連載 ガンバレ県内企業 勝ち組への挑戦(16)
大嶺正行(タナベ経営沖縄支社長)


利は元にあり!

 B2C(ビー・トゥ・シー=企業対消費者)以上にB2B(ビー・トゥ・ビー=企業対企業)の時代が本格的に到来する。簡単に「B2C」と「B2B」を説明すると以下の内容だ。「B2C」は、インターネットを活用した企業と消費者 との商取引のことであり、「B2B」は、同様にインターネットを活用しての企業と企業の商取引の総称である。今、注目を集めているのは、インターネット・ショッピングなどの「B2C」のほうであう。

 しかし、二〇〇三年の市場規模で比較すると「B2C」は約四兆円、「B2B」は約六十八兆円といわれており、十五倍の市場規模なのである。

1、ブリック&モルタル企業とはIT武装企業のこと

 アメリカで「B2Cに強い会社」といわれているのは「ブリック&モルタル企業」である。直訳すると「煉瓦とセメント企業」となる。つまり歴史とブランドと信用のある企業のことである。日本で言えば高島屋、三越、ソニー、松下電 器の類だ。

 その企業がすべてIT化することを称して「ブリック&モルタル企業」とよんでいる。

 今は、ブランド力のある「ブリック&モルタル企業」がインターネット・ショッピングを一斉に始める時代に来た。これから後発的に地方の企業が参入しても現実的には、極めて厳しいのが現実であろう。もちろん「楽天」「九州よかもん 市」などのショッピング・モールに出店することは有効な販売方法である。そこで確認すべきは、安易に企業単体でインターネットにホームページで出店したからといって、そう易々と販売できる時代ではないのである。やはり、ネームバ リューと信用力のある老舗企業に勝てないのが現実であり、棲み分けは終わりつつあるのだ。

2、「B2B」の時代

 そこで中小企業が、今後、注目すべきなのが、むしろ「B2B」である。例えば、建設業であれば、建設資材などをインターネットをとおして購入オークションを行い、一番安く提供してくる商社、メーカーから安価で建設資材を調達す ることができる。

 例えば、鋼材購入サイトの「メタル・サイト」「鋼材ドットコム」がそういったインターネット・オークション購買の市場なのである。その市場を上手に活用することにより「速く」「安い」生産財が手に入ることとなる。つまり、インター ネットを使った「劇的なコスト・ダウン」と「飛躍的なスピード・アップ」なのである。その他、トラック輸送業界では、トラックの積載率が四七%であることに注目して、輸送会社をネットワークして空で走っているトラックに対し、荷主 がインターネット上でオークションを行い二〇〜三〇%の値引で配達を依頼するシステムを開発し七月よりスタートさせる企業もでている。このシステムが全国に広がれば、一兆円程度の輸送コストの低減になるというから大変なものであ る。

3、小ロット対応は中小企業に有利

 加えて、中小企業に有利なことは、小ロットでも対応してくれることである。注文を受ける側からすると、これまでの場合、受注した時点で伝票を発行して社内連絡を行い、倉庫でピッキングして配送する。この手間がバカにならなかっ た。これからは発注する側でデータ入力をしてもらえるので、経費が削減できる。つまり、取引量と人件費が正比例しないこととなる。このことは「売り手側」「買い手側」の双方にとって劇的なコストダウンを意味するのである。

 以上のことから、県内企業にとっての「IT革命」とは、企業に「コスト・ダウン」と「スピード・アップ」をもたらす最も有効な手段であると言及しても過言ではない。

 ITを積極的に活用することは「価格競争力」をつけることを意味するのである。

4、利は元にあり

 弊社会長の田辺昇一が「利はもとにあり」とよく言うが、「B2B」は最も有効な手段となり得るのである。また「売りで損して、仕入れで儲けろ」とはよく言ったものだ。

 もちろん販売とは、品質、価格、人脈、信用等の「総合力」であることは、いつの時代でも変わらない。そのことを踏まえた上で、購買動機の比重が価格であることも否定できない。その重要な決定要因である「価格」がライバルに対し 少しでも差別化できるのであれば、勝てる条件整備として「B2B」を最大限に利用することは経営戦略の要諦になるはずだ。その上で「行動力」のある組織を築ければ、鬼に金棒なのである。

 タナベ経営沖縄支社でも「データ・マーケティング研究会」と「eビジネス研究会」の二コースの勉強会(月半日一回、六ヶ月)を八月より新企画でスタートさせるが、その目的は「企業の競争力強化」に他ならない。勝てる条件をライ バルより一つでも多く持つことは二十一世紀を占うに当たって大変重要なことであろう。もう二十世紀の最後の年も折り返しを越え、待ったなしの秒読み段階まで来ているのである。 (「観光とけいざい」2000年7月15日)


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