連載 マルチメディア&リゾート〜沖縄との相性〜(9)
島田勝也(NTT西日本沖縄支店勤務)


IT革命とは要するに何か?

 ITという文字が新聞やテレビに登場しない日はない。この数年この分野の価値を沖縄でアピールするのに奔走してきた一人としても、正直言ってここまで世の中を席巻するとは思っていなかった。IT革命が今ここまで話題を呼んでいるのは、「産業革命にも匹敵するような大技術革新である」という直感を、多くの人が共有しはじめているからであろう。

 あらためて今回は「IT革命とはいったい何なのか?」を考えてみる。

1、コンピュータの高性能化と低価格化

 IT革命の第一の要素は、コンピュータの高性能化、低価格化である。十五年程前、ハードディスクがパソコンに使われるようになったとき、一メガ一万円というのが相場であった。十メガのハードディスクで十万円ということだ。この値段で言えば、最近の主流となった十ギガのハードディスクだと一億円ということになってしまう(現在、安いものなら十ギガが二〜三万円)。

 パソコンの高性能化で、大量のデータを高速で処理することが出来るようになった。また、低価格化によって一般家庭にまで爆発的な普及をもたらした。

2、通信の大容量化と高速化

 第二の要素は、通信の大容量化と高速化である。かつてパソコンデータを通信する時の速度は、三百bpsであった。当時は一般電話の受話器に音響カプラをはめ込んでいた。現在は急速に普及したISDNを使えば六十四Kbps、二百倍である。通信料金も相当に下がってきており、今後も常時接続サービスの普及などでより一層の低価格化が進む。

 こういったコンピュータと通信技術の革命的な進歩で、かつては文字データの加工と通信が精一杯だったのが、音声から動画まで扱えるようになった。我々の生活感覚に近い写真やビデオまでパソコンや最近では家庭用ゲーム機で処理され、通信されるようになった。

 まさにパソコンが生活の中に組み込まれたきたのである。そして、IT革命の成果を端的に示すのが通信回線に繋がったパソコンの一般家庭への普及である。

3、 インターネットの登場

 パソコンが普及して通信回線で結ばれる環境を作ったこと、まさにこれがITの成果である。しかし、こうして世界中に普及したコンピュータが「繋がる」というのは実は大変なことである。コンピュータには、パソコンから、ワークステーション、スーパーコンピュータまで多くの種類があり、さまざまなメーカーによって作られている。また、基本ソフト(OS)も、ゲーム機などで採用され始めたLinux、パソコン向けのDOS/V、MacOSから、ワークステーション向けのUNIXなど、実にさまざまである。

 それらが「繋がる」というたいへんな事を可能にしたのが「インターネット」である。

 一般に、企業や行政や大学などの組織では、コンピュータはネットワークで結ばれている。これを、組織を越えて世界中と繋ごうとしたのが、ネットワークのネットワーク、すなわちインターネットである。

 以上の三要素がIT革命のベースにある。この三要素がタイミング良く進行したことで、ITは革命と呼ばれる程のインパクトを持つ巨大な波となって、今、我々の社会にどんどん押し寄せている。あらためて言うまでもないが、このIT革命の波が我々の社会・経済システムを根本から変化させようとしている。ある経済評論家は「ITを知らない者はリーダーの資格は無い」と言い切る。

 我々の沖縄においては、このITを二十一世紀の産業の柱として位置づけている訳であり、それぞれの立場でITに対する関心度を高めることは重要と考える。

 私も、本紙のこの連載を担当させて頂くことで少しでもお役に立てれば幸いである。(「観光とけいざい」2000年6月1日号)


 |  連載10 |  HOME |
本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。
Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission.