連載 ガンバレ県内企業 勝ち組への挑戦(35)
大嶺正行(タナベ経営沖縄支社長)


人気のリフォーム番組

 お昼のバラエティー番組で毎週水曜日放映の「必殺リフォーム計画」という人気コーナーがある。自宅の間取り、機能性に悩みを持つ主婦からの依頼にプロの仕事人が自宅を訪問し、そこのご主人に指導してリフォームを行う。その間、奥さんには外出してもらい、リフォーム終了後に帰宅、その変貌ぶりに感激…が定番ストーリーだ。指導役にリフォームのカリスマ前出英子氏。依頼人は、大阪府の笹川賀子さん。四世代同居の女系家族。依頼人が「洞窟」と例えるだけあって、昼間でも真っ暗。電気をつけてもあまり変化なし。立派な梁があるが、天井を低く感じさせてしまっていまる。さらに狭いキッチンには、家具がたくさん並んでいてかなりの圧迫感。すりガラスから入る光は、部屋全体には届かない。築五十年の純日本家屋を、依頼人の希望である「おしゃれで、明 るく、若々しい台所」に一体どう改造するのか。

1、キッチン・リフォーム

 まずは、部屋に溢れるモノを全て移動。モノがなくなるとさらに目立つ立派な梁。ご主人に壁をぶち抜いてもらい、日本家屋ならではの大きな梁が、部屋の主役として復活。続いて床をリフォーム。下地を整えるために厚めの板を敷き、その上にコルクタイルを全面に敷き詰め、暖かく隙間がない新築同様の床が完成。キッチンの扉を大胆に開け、アクリル板を木枠で固定して窓付きの扉に改良。キッチンは、新しく用意した扉をセットし、ウッディで明るい雰囲気に変身。キッチン、ダイニングの壁を全て白に塗り替え明るさを演出。続いて出窓の改造。窓を外し、光を通しづらかったすりガラスをアクリル板に入れ替え。キッチンの出窓部分のスペースに、タイルを貼り、鍋や食材を置く新たなスペースが誕生した。そして、家族八ェェ人分の食器を、大きさや使う頻度を考え ながら収納。さらに細かいものは、引き出しケースに納める。キッチンに三種の神器が機能的に並び家具が一方に集まったことで、家事動線をコンパクトに確保できた。

2、照明のリフォーム

 続いては、古い証明器具を外し、複数のスポットライトを取り付け、間接照明効果を狙う。中央には、明るい蛍光灯もセット。パワー不足なうえ、寒い感じだった照明が、暖かい明りに変り、天井や梁も映えた。

 リフォームも佳境。使われていなかったダイニングテーブルを運び込み、壁際にセット。部屋の雰囲気に合わせたクッションで椅子をコーディネートしてリフォーム終了。大型家具がそびえ立つ暗いキッチンが、ダイニングと一続きになって明るく大変身。リビングとダイニングの境界線だった壁はすっかり消え、広がりある空間はダイニングキッチンに変身。雰囲気はすっかりレトロモダン。格式ある日本家屋が育んだ木のぬくもりを生かしながら、暗さ、寒さを現代的に解消した今回のリフォームは、締めて二十四万五千八百円(材料費のみ)という。奥さん、お母さん、おばあちゃんの反応は、涙涙の大感激であった。

3、シンプルが一番

 総じて我々日本人は、モノを大切にするあまり整理し捨てる事が苦手な国民性であろう。私自身、沖縄支社を全面改装中だが、心掛けたポイントは徹底して捨てることである。コンサルタントの個人机を全て処分し、全員兼用の会議用テーブルに変更。その反面、休憩ルームを充実させた。結果として、作業と休憩を完全に分離するのが狙い。

 その一方、お客様の来社スペースを拡大し、気軽に来社できる支社づくりを目指したいと考えている。デスクワークの多い人は、概して個人の机が城となり、仕事と休憩が混在している場合が多い。ITの発達した現在、在社中、移動中、在宅中でも同じ環境で仕事ができるはず。極論すれば、SOHOの集まる拠点が事務所との捉え方だって十分可能である。生産性は、デスクに座る時間で計るものではない。お客様に提供できたサービスの量で計るものだ。

 いずれにしてもリフォームは職場でも家庭でも同じ、目的に合った機能性を確保することががポイントだ。「必殺リフォーム計画」を見るたびにシンプルであることが一番美しいことだとつくづく教えられる。加えて、企業経営も時代変化とともにリフォームする必要性があろう。その基本は、柱となる自社の特徴を全面に打ち出すことと、長年のしがらみを経ち切ること。特に難しいのは凝り固まった社員の固定概念であろう。その意味でも今の時代変革期を上手に活用することが肝心である。 (「観光とけいざい」2002年4月1日)


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