連載 ガンバレ県内企業 勝ち組への挑戦(7)
大嶺正行(タナベ経営沖縄支社長)


インターネット販売を本格的に意識すべき時期が来た

 1、インターネット販売の現状

 インターネットを自宅か会社で楽しむ人は県内でもだいぶ増えた。特に企業経営者ともなれば年齢のいかんを問わずインターネットを活用している人は多い。

 日本全国では千七百万人、県内でも三万人程度はインターネットを仕事に、趣味に楽しんでおり、全国で八人に一人はインターネット人口がいることとなる。二〇〇一年には三千万人まで達するともいわれている。

 最近よく聞かれるのが「インターネット販売は商売になりますか」と言った内容のたぐいである。

 九九年現在のインターネット販売の市場規模は二千億円程度であり、アメリカの四兆円市場と比較すると二〇分の一とまだまだ小さい。

 なぜ日本におけるインターネット販売市場の成長スピードが遅いのか。その要因の第一が個人の銀行口座の暗証番号やクレジットカード情報を入力するのを嫌うからであろう。

 その結果、「現金引換え」あるいは「銀行振込」となり面倒くさいというのが消費者の本音なのである。そんな状況の中、インターネット販売を促進させる新サービスが生まれつつあり、いよいよ本格的な成長市場になると考えられる。

 宅配便で有名なクロネコヤマトとコンビニエンスストアのセブン・イレブンの新サービスを紹介しよう。

(1)クロネコ探検隊の事例

 クロネコヤマトは「クロネコ探検隊」と称してインターネットモール(ネット上の仮想商店街)を主催している。なんと日本全国の特徴ある店が二千店舗も出店しており、すでに二十五万人もの人がアクセスしている状況である。

 沖縄県からも十二店舗が出店している。この事例から言えることは、インターネット販売には物流機能は絶対的条件であり、有名でかつ信頼性の高い企業が中心になってインターネットモールを形成することは自社の強みをいかした効果的な経営手法の一例となることである。

(2)セブンイレブンの 時間対応

 次に、コンビニエンスストアで有名なセブンイレブンの事例を紹介しよう。書籍卸の最大手トーハンとソフトバンクとセブンイレブンの三社が業務提携して、書籍のインターネット販売事業を今年十一月よりスタートさせる。

 消費者がインターネットを通じて書籍を注文すると、十五万冊の在庫を誇るトーハンとセブンイレブンにその情報が即座に伝えられる。そして消費者が指定したセブンイレブンにトーハンから書籍が送付され、消費者が店頭で代金を支払うと書籍を受け取れるという販売システムである。

 セブンイレブンは、雑誌販売では八・二%のマーケットシェアを占めており、すでに日本一の雑誌販売企業なのである。

 日本全国ほとんどの地域にコンビニエンスストアはある。銀行振込と違い基本的に二十四時間サービス提供が可能となり、日本一の本屋になる可能性は極めて高い。

2、今後の成長市場はコンピュータの中にある

 アメリカの研究機関の調査によると、日本におけるインターネット販売市場は九九年の二千億円が二〇〇一年には一兆円以上になると予想している。

 なんと二年間で五倍になるというのである。これだけの成長性のある市場がどこにあろうか、実のところはコンピュータの箱の中だけであろう。

 なかなか注意しないと見えにくい市場なだけに意識しない人が多いと思うが、今後は好むと好まないにかかわらず無視できない市場になる。

 ある老舗の「手作り傘屋さん」の事例で見ると分かりやすい。その傘屋さんは店舗を維持するのに月々千七百万円の売上が必要であったが、月商が百万円程度まで落ち込んでしまい閉店してしまった。それでもどうしても復活させたい店の主人は五十代にしてコンピュータを学びインターネット上で店舗を開店させたのである。

 その結果、なんと月商七百万円まで売上が伸び、月四百万円の利益を確保しているとのことである。人件費、家賃いらずの二十四時間営業店舗が実現できたので当然なのかもしれない。

 手作り傘を欲しいと思う人は少数であろうが、全国で見るとニッチ(隙間)市場ながらバカにならないのである。加えて、ライバルも少なく全国を相手にすれば勝ち組になる条件を十分そなえているのである。

 この事例から学ぶべき、インターネット販売に向いている商品・サービスを考えると以下の点に整理できる。

(1)身近にあまりないような商品・サービス

(2)ニッチ(隙間)商品

(3)工芸品のようなこだわり商品

(4)旅行のような情報のみを手がかりに購入する商品

(5)プライスゾーンは数万円単位とあまり高額でないこと

 沖縄県は本土との特異性を十分もっており、探せばいくらでも特徴のあるニッチ商品は存在する。その好条件を商売に生かせる一つがインターネット販売であり、知恵次第であろう。本土との違いを生かし、新市場を生み出そう。タナベ経営も応援します。(「観光とけいざい」99年9月15日)


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