連載 ガンバレ県内企業 勝ち組への挑戦(55)
大嶺正行(タナベ経営沖縄支社長)


韓国のテレビドラマ・ブーム

 四十代の女性層を中心に韓国のテレビドラマが静かなブームとなっている。「秋の童話〜オータム・イン・マイ・ハート〜」で純愛を描き、アジア中で注目を集めたユン・ソクホ監督の春夏秋冬四部作の第二弾「冬のソナタ(恋歌)」がそれである。

 はかなくて、こわれそうな「初恋」をテーマにしたこの作品は、韓国で〇二年一〜三月までKBS(韓国放送公社)で放送され、平均視聴率二三・一%、最高視聴率二八・八%を記録した。主演のペ・ヨンジュン扮するカン・ジュンサン、イ・ミニョン(一人二役?)のメガネやヘアースタイル、マフラーの巻き方や、劇中にミニョンからユジン(チェ・ジウ)に送られた永遠の愛を示す「ポラリスネックレス」が人気を呼ぶなど社会現象を巻き起こした。日本では今年、NHKBS2(四〜 九月)で放送され、同じく人気をはくし、DVD、本、ビデオが発刊されるほどだ。

 また、ロケ地を巡る「冬のソナタ・ツアー」も人気を集めているという。また、あまりの人気ぶりに、十二月十五日〜二十六日で全二十話が再放送されることとなった。

 

1、冬のソナタ

 内容を正式ホームページから紹介すると、母と妹と三人で暮らすチョン・ユジンは明るい女子高生。幼なじみのキム・サンヒョクとは家族ぐるみの付き合いでまるで兄妹のように育つ。そんなある日、ユジンはソウルからの転校生カン・ジュンサンと恋に落ちた。しかし、突然の悲劇が二人の初恋に終止符を打つ。十年後、建築デザイナーとして活躍するユジンの前に、チュンサンと瓜二つのイ・ミニョンが現われて…。

 初恋という運命で縛られた三人の男女の物語を描く「冬のソナタ」は運命で縛られながら会ってはまた別れる。その中で「家族」という綱で運命を縛りつけてしまう。ジュンサン、ユジン、サンヒョクそしてシュンサンに似たミニョン、これらを取り巻く関係の鎖はミステリー的な構造によって少しずつ明かされていく…。

 何故に絶大なる支持を受けるのか、興味があり私も見てみた。そこに描かれているのは、我々日本人が失いかけている感覚がある。

 家族、礼儀、清潔感、友情、一途さ、真面目さ…、二十年、三十年前の日本ドラマを髣髴させる。ただし、映像レベル、主演俳優のかっこよさは、日本の比ではない。美しく、可憐な映像美だけでも必見の価値はあろう。

 

2、悪ふざけ

 このようなドラマを見るにつけ、我々日本人はある意味「悪ふざけが過ぎる」感があるのではないかと思える。例えば、今年十月に、中国の西北大学の文化祭で日本人教師一人と日本人留学生三人がわいせつな寸劇を行ったとして、中国人学生による大規模なデモが発生。デモ隊は同大学の留学生宿舎に押しかけ、一部は街頭にまで繰り出してデモ行進を行うなど騒ぎとなった。反日的な感情はインターネット上にも飛び火し、外交問題にまで発展した。

 想像するに、本人らは、場を盛り上げようとしただけであろう。ただ、ちょっとした気の緩みが、他国では侮辱されたとまでなるのだ。また、十一月の琉大祭で、小学生一人、中学生約二百人、高校生約百八十人に飲酒をさせたことが全国紙でも報じられ、大変な問題となっているが、それもしかりであろう。

 時、所をわきまえない軽い気持ちが事を起こし、大騒ぎになってビックリしているのが現状ではないか。もちろん、当事者に会ったわけではないので、その真意までは推し量れないが、会えば特に問題を起こす人々ではないと想像する。いずれにしても「悪ふざけが過ぎて」社会問題、外交問題に発展していると言えよう。その意味でも、今静かなブームになっている「冬のソナタ」の主人公らに、忘れかけていた「ひた向きさ、真面目さ、一途さ、一所懸命さ、誠実さ…、そして本当の意味 でのかっこよさ…」を重ね合わせて見る人を感動させていると思う。

 季節もぴったり、この冬に、「初恋」を貫き通す人間の強さに触れて見るのもいい。また、「ちゅらさん」が沖縄ブームのきっかけになったように、「冬のソナタ」が韓国ブームの火付け役になるかもしれない。いずれにしても、注目に値するテレビドラマであろう。 (「観光とけいざい」第647号 2003年12月合併号)


 |  連載56 |  HOME |
本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。
Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission.