辺にレンタカー事業者が集まったのは利便性の問題だと思う。しかし、ハワイなどで空港から出たらすぐにレンタカーの営業所がある。ホントは沖縄もそうしたいはずだが。

《仲村》 その通り。次は空港の目の前にレンタカーの営業所が開設できるように、各方面に働きかけていきたいと考えている。レンタカーは利用者の拡大という面で認知されてきたが、まだ公共交通機関としては認められていない。公共交通機関とはバスやタクシーのことをいい、レンタカーは第三の交通機関といわれている。レンタカーは自家用車の登録だから公共ではないと考えられており、反面、整備などはタクシーと同様の規定がある。しかし、利用者の数が多いことからもはや公共交通機関であるとの配慮も欲しい。そして一層の利便性・公共性を高めるために空港エリアでの営業スペースを確保したい。

――いま、お土産品点などではバス一台よりレンタカー一台の売り上げが多いという人もある。今後もこの傾向が続くか。

《仲村》 お客が欲しいものがあって、自分で自由に店を選ぶからだ。観光客の自由な行動というニーズに最も適合したのがレンタカーで、今後も観光客の伸びと連動しながら、急に減速するということはないと思う。そのために空港のすぐそばでの営業スペースの確保やレンタカーの質を高めるために一層努力したい。

――逆にバスやタクシー事業者に大きな影響が出てきている。

《仲村》 レンタカーを利用する客層とバスやタクシーの客層が全く違う。ニーズが大きく変化してきた。そのニーズの変化を捉え、業界が一丸となって旅行社と組んで誘致してきたのがレンタカー業界だ。他の交通機関の利用者を奪ったのではない。むしろ、それぞれの分野でそれぞれ知恵を絞るべきだと思う。時代の動きに即応し、 発展するために努力すべきだ。交通機関がみんな一緒になって何ができるかを考えるべきだ。カーナビや地図、空港のカウンター設置などレンタカー業界はサービスを強化してきた。保険や定期点検も完備している。それを消費者が選んでいるのだと思う。

 今年、十一月九日には「第十六回全国レンタカー事業者大会イン沖縄」を沖縄コンベンションセンターで開催する。全国から七百人の来県を目標に参加を呼びかけている。大会終了後には沖縄をみてもらう。誘客でも沖縄観光に役立ちたいと一生懸命だ。(「観光とけいざい」2001年3月15日)


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全国的な構造不況業種

沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合専務理事  大城 吉永

 

――昨年の東急ホテルの閉鎖など、稼働率は高いのに経営が困難なところが増えているように見える。

《大城》 全国的に見るといま宿泊施設は構造的不況業種に政府から指定されており、国の助成が必要な場合は支援しなければならないと言うことになっている。三年前からの措置だ。しかし、この間沖縄は観光客数が三年連続で増加するという、全国的にも珍しい傾向を見せた。ホテル組合の九州での集まりなどで「沖縄の一人勝ちですね」とうらやましがられるほどだ。

 ところがここに来て景気の先行きが見えない、消費者が全く金を使わないというのが当たり前のようになってきて、不安感を深めているものと思う。

――沖縄観光が好調だったのも、価格が安かったから。

《大城》 価格破壊はホテルも例外ではない。東京からのホテルパックで二泊三日、三万九千八百円が常識のようになっているが、この価格だとホテルの適正価格の三分の一の水準だと思う。

 ホテル運営上の固定費は減らないのに、価格は下がる。しかし、価格を下げて集客しないと客室が空いてしまう。

 ホテルの営業は旅行社に頼っているのが現状で、もし自前で営業しようとしたら、東京、大阪、福岡に営業所を設けて一般客向けのセールスを展開しなければならない。それができないので旅行社がホテルの営業部門を担当している。このため低価格傾向にはアップアップなのだが、価格を上げてくれとはいいにくい。

 どう帳尻を合わすかということになって、最初に人件費を圧縮しなければならない。東急ホテルの閉鎖の要因には人件費削減の問題があったのではないか。

――客室のリニューアルなど経費は常に必要になってくるわけだ。

《大城》 もともと日本の旅館業というのは地域の有力者が多い。これは資産を残すという意味が強かった。不動産があるから、これまで銀行が不動産を担保に金を貸した。その資金でリニューアルしてきたわけだが、不動産の価値が下がってくると銀行が十分な資金を融資しない。リニューアルできないとお客を逃す、ということも 起る。

 全旅連のメンバー数を見ると、この三年間で二千四百六軒も減少している。退会の内容は閉鎖、倒産などで、わずかな会費が支払えないというところもある。都道府県ベースでは会員が増えているところは沖縄県の十三軒増と宮城県の三軒増だけで、残りの四十五都道府県は軒並み減少している。そこで沖縄の一人勝ちではないか といわれる。

一週間料金など必要 海外との競合がますます激化

――最近の沖縄の観光業界は昔のように業界が力を合わせて課題に取り組もうという姿勢が見えないように感じるのだが。

《大城》 顕著な事例がいま、団体の会費収入が集まらないことだ。中小企業団体中央会の集まりで話題になるのは、多くの団体で会費収入が落ち込み、何とかやっていけるのはホテルくらいだという話題もでるくらいだ。

――今後の組合の取り組みは。

《大城》 観光客の支出が減少しているが、ホテルの場合は館内での飲食が、市内のレストランなどに移っていることだ。やり方としては対抗しなければならない。また、エコツアーなどの拡大で低価格施設が今後できてくる。これに耐える構造改革が求められる。中堅ホテルの場合、一泊いくらという料金設定から、三泊料金、一週 間料金というところに踏み込まざるを得ないと思う。このような価格設定が必要なのは、海外旅行が大衆化してグアムやサイパン、東南アジアとの競合になり、世界各地の観光開発と沖縄が勝負しなければならなくなったこともある。これをどう乗り切るかが今後の課題だ。

 また、直近の課題としてゴミ処理問題がある。ホテルから出るゴミの四割が生ゴミだが、これの処理料が三年かけて値上げされる。肥料にするなどリサイクルして対応することを考えているが、これにもコストがかかる。

 一方、沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合と組合の名称が変更になったが、これは老人福祉についてもホテルで対応できるようにという厚生労働省の考えだ。全旅連でいま老人デイサービスに係わる運営規定をつくっている。沖縄では全国に先駆けてデイサービスを実施しているが、これは那覇市に無償でホテルの宴会場を提供し ているものだ。朝、看護婦が健康チェックをしてお話会、遊技などする。家に閉じこもって不健康にならないようするサービスだ。健康なお年寄りを増やして保険料の赤字を減らす。いま、那覇セントラルホテルと沖縄ホテルで試験運用中だが、有料デイサービスを目指す。

――ITの取り組みは。

《大城》 昭和五十八年頃、オーレスというコンピュータを使った予約システムを導入したことがある。同じシステムは東京、大阪でも取り組まれたが、その後、撤退した。県内ホテル四十二軒、旅行社二十二社が参加したが、年間の予約数は八十件という結果に終わった。この時の教訓から誰かが成功してから取り組んでも遅くない のではないか、という考えになっていると思う。ただし、ITでの予約などが将来は常識となるのは間違いないと思う。いずれ組合でも取り組むことになる。(「観光とけいざい」2001年4月1日)


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リゾートタウン整備事業

沖縄観光振興研究会会長 大城 栄禄

――大城さんは玉泉洞副社長の立場とは別に沖縄観光振興研究会の会長として、国や県にリゾートタウンの整備を制度として行うべきだと要望している。これを分かりやすく説明して欲しい。まず、要望の背景は何か。

《大城》 沖縄観光は順調に推移している。しかし、航空会社や旅行社は沖縄を売るのに大変苦労している。苦労というのは低価格商品であること、海外との競争が激しくなってきていることだ。ハワイやグアム、バリにお客が流れている。これは沖縄そのものの商品力が弱いからだ。国際的なリゾート地を目指してきたが、ホントに 国際的な観光・リゾート地になっているか。

 観光地の基本は規模と質だ。いまの沖縄はリゾート施設が点在はしているが、集積して面として力を発揮するところまではいっていない。

――大規模な集積ができるような仕組みを作るべきだと。

《大城》 観光リゾート局長をやっていた頃、政府高官から「沖縄には観光地としての集積がないですね」といわれた。ハワイ、グアム、バリには国際的なホテルがいくつも立地しており、リゾートタウンとして立派な集積があり、周辺産業が育っている。沖縄にはこれがない。沖縄にはハードは充分だという人やハワイを見て「参考 にならない」という県幹部もいたが、宿泊施設の集積によって背後にサービス業、文化施設、スポーツ施設、ショッピング施設、飲食施設ができ、さらにエコツアーやブルーツーリズムといった枝振りができて賑やかになる。そこには相当の都市機能が集積されてくるため、ビジネスが生まれ、全体として産業になる。

――その考えはトロピカルリゾート構想などにも触れられている。あれはバブル崩壊で消滅したのか。

《大城》 消えてない。トロピカルリゾート構想は県企画部の構想だったが、この内容は平成四年に出た「沖縄県観光振興基本計画」の中に落とし込んで観光リゾート局の計画になっている。その中で二〇〇一年の観光客数を概ね五百万人〜六百万人にするとしてある。本来は観光収入の目標があり、これを人数で表すと五百万人とい うことになったものだ。

――覚えている。その中では例えばブセナ地域は数千室の客室を集積させて、メガリゾートを建設するというところまで構想された。

《大城》 それをやれといっている。ブセナを整備しようとしたが、いろいろな事情があり、快適な空間をまとめて作るのが困難だった。地権者も多数存在し、意見をまとめきれない。キレイにゾーニングして施設をはめ込んでいくという仕事ができなかった。特に、沖縄の場合は外国のリゾート整備と異なり、多数の地権者からの合 意を得なければならないという事情がある。

――そこで大規模なリゾートの集積が可能になる手法を導入してくれということになった。

《大城》 ご承知のように農地の場合組合を作って一定地域を土地改良事業として整備できる。あるいは同様に都市の区画整理事業でも土地の交換分合を行って、合理的な開発が可能だ。そこで観光地でも同様な制度を導入すべきだ、というのがリゾートタウン整備事業だ。これがなければ沖縄観光は国際的な観光地と互していくこと は不可能だ。

施設の集積が必要だ これなくして700万人はムリ

――不可能と言い切りますか。

《大城》 不可能です。あなたもバリの開発は見たでしょう。沖縄と競合する国際リゾートは政府主導で観光産業をもり立てている。リゾートタウン事業を導入することで沖縄も国際的なリゾート地になる。五千室、一万室が集積すると一日当たりの滞在人口は一万人〜二万人となり、そこにビジネスが発生する。いま、これが沖縄にないので飛躍的発展ができない。さかんに五百万人の次は七百万人だとか千万人というという議論があるが、リゾートタウン整備事業を実現しなければ、七百万人もムリだと個人的には思う。

 新婚旅行を見て下さい。かつて沖縄は最大の新婚旅行先でマーケットの半分を占めていたこともある。ところが最近は新婚旅行先の九八%が海外で、残りの二%に北海道、九州、沖縄などがひしめいているという状況だ。新婚旅行は断然ハワイであり、やはりハワイはトップだ。ワイキキだけで八十五のホテルがあり、高級な客室から低価格で快適な客室まで三万室ある。沖縄は全体で二万三千室ですよ。規模も質も沖縄観光はこれからだ。これから一生懸命やらないといけないのが現実じゃないか。

――確かにそれでは航空会社や旅行社が沖縄を売るのに苦労するかもしれない。それどころか今後もっと苦労する心配がある。

《大城》 バリの彫刻を取り入れたホテルの造りなど地域の文化を取り入れたリゾート施設の作り方は見事だ。沖縄のリゾートホテルは世界中のどこにでもあるスタンダードなものが多い。東南アジア各国で地域性を取り入れたリゾート施設ができてきており、東南アジアの方が沖縄より考え方は進んでいる。

 沖縄観光を飛躍させるにはリゾート地の基盤整備のようなことは行政が受け持ち、進出する観光施設はもっと魅力ある施設になるよう知恵を絞り、投資も出来るようにすべきだ。そのためのリゾートタウン整備事業だ。

 改めて観光振興基本計画を熟読して欲しいが、この中の核心部分は「国際的水準を持つグレードの高い施設に加えて大衆・家族向きで良質・低廉な宿泊施設の整備」というところだ。立派な基本計画があり、方向性は出ている。これを本気でやるべきだ。最近はエコツアーや体験交流の話題が大きく取り上げられ調査もやっている。もちろん大切な切り口だが、それは枝振りであり、バラエティーの一つである。本筋を見失ってはいけない。(「観光とけいざい」2001年4月15日)


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人間力が求められている

那覇セントラルホテル支配人 中村 聡

――四月に入って観光客数は回復傾向にある。先行き不透明感が払拭されつつあるのではないか。

《中村》 そうはなっていない。ゴールデンウィークも一昨年の水準まで戻したというところで、景況感は悪い。観光客の伸びに不透明感があり、その一方でホテルの場合リニューアルなどどうしても必要な経費は先送りできない。そこに不安があると思う。

 旅行の中身も変わってきた。いま、団体旅行といっても実態は個人の集まりで、行動パターンが一頃とは全く異なっている。  かつての団体旅行は旅行スケジュールが細かく決まっていて、添乗員さんと打ち合わせたが、個人旅行の形態になると、ホテルスタッフが親身になって個々の旅客の要望を聞いて適切なアドバイスをしなければならない。一層スタッフの資質、人間力といったものが求められるようになっている。これを整えていかないと取り残される。宿泊客の「今日はどこに行こうか」という問い合わせに対し、「ここがいい」と応えていく情報力や見識が一層求められるようになっている。ホテルからの案内に対して、どう受け入れてもらえるかということも気になる。

――最近の雇用形態からすると、終身雇用がなくなろうとしており、ホテルの場合も契約社員やアルバイトが増えている。求められる人材と実際にやっていることが違うのではないか。

《中村》 それは社員だから資質が高く、アルバイトだから旅客とまともな会話ができないということではない。人間力というのはこのことで、ビジネスを超えての人とのかかわり方が問われている。人間力とは企業がつくるのではなく、その人が小さな頃から家庭や学校で培ってきたものが大切だ。この力を高めることは大変だと思う。

――インターネットには沖縄情報を趣味で提供しているという人はたくさんいるが。

《中村》 ボランティアはたくさんいる。しかしわれわれ企業は企業自体の存続を考えなければならない。サービスは有償だが、大きく見ればお客は沖縄にお金を落とすのだから、ホテルであらゆる情報を提供しようという考え方もすばらしいと思う。ディズニーの考え方に近づくと思う。そこでエコマネーといった考え方が生きてくるのかな、という感じ。

――提供をした、受けた情報に対してエコマネーをやりとりするという考えは今後の国内旅行にとって発展性があると思う。今日のインタビューは中村さんがホテル組合の青年部長に就任したこともきっかけの一つだ。観光全体に対して、青年部長として主張していきたいことを。

観光はボトムアップで 青年部は公益を追求して行く

《中村》 観光地の定義にいろいろあるが、一時期自分の生活環境と観光地を比べて自分が優位に立つという感覚があった。

――東南アジアでそのような傾向があった。

《中村》 本来は逆で観光地はあこがれの地であり、自分たちの地域にないものがそこにあるというものが理想だ。そのためには沖縄そのものを豊かな地域にしていかねばならない。コミュニケーションの問題も心が豊かであるという人間性に行き着く。

 これを実現するには業界だけではムリで、県民全体の意識が必要だ。幸い沖縄県は観光立県宣言をしている。そこに盛り込まれたことを現実に進めるべきだ。いま、観光立県の精神がいかされているとは思えない。観光行政でいえば観光立県宣言と実際の観光行政に温度差があると思う。観光予算は果たして観光業界主導で編成されているのか。あるいは観光行政に実際に観光に携わっている人達の声が反映されているのか。机上の理論で政策が決められていないか。目的と手段に時々ズレを感じる。

 例えば、世界遺産登録ではグスクを文化遺産と見るのか、観光資源と見るのかで行政の対応は大きく異なってくる。いま、どれだけ気軽に見にいけるのか、全部をめぐる定期観光バスはあるのか。グスクをどう観光に結びつけるのか議論すべきだ。

――小泉内閣のタウンミーティングではないが、最近県などが業界の意見を聞く機会を設けるようになってきた。

《中村》 確かに県は最近風通しがいい。「来てよ」という感じで声をかけてもらっている。いったり来たりできるようになってきた。

――いままでコミュニケーションがなかったのもおかしいが。

《中村》 青年部という立場上の遠慮のようなものもある。行政には親組合が対応してきた。もっとも、われわれもなかなか機会がなかったことや、発言しても無駄なんじゃないかという雰囲気もあった。観光に携わる人達の地位が低く見られていなかったか、あるいはそうさせる人がいたのではないかということも含め、改めないといけない。

――アハハ。行政は地域住民の要求を聞くのが本来の仕事だ。もっと情報を入れて堂々と行政に反映してもらおう。青年部という名前からイメージされるのは行動力とか、清潔さだ。今後の青年部の運営について。

《中村》 観光はトップダウンの政策が必要な場合もあるが、日常的にはボトムアップで地域主導の運営が必要だ。というのも県がこうしましょうといっても、受ける側に意識がなければ空回りする。しかし、企業から出てきた企画を市町村が取り入れる場合うまくいく。

 例えば、那覇市、恩納村では観光のシーズンや規模が異なるから、地域主導で観光政策を進めた方がいいと思う。県全体を対象にしたイベントなど県主導で動くと地域事情もあって対応しにくいものが出てくる。しかし、市町村が動くと個性が出てくる。

 青年部ではそれぞれの地域でそれぞれの地域を活性化させるような仕掛をつくっていく。先ほどボトムアップが観光業界で必要だと述べたが、ボトムの仕事をわれわれがやっていくんだという意識だ。個人の利益でなく公益を追求していきたい。(「観光とけいざい」2001年5月合併号)


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沖縄観光の総合窓口必要

コスモスネット社長 国吉 真徹

――インターネットでの客室の予約が増えているというが実際は。

《国吉》 いろんな人の話を聞く限り、インターネット経由の予約は着実に増えている。

――電話での予約がインターネットに代わっただけではないのか。

《国吉》 電話がインターネットに代わったとしてもインターネットでの予約には違いない。その前に、インターネットが需要に結びついているか、予約を増やすことに結びついているかを考えるべきだ。

 観光業界ではまずホームページが必要だ。これがないと次ぎに進まない。最初はインフォメーションのためのチラシという感覚で導入していい。

 第二にホームページを利用して来てもらった旅客に対するインターネット環境を整えることだ。ホームページから予約した旅客は必ずインターネットを普段から使っている人達だから、当然、出先の沖縄でも使う。

――ホテルの客室でインターネットが使えるようにするには相当な費用がかかると思われている。最も安く環境を整える方法を教えて欲しい。

《国吉》 一番簡単なのは客室の内線電話にモジュラージャックが差し込めるようにすることだ。

 解決したいのは自分のパソコンでインターネットにつなぐことで、モジュラージャックさえあればダイヤルアップで接続できる。

――海外取材にパソコンを持っていくのは常識になった。デジカメで撮った写真はその日のうちにインターネットで沖縄に送るが、とにかくモジュラージャックがなくては話にならない。ワシントンと上海での経験だが、とにかく電話線に繋げたので通信料はかかったが、原稿を送ることができた。

《国吉》 その上でホテルから市内電話料金で接続できるプロバイダーと契約しておいて、ゲスト用のアカウントとパスワードを用意すべきだろう。ホテルが契約してアカウントを複数用意し、需要に応じて使ってもらうようにする。

――宿泊客がインターネットに繋がっても、自分が契約しているプロバイダーを経由して、最寄りにアクセスポイントがないと、通信料が大変だ。ある新聞社は上海からわざわざ沖縄に電話してインターネットを利用したが、その際の料金が一万円以上になった。

《国吉》 最低限モジュラージャックが必要だといったが、いまの時代市内料金で接続できる環境はどうしても必要だ。

――ホテルによってはインターネットを使えるようにしようと、業者に相談したら、サーバーが必要だとか、電話の課金システムを新たに作り直さなければならないといわれ、ン百万円の費用がかかるから断念したというところがある。

ホテルの整備は任せて 最適な方法を提案できる

《国吉》 いろんな機器があり、それぞれに考え方があると思う。しかし、最低限のインターネット環境はモジュラージャック、次ぎに市内料金が使えるプロバイダーとの契約だ。パシフィックホテル沖縄はまずモジュラージャックをつけるところからスタートした。コスモスネットは県内隅々にアクセスポイントを設けており、ここまでやっているのは他にNTTくらいだ。少なくとも県内のホテルから相談があれば最も安く、そのホテルにとって最適で、なおかつ新しい技術にもステップアップできる方法をアドバイスする。サーバーを入れたりするのは本当に必要になったときでよい。

――それは心強い。その次のステップとはどんなものになるのか。

《国吉》 需要に応じて高速な回線が欲しいということになる。パシフィックホテル沖縄の場合、モジュラージャックから始め、いまではADSLで無料接続できるようになった。

――ホテルのビジネスセンターの中でインターネットが使えるようにしたらどうかというアイデアをどう思うか。

《国吉》 ビジネスセンターの考えは、本来各部屋にファックスやコピー機を置きたいのだが、場所をとるし費用もかかる。そうはいかないので一カ所に機器を集め、宿泊客が共同で使えるようにした。しかし、インターネットの場合、客室にものを置く必要がないので、わざわざビジネスルームへどうぞという必要がない。

――これまでの話だとホテルへのインターネットの導入は非常に簡単だ。しかし、まだまだ多くのホテルで環境が整っていないのはなぜだと思うか。

《国吉》 いますぐ必要なのかどうかという見極めがつかないのだと思う。多くのホテルが多大な費用がかかるとまだ思いこんでいる。これまで述べたように費用はわずかでよい。まずやってみてお客の要望を聞きながら改良を加えていっても遅くはない。その場合の対応方法はいくらでもある。だから、まず取り組むという方法に間違いはない。しかも民宿など小さなところほどインターネットが活用できる。旅行社のブロックに入ってないところなどはそれこそインターネットでダイレクトにインフォメーションして集客できるからだ。

――モジュラージャックに代える、プロバイダーと契約する、この二つの費用は数万円でしょう。ある通信会社の友人に聞いたら「ジャックの取り替えは一個二百円もしないし、自分が工事したら一日五十個くらいは取り替えられる。百室のホテルでも二日の作業。日当五千円としても二万円前後の仕事だ」といっていた。

《国吉》 ホテルの場合外向けのインフォメーション、予約をキャッチするためのホームページは当たり前になる。それがないと取り残される。お客に対するホテルのインターネットの基本的な設備はこれでいいと思う。

――ホームページは自分でつくるべきか。今日焼いたパンを午後六時を過ぎたら半額に値下げして、帰宅途中のサラリーマンに売りたいけど、ホームページ管理会社に頼んでもすぐにはやってくれないという不満もある。

《国吉》 自力で管理すべきだ。誰かに更新を任せると費用がかかるし、時間差も出てくる。いま、ホテル組合のIT講習会をコスモスネットでやっているが、この中でホームページの作り方をカリキュラムに入れてある。「意外と簡単にできる」という反応で、ホームページは本当は簡単にできる。

――観光産業全般に対するアドバイスは。

《国吉》 沖縄全体を考えると沖縄に対する問い合わせをどこにすればいいのか分からない、窓口はどこなのかという要望が出てくると思う。個別のホテル、施設を離れて沖縄としての課題になる。ネット上の案内所のようなもの、天気、レンタカー情報、生活・文化などさまざまな問い合わせが観光客からある。これを全部引き受ける窓口をネット上につくれば、沖縄観光はインターネットを効果的に活用している、ということになる。

 沖縄のことならなんでも来いという窓口はできると思う。グランドデザインをどうするかだと思う。

――先日のツーリズムフロンティア2001でもその件は話題になった。そのあたりに業界全体ののニーズがあるかもしれない。

《国吉》 全体的には観光客の滞在日数を伸ばすという仕組みを作り上げるべきで、そのために必要なのがウェルネスとかホントに充実したマリンレジャー、夜の活用、テーマパーク…などだ。

――インターネットを使って、沖縄で仕事をするとか。

《国吉》 その通り。インターネットの時代、ますます仕事が切れなくなってきて、リゾート地でも仕事したい、という需要が出てくると思う。(「観光とけいざい」2001年5月合併号)


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