連載 ガンバレ県内企業 勝ち組への挑戦(53)
大嶺正行(タナベ経営沖縄支社長)


事業成功に必要な4つのファクター

 昨今、各調査機関の報告を見ると県内経済が「持ち直し」との景気判断をしているようだが、輸出が好調な大企業が中心であり東京一極集中という感ある。その意味では、まだ、景気回復を語れるには時期早々であろう。

 弊社タナベ経営では、事業で成功するために大事なファクターは「4C」だと提唱している。「4C」の内容を紹介すれば、@コンディション(Condition)Aキャピタル(Capital)Bキャパシティ(Capacity)Cキャラクター(Character)の四つである。

 まず、「コンディション」とは、外部環境のこと。外部環境がよくて成功した場合は、「他力型成功」で、単に環境利潤を得たと言うことである。かつてのバブル時のようなコンディションなら、容易に儲かる可能性は大きい。しかし、今のコンディションは総じて秋または冬であろう。コンディションが悪くても儲かるのが「自力本願型成功」であり、本来求められる経営姿勢と言える。いずれにしても、環境任せの他力型が通用する時代は、とうの昔に終わった。これからは自力型でないとやってはいけないのは当然のことであろう。

 次に、「キャピタル」とは、自己資本のことだ。デフレになると、自己資本が少なく借金の多い企業は、その重圧に押し潰されてしまう可能性が高い。

 次の「キャパシティ」とは、経営者の経営能力のことを意味する。経営はバランスが重要だとよく言われるが、バランス感覚の弱い経営者が、企業を潰しているのも現状であろう。昨今の金融機関の実質国営化も、バランス感覚を無視して貸し付けた結果と言われる。

 加えて、命取りになるのが、最後の「性格(=キャラクター)」だ。優柔不断が企業を潰す。企業環境は、順風もあれば逆風もある。しかし結局、企業の盛衰を左右するものは、外部要因よりも、内部要因にある。それは資本であり、経営能力であり、経営者の性格なのである。どんな世の中になろうと、企業が潰れないための第一ボタンは、資本蓄積であり、自己資本比率三〇%を当面の目標としたいものだ。

1、経営資源

 経営能力は、人・モノ・金・設備・土地・技術など、持てる経営資源をどのように活用して、回転率を高め、付加価値の高い商品を生み出し、出来うる限り腰を低くしてゆく。それが経営者の腕のみせどころであろう。どん底でも耐えぬき、「捨てる」「見直す」「組み合わせる」を繰返し、好業績は試行錯誤の賜物である。苦しい時ほど真剣に見つめる、その本質を見抜く、持ち味を生かす。より頭脳を柔軟にして、考え方の軸を動かしてみる。新しいものを発見する「発想力」が必要な時代である。

 人は、追い込まれ、真剣になれば、おのずと知恵が出るものだ。逆に、なかなかいい案が出ないという人がいれば、「追い込まれ方と真剣さに欠ける」と考えればいい。また、右記の件は、必ずしも経営者だけの問題ではない。企業組織に属するすべての人に係わる問題でもある。

2、少数精鋭主義

 消費者物価、企業の支払能力、労働者の需給状況、労使の力関係で左右されるのが賃金ベースである。消費者物価が下落すれば、昇給ストップでも実質賃金が上昇したことになる。賞与が業績配分なら、昇給は能力アップに対し実行されるものだ。その意味では、月給とは「困難の処理能力」であるから、より難しいことをやってのける能力をアップしないと、昇給はできないと考えるべきであろう。

 能力アップしてはじめて昇給するのだから、能力が伸びない人は昇給がゼロ、また降給でも仕方ないのである。増収企業はよいとしても、減収企業にとっては、人件費をどう吸収するかは大変な問題である。事業経営は、必要な人を必要な数だけ、必要な時に揃えるとこであると言われる。利益単位の小集団別にメリット・システム(業績配分によるモノサシを決め、賞与配分する)を導入し、少数精鋭主義に切り替えるのが得策であろう。あるいは、既存の仕事から切り離し、新しい未知の開発、市場開発分野に転出させる。

 働く人にとっても企業にとっても、厳しさを乗り越えるものは、能力を引き出すための負荷と考えるべきであろう。いずれにしても、「真剣になって、自分自身をプラス視点から徹底して追い込む」がポイントになる。もちろんマイナス発想では上手くいかないことは言うまでもない。(「観光とけいざい」第643号 2003年10月1日号)


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