連載 ガンバレ県内企業 勝ち組への挑戦(9)
大嶺正行(タナベ経営沖縄支社長)


年末年始の休日を返上して2000年戦略を構築すべき

 一九九九年も残すところ一ヶ月余りとなり、常夏といわれる当地沖縄でもさすがに朝夕は涼しさを感じられる季節になった。

 師走になると、なにかと心ソワソワ、ウキウキと特別な気持ちになれる月である。特に、経営者の方々は「どこそこの企業からの招待」といわれては、忘年会に追われる日々が続くことが多いことであろう。そこで是非、経営者の皆さんに考えて欲しいことは「一九九九年十二月の師走に何をやるべきか」である。その答えは「自社の二〇〇〇年をどうしめくくる」かを真剣に考えることである。

 企業でトップが仕事始めの一月四日に「新年の訓示」を述べることが通例になっているところが多い。来年二〇〇〇年は、一千年周期の最後の年となり、何かにつけてケジメをつけるには都合のよい年であるばかりか、思い切って新しい考えを実行に移するチャンスでもある。このことは企業経営においても例外ではない。

 その意味で二〇〇〇年一月四日を特に大事にして欲しい。例えば以下のようなコメントを述べる経営者は多いことと思う。

 「二〇〇〇年は、二十一世紀までいよいよ今年一年を残すだけになった。ついては、輝ける二十一世紀をわが社も迎えることができるために、この一年間は徹底した勝組み企業になるための条件整備年度にしたい」

 いずれにしても、経営者の重要な仕事として、年末年始の休日を利用して「二〇〇〇年の経済環境と経営課題」を徹底して整理分析し、自社の「取り組むべき基本方針」を明確にする必要がある。

 タナベ経営でも四十年間全国縦断で連続開催している経営者・経営幹部向けのセミナーとして「経営戦略セミナー」がある。県内でも例年七十〜九十名の経営者・経営幹部が集い、一日かけて那覇市内のホテルで勉強会を実施している。

 その際、使用されるテキストは四ヶ月かけて三十名余りのコンサルタントが共同執筆しており、私も毎年、年末年始の休日を返上してそのテキストを勉強するようにしている。

 方法はどうあれ、今年の年末年始の休日は、各企業の経営陣にとって特別な思いを持って過ごして欲しい。変革の時代、規模の大小を問わず必ず実行すべき経営姿勢である。

 いい過ぎかもしれないが、徹底した戦略構築をしないと明るい二十一世紀は期待薄ではないだろうか。その意味では、本当に休日返上もやむを得ないかもしれない。

 そこで整理分析すべき事項を列挙すれば以下の六点である。

(1) 自社が属する市場が今後どうなるか

(2) 自社のマーケットポジションの確認

(3) ライバルと比較して自社の強みと弱みの確認

(4) コアにすべき自社の特徴点はなにか(他と差別化できるのであれば技術力、販売力、管理力等なんでもかまわない)

(5) コア以外でアウトソーシング(外注)すべき機能(最近は営業機能でも外注している会社がある)

(6) 上記(1)〜(5)を踏まえて「今後の自社の打つべき実行具体策」

 これらのことを、仕事始めの挨拶の中で「自社の二〇〇〇年度経営方針」として発表し、全社一丸体制をつくるべきである。今の時代、経営者の後ろ姿を見て「考えていることを理解して付いて来い」は時代遅れである。むしろ、口頭だけでは、情報が間違って伝わる可能性がある。極力、文書も合わせて伝える努力が必要な のである。

 どうか面倒くさがらずに、これから迎える二〇〇〇年を精一杯、意義のある年にしていく努力を怠らないでほしい。トップは方針の明示と経営判断が最大の仕事なのである。

 タナベ経営もご要望とあらば、全面的に応援します。

 頑張れ県内経営者、いい年にするか、あるいは、そうでない年にするかは、経営者の考え方と実行力で決まる。(「観光とけいざい」99年11月15日)


 |  連載10 |  HOME |
本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。
Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission.