連載 マルチメディア&リゾート〜沖縄との相性〜(14)
島田勝也(NTT西日本沖縄支店勤務)


携帯電話が急速に進化する

 先月は固定(有線)電話によるインターネット接続の常時接続サービスへの移行について解説したが、今回は携帯電話の進化について触れてみる。

携帯電話の普及…

 何処に行っても必ず目にするようになった携帯電話、これは家庭に一台ではなく一人に一台という商品特性から、とうとう今年はじめには固定電話の数を上回った。若年の諸君にとっても必需品となっているので、彼らの本代等の教養費が通信費に消えているという批判も受ける程である。携帯電話は、その前身である自動車電話から約二十年、特に最近五年間でのサービス・性能の向上は著しく、他の家電と比べても圧倒的な普及スピードを見せている。

WbCDMA…

 携帯電話は、アナログ携帯電話が第一世代、現在使用されているデジタル携帯電話が第二世代と位置づけられる。そして、次世代携帯電話「IMTb2000」が第三世代だ。「IMTb2000」とはITU(国際電気通信連合)が舵取りしている携帯電話の世界統一規格である。既にこの新システムの「cdma」方式を利用した携帯電話サービスを、KDDIグループのau(旧セルラー)とIDOが開始している。

 一方、NTTドコモが提唱し、二〇〇一年の春から夏にかけてサービスが始まる「WbCDMA」もITU規格であり、世界標準規格として最有力候補と言われている。

 両方式が競い合った後、世界中で広まったものが今後、デファクトスタンダードになって行くものと思われる。この辺はビデオのVHS方式とベータ方式の競争に似ている。

携帯電話が情報端末へ

 「WbCDMA」の能力で最も特徴的なのは、最大二〇〇〇Kbpsというデータ送受信能力である。現在の携帯電話が九・六Kbpsなので一気に約二百倍の伝送機能を持ってしまうことになるのだ、ちなみに固定電話のISDNが六四Kbpsである。

 二Mbpsという通信スピードは携帯電話の概念を革命的に変えてしまうことになりそうである。現在の携帯電話でやり取り出来るのは音声と文字情報が中心だが、これによってカラーの映像送信も可能になる。つまり、携帯電話でビデオ等の動画情報をみたりテレビ会議へ参加出来るようになるという訳だ。「WbCDMA」の登場で、携帯電話は電話としての携帯からマルチメディアのインフラとしての「ケイタイ」という新しい情報端末に進化しようとしている。もしかするとIT革命の 真の担い手はこの「ケイタイ」なのかもしれない。

 他国の追随を許さないIT先進国アメリカが、日本に対してその遅れを危惧している事が二つある。一つは全国の光ファイバー網構築の進捗、二つ目がこの「ケイタイ」に関する技術力である。この様な世界最先端の携帯電話を活用した新たなビジネスの展開が来年以降一気に進む可能性は非常に大きい。(「観光とけいざい」2000年11月1日号)


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