連載 ガンバレ県内企業 勝ち組への挑戦(6)
大嶺正行(タナベ経営沖縄支社長)


IT戦略が企業業績の明暗を分ける時代

 今の時代、コンピュータを使用していてない企業は皆無であろう。私も仕事がら色んな企業を訪問し、その使用状況を目にすることが多いが、その活用レベルもさまざまである。

 ある県内中堅企業を訪問した時のこと、その企業の経営者曰く「うちはコンピュータの導入が早く、ほぼ全員がキーボードをたたけるレベルまできた」と多少自慢げであった。

 ところが、「社長、日々、経営判断をしている経営羅針盤はどんな資料ですか」と質問すると「は?…」といったきり答えが返って来ない。コンピュータを積極的に業務に活用しているものの、肝心な日々の経営判断に必要なデータは作成されていないのである。

 つまり、コンピュータを単に業務処理効率化の道具であると捉え使用しているごく一般的な事例なのである。このことは一般の企業に限ったことではなく、コンピュータ専門会社にもその感覚は概して見られる。

 IT(インフォメーション・テクノロジー)活用レベルの差は、経営判断スピードの差なのである。これからの時代は、気合だけでは業績はなかなか伸びない、あるいは伸びても限界があるのではないか。もちろん気合、ヤル気はいつの時代でも企業経営の根幹をなすものであり、極めて重要であるが、それ一辺倒では時代に取り残されるおそれがある。

 情報をいかにマネジメントに活用できるかが、企業経営の明暗を大きく分けるキーファクターになっていることはまぎれもない事実なのである。

 苦手意識があってもめげずに克服すべきである。そのためには夜の付き合いを半分に減らしてでも時間をつくり、徹底して学ぶべきである。

 今の時代、経営者自らが取り組む経営の重要課題の一つがIT戦略なのである。

 コンピュータもひところと違って低価格化が進み、費用対効果でいえば極めて効率のよい投資となった。それをどう活用するか、むしろ知恵の格差が問われているのである。

 そこで、導入あるいは再構築にあたって基本的におさえるべき内容を整理すると以下の六点に集約される。

(1)自社業績向上の決定的ポイントを整理する(日々おさえるべき内容、週単位でおさえるべき内容、月単位で十分間に合う内容に区分して整理する)

(2)一枚のシートで一覧できる極めてシンプルな経営羅針盤フォームを設計する(日報、週報、月報)

(3)その結論から自社のコンピュータシステムを再構築する(今年の十二月末まではワンセット百万円未満まですべて経費になる)

(4)できれば出張先からでも見られる環境を整える(モバイル、iモード等)

(5)最低でも経営幹部以上は会社と自宅にコンピュータを配備してインターネットを使用する(はじめは電子メールだけでもよい)

(6)どうしても苦手意識があれば基本の基本から学ぶこと(さるでもわかる…↓一番簡単な入門図書からはじめる、または教室に通う)

 スピード経営の時代といわれて久しいが、これからの時代、目指すべきは日々決算であり、徹底した効率経営である。ライバルとの差別化は情報活用力で決まる。今から構築しても遅くはない。むしろコンピュータを上手く活用できていないことで、他社に負けてしまうのではないかという漠然とした恐怖観念をいだいている経営者は意外に多い。そのくせ具体的な行動を起こさない人が多いことも事実である。

 思い立ったが吉日、早速、具体的な行動を起し自社にあったマネジメントシステムを構築しよう。成果は必ず出る。ガンバレ県内経営者! 私も積極的に応援いたします。(「観光とけいざい」99年8月15日)


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